あなたの自転車のハンドルはきちんと取り付けられていますか?
ステムボルトは正しく締め付けられていますか?
上り坂でダンシングした時に、ハンドルのアタリからギシギシ音がしませんか?
【ハンドルがズレる】
【ギシギシとした異音がする】 など、ハンドルの取り付け方が間違っているからかもしれません。
正しいハンドルの取り付け方を解説します。
この記事を最後まで読めばハンドルを正しく取り付けることができます。
ステムのハンドル取り付け部(クランプ)は真円ではない
ハンドルのステムの取り付け部分は丸くなっています。
では、ステムのハンドル取り付け部(クランプ部)も真円だと思いますか?
正しく取り付けると真円になりますが、間違った取り付けだと部分的に力がかかってハンドルとステムに負担をかける取り付けになってしまうので正しく取り付ける必要があります。
少しわかりずらいですが上の画像を見てください。
クランプを完全に閉じた状態だと楕円になっています。
真円にするためには、クランプをステム本体から少し離す必要があります。
(サイズ的にも隙間ができる構造になっています)
クランプがステムから少し離れた状態がクランプの正しいサイズになります。
正しい取り付け方
ステムのクランプが少し離れた位置にあれば正しい位置だということはわかっていただけていますね。
正しくハンドルをクランプで固定するためには、クランプをステムから少し離した状態で取り付ければいいわけです。
上下にボルトがある場合、クランプをステムから離して取り付けるのであれば、それは片面だけでいいのでしょうか?
わかりやすく画像で説明します。
上の画像での取り付け状態でも、ステム本体よりクランプが少しだけ離れているので真円になっていると思いますか?
答えは「No」です。
この状態ではハンドルはきちんとクランプで固定されていませんし【真円】の状態で締め付けられてはいません。
少しわかりずらいですが画像を見てください。
ハンドルとステムが前の画像のものとは違うのですが、片面だけを締め付けていくとクランプ部に隙間ができます。
4本あるボルトのうち、片側2本をいっぱいまで締めつけています。(これ以上締めるとカーボンハンドルなら割れてしまいます)
ステムが違うので、完全に合わさった状態は再現できませんでしたが、片側のボルトはほぼ締め付け限度いっぱいになっています。
スキマができているということは【面】で締め付けていないということになります。
この状態だと、ハンドルがズレたり、ギシギシと異音がする原因になります。
カーボンハンドルだと、ハンドルのクランプ部を壊すことにもなるのでこういった状態での取り付けをしてはダメです。
正しい取り付けをしよう
では正しい取り付けをしましょう。
4本のボルトでハンドルをクランプする場合、クランプとステム本体の隙間は均等でなければなりません。
片側がピッタリと閉じていたのを、4本とも均等に締め付けています。
締め付けられている側のボルトをゆるめながら、反対側をゆるめた分だけ締めて調整しました。
上側と下側の両方に、同じくらいの隙間を作ってクランプの【面】でハンドルを挟み込むような取り付けです。
この状態がハンドルクランプの正しい取り付け位置になります。
ステムにより違いますが、おおむね5㎜くらいの隙間が4カ所できて均等に締め付けられていればいいですね。
もちろんステムによってスキマの幅は違うので、隙間の幅で締め付けるのではなく、あくまでもスキマを均等にしなければならないということです。
締め付けトルクはハンドルの材質などによっても違いますが、均等に締め付けて【面】で固定されていれば大きな締め付けトルクは必要ありません。
画像のステムには『5Nm』となっていますが、それぞれのボルトを5Nmで締めるのではなく、一本ずつ締め付けて、最終的に5Nmになればいいです。
こういったステムや、シートクランプなど、隙間を維持した状態での締め付けトルクは、規定トルクであっても壊してしまうことがあるので注意してください。
締め付けのポイントは、対角線で一本ずつ締め付けトルクを上げながら徐々に締め付けていかなくてはいけません。
締め付け後のクリアランスも均等に維持できていれば正しい取り付けができています。
特にカーボンハンドルは、クリアランスに気を付けてください。
上下どちらかに力がかかっているような取り付け方だと、ハンドルのクランプ部を割ってしまうことがあります。
クリアランスを保つポイント
私の取り付け方は、ステムの4本のボルトのうち、上側の2本でだいたい5㎜くらいのクリアランスを作っておきます。(この時はまったくハンドルは締めつけられていません)
下側のボルトでハンドルを締め付けていき、上側のクリアランスと見比べながら締め付けます。
下側が上側よりも狭くなる場合は、わずかに下側を狭くしておいて上側を締め付けます。
さらに締め付けが足りなければ、これを交互に行いながら隙間を調整しつつ確実な締め付けになるように作業しています。
締め付けトルクと、隙間のバランスをとりながらの作業です。
ハンドルのずれを防ぐために必ずケミカル(滑り止め)を使う
あなたは、ハンドルをステムに取り付ける時に『滑り止め』を使っていますか?
カーボンハンドルじゃないから必要ないよね
滑り止めはカーボン製品だけに使うものではありません。
アルミ同士のすべり止めとしても使うべきケミカルです。
理由は「ズレない」からです。
アルミハンドルでも、何かの衝撃でハンドルがズレることがありますよね。
締め付けトルクを守っていてもズレるときはズレてしまいます。
滑り止めを使っていればズレません。
滑り止めを使えば締め付けトルクも小さくていいので、部品を傷めることもないですし壊す可能性も少なくなります。
そういったことから、アルミ同士でも使うべきです。
私が使っているのは『フィニッシュライン ファイバーグリップ』です。
ファイバーグリップは少量でしっかりした効果があるのでおすすめです。
あまり多くの箇所で使う製品ではないですが、シートポストとハンドルクランプは必ず使っています。
ネジをナメかけた時の、工具とネジとの間に使っても滑り止め効果でゆるめることができることがあります。
まとめ
ハンドルとステムの取り付け方を解説しました。
ステムのクランプは必ず上下で同じくらいの隙間が必要です。
スキマがどちらかに片寄っていると【面】で締め付けることができずに、ハンドルやステムを壊してしまいます。
また、ハンドルから異音がする原因にもなるので、正確な取り付けが必要です。
カーボンハンドルは特にキチンと取り付けができていないと、ハンドルを壊すことにもつながります。
正しいハンドルの取り付けは【隙間】と【締め付けトルク】を均等にすることです。
ファイバーグリップなどのすべり止めも必ず使うようにして、締め付けすぎずズレない取り付けをしましょう。
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