【ロードバイク メンテナンス】BBベアリングの虫食いはパワーロス

先日、BB30のベアリングをシマノのBBに交換しました。

その車体から取り外したBBベアリングを分解してみたのでご覧いただきましょう。
かなりの虫食い状態でパワーロスしてたのは確実です。
せっかくのパワーがもったいないですね。

ベアリングは消耗品です。
シールドベアリングは基本的にグリスアップもできません。

定期的に交換することが望ましいのですが、きちんと交換していますか?

ロードバイクで最も力のかかるBBベアリングでのパワーロスを減らすにはきちんとしたメンテナンス(交換)が欠かせません。

クランクとペダルにかかる力は常に最大パワーを受け止める

ロードバイクにおけるパワー伝達で、最も大きな力がかかるのがペダルとクランクです。

ペダルには体重と、さらに足の力がプラスされてかかっています。

クランクパワーは、ペダルにかかった力をクランクアームの長さによってテコの原理でさらに倍増されています。

その力を受け止めてスムーズに回転させるためのベアリングが、ペダル軸のベアリングとBBベアリングです。

ペダルとBBベアリングは他のベアリングに比べて、体重による上からの荷重を受けながら回転をスムーズにするために、加重に対しての性能も求められています。

ホイールも重量がかかってるよな?

ホイールは車体総重量の1/2の加重だね。
むしろ衝撃加重が加わるよ。

ホイールへの加重は正確ではないですが、考え方としては2輪なので車体と体重を合わせた総重量の1/2の重さがかかっています。
総重量に加えて推進方向へも力がかかっていますが、タイヤは回るので大きな力ではありません。

ホイールはむしろ路面からの衝撃加重がかかるので、ベアリングの玉当たり調整はそういった部分も考慮してきちんとアタリを出す必要があります。

ペダルとBBベアリングはダンシングなどでは上半身(背筋)を使ってさらに加重するのでベアリングとしては最も大きな力がかかっていると言えます。
ペダルとBBのこの2つのベアリングは重要ですよ。

ベアリングに傷が入ることを「ムシ食い」という

ムシ食いした玉押し
ムシ食いした玉押し

上の画像が虫食いした状態のハブシャフトです。
シールドベアリングは分解しないのでムシ食いの状態は回転の手ごたえで判断します。

シールドベアリングのムシ食い
BB30ベアリングのムシ食い

シールドベアリングでも、推奨できませんが分解は可能です。
BB30のベアリングを分解してみました。

アウターレースとインナーレースともにムシ食いが見られました。

ムシ食いの原因は?

ムシ食いの原因は3つあります。

  • グリスの劣化(グリス切れ)
  • 異物の混入
  • 衝撃(加重の限界)

以上の3つです。

グリスの劣化と異物の混入は、分解できるベアリングである「カップ&コーン」であればメンテナンスで防ぐことができます。
分解のできないシールドベアリングは、交換することでいい状態に保つことが可能です。

衝撃でのムシ食いはホイールのハブベアリングで主に見られるもので、1点だけに傷ができることがきっかけで、気がつかずに使い続けると全周にわたってムシ食いがおこります。

グリスの劣化について

グリスの劣化とか理解できていますか?

例えば、車などのエンジンオイルは走行距離から判断して交換しますが、同じ潤滑剤であるグリスは交換していますか?

今回はBBなどでつかわれているシールドベアリングに焦点を当ててお話ししているので「カップ&コーン」のようにメンテナンスできるものは除きます。

シールドベアリングだからグリスは流れ出ない。
グリスは残ってるから大丈夫。

グリスは残ってるだけじゃダメ。
劣化してるグリスは潤滑してないよ。

劣化したグリス
異物混入し劣化したグリス

よくあるシールドベアリングの状態がこういったものです。
ダストシールを外さないと見えないので見たことが無い方も多いと思います。

サビが出ているので、水が入ったと思われます。
グリスは潤滑剤(油)なのになぜサビると思いますか?
油に浸かっているものってさびにくいイメージですよね。

これがグリスの劣化です。
グリスの中に水分を取り込んでしまっているので錆びるんです。

ムシ食いしてすり減った金属粉は外に流れ出ないので、ベアリングの中でグリスに混ざった状態でかき混ぜられます。
異物が外から入らなくてもベアリング内で異物が生み出されます。
回転と共に金属粉で擦られてムシ食いがおこります。

グリスのイメージはスポンジにしみ込んだオイルを想像すると非常にわかりやすいです。

オイルは液体なので流れてしまいますが、グリスだと流れません。
これは基剤と言われるスポンジにオイルがしみこませてあって、潤滑するときに染み出して潤滑します。

スポンジから染み出たオイルは、またスポンジに吸い取られます。
スポンジが劣化すると染み出たオイルは元に戻りません。
また、劣化したオイルは潤滑性能が劣っています。

グリスは基剤が残るのでドロドロのグリス状の油分は残ります。
これが劣化したグリスです。

見た目ではグリスが残っているので「大丈夫」と思っちゃうんですね。

残ってるグリスは劣化してるんだ

油分はなくならないから見た目ではグリスだけど、
性能はかなり劣ってるよ。

BBは年に一度は点検を

年間の走行距離はどのくらいでしょう?
1年に一度はBBの点検をした方がいいですね。

私は、年に2回くらい点検してグリスアップしています。
シマノのBBですが、2つ用意してグリスアップ済みのものと交互に交換しています。
こうするとタイムラグが無くていいんですよ。

基本的にシマノのBBは分解できませんが、分解の方法も記事にしています。

シマノのBBを分解してグリスアップ

点検はクランクを抜いて、ベアリング単体を回して指で感じるゴロつき具合をみます。
ゴロゴロと感じなければ大丈夫です。
経験から感じるのは、やはりギヤのある右側のベアリングの方が劣化は激しいです。
右側は特に念入りに点検してください。

ムシ食いやグリスの抜けのあるベアリングはやたら回転が軽くなります。
クリアランスが広がっていたり、グリスの攪拌抵抗がなくなっているからです。
空転させると軽く回りますが、力を入れると回転は鈍くなります。
やたら軽く回るベアリングはクリアランスが広がっている、またはグリスが抜けている(劣化している)かもしれません。
ベアリング単体での点検では、グリスの存在を感じられるかどうかも点検します。

まとめ

シールドベアリングのBBはグリスアップができないので定期的に交換しましょう。

グリスが入っているから大丈夫なのではなく、グリスの劣化も考えなければいけません。
やはり定期的な交換が必要です。

スレッド式BBはベアリングの取り外しを何度やってもフレームへのダメージはありませんが、圧入式BBはベアリング交換の回数を重ねるとBBにダメージを残します。

フレームメーカーが製造の簡素化で幸せになってもユーザーは決して幸せにはなりません。

圧入式BBをそのまま使うのではなく、交換する時はスレッド式BBとか左右一体式のものを使うようにしましょう。

メンテナンス不足におけるパワーロスほど無駄なものはないですよ。

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