脱ハンコが加速し、登録印以外の無意味さにやっと世間が気付いてきたと思います。
自動車業界はもう10年以上前に部分的な【脱ハンコ】を終わらせています。
「車検時における認印」がその部分になります。
顧客が車を持ってくる時に一緒にハンコを持ってきてもらうようにしていたのですが、忘れる方も多く「面倒くさいからハンコをこっちで用意するわ」みたいなことをしてました。
認印での信用など100円で買えるのでその程度のものです。
これから【脱ハンコ】【脱FAX】【脱電話】となってくれるとありがたいです。
そもそもハンコの意味ってナニ
認印を押す意味を考えたことありますか?
認印を押す意味は【承認】【了解】【同意】です。
広い意味で言うと【認める(た)】ということの証明として使っています。
認印には法的な効力はほぼない
認印を押す書類に法的な効力はほぼないと言っていいです。
特に社内で押すものなどは、社内規定での効力はあるかもしれませんが、誰でも用意できる認印では本人が押印したものであるという証明ができません。
100円で買える認印に法的効力があったら、書類の偽造で世の中がメチャクチャになってしまいます。
法的効力があるのは登録してある実印だけです。
法務省が公表している【押印についてのQ&A】をご覧ください。
認印においては、本人が承諾した根拠とはなりうるが『本人が押印したと推定する』ということでしかありません。
① 推定である以上、印章の盗用や冒用などにより他人がその印章を利用した可能性があるなどの反証が相手方からなされた場合には、その推定は破られ得る。
② 印影と作成名義人の印章が一致することの立証は、実印である場合には印鑑証明書を得ることにより一定程度容易であるが、いわゆる認印の場合には事実上困難が生じ得ると考えられる
法務省『押印についてのQ&A』より引用
脱ハンコは簡単にできる
認印を無くすのは難しくありません。
【了解】【承認】など【認めた】ということであるのなら【本人であること】を確認すればいいわけです。
書類提出時に本人確認さえすれば、100円で誰でも買える認印よりは効力は大きいと思います。
本人が提出できない場合などもあるので、その場合は代理人の確認をすればいいですね。
郵送で送るような書類の場合は?と思われるかもしれませんが、普通郵便で送るような書類は重要なものではないはずです。
直筆であればほとんどの書類はOKでハンコがあろうとなかろうとそれで意味はあります。
住民票などの交付では身分証を確認して、窓口に来た人と相違がないか確認します。
それで十分ですよね。
自動車業界の脱ハンコ事情
自動車業界では10年以上前から脱ハンコを実施しています。
車検の場合の押印を廃止しました。
脱ハンコ前は、書類に直筆で住所氏名を書いて押印しないとダメでしたが、車検証と同時に提出することで「車検を依頼したとみとめる」ということになりました。(所有者が個人の場合のみ)
書類の住所氏名に関しては【直筆】ということを言われましたが、だれが書いても本人だとはわからないので代筆とかしてましたね(笑)
登録システムが充実してきたことも脱ハンコができたことだと思います。
車検の場合、盗難車であったり車両を継続使用できないようなことがあると、オンラインで車検証の発行が止まるようになっています。
ワケありの車が車検を受ける時の書類が偽造されたとしても、車検証の発行ができないシステムになっています。
私が経験した事例で車検証が発行されなかったのは駐車禁止の反則金未払いだったものがあります。
書類は認印が無くてもOKなので、検査も合格して書類不備もありません。
しかし、データ上で反則金未納という理由によって車両の継続使用ができなくなっていました。
(その後オーナーが反則金を支払って車検証は発行)
盗難車であったり、何かしら理由がある車両は書類がどうあれ2年または3年後に車両が継続使用できないシステムが出来上がっていたわけです。
銀行印だって無意味なもの
ネットバンクの登録を先日しましたが、銀行印は必要ありませんでした。
免許証で申し込みが本人であるかどうかを確認と、キャッシュカード送付時に配達員によってふたたび本人確認をするシステムです。
認印は本人であるということの証明にはならないので、これで十分な確認はできていますよね。
マジでハンコなんていらないということです。
ATMが無かった時代は、銀行へ登録印を持ってお金を引き出していましたが、今では登録印が無くてもネットで全額引き出すことも移動することもできます。
登録するときだけハンコが必要ですが、その後は一切必要ありませんよね。
FAXも無駄だから脱FAXを進めてもらいたい
脱ハンコに関しては確実に進んでいくでしょう。
ありがたいことです。
つぎはFAXを廃止してもらえると、取引先の拡充などが進んでいくと思います。
一時は一般家庭でもFAXがあることもありましたがもうないですよね。
あったとしても当時のままで使っていないと思います。
FAXはメールで代替えできています。
ところが、仕事をしているとFAXが必要だったりします。
必要というよりも不要なんですが、FAXでの送信を求められることがあります。
その理由は
FAX自体に登録してある社名からきちんと送られてくるか?
記載してある電話番号とFAXに登録してある番号が一致しているか?
みたいなことを先方が確認したいらしいです。
マジ無駄です。
どんなFAXだって5分もあれば社名の登録変更だってできます。
送信内容の電話番号とFAXの番号だって、送信内容を書き換えればどうにでもなります。
しかし、FAXで送信相手の会社が存在するのか?とかを確認するんですよね(笑)
何度か取引していると『メールでいいよ』という方も出てくるわけですが、マジでメールで完結することを紙とインクを無駄にするFAX信者も少なくありません。
早くFAXをこの世から無くしてもらいたいです。
まとめ
ハンコが無くなれば仕事の効率は上がります。
市役所に書類をもらいに行ったけどハンコを忘れて引き返した・・・なんて経験は誰でもあるはずです。
「ハンコには文化がある」とかも言われていますが、実印や落款などを無くせとは思いません。
意味のない認印を無くすことが、どれほど世の中の時間を無駄にしないかということです。
印影の美しいものはたくさんあります。
会社の社印(角印)とか個人事業主である私などはあこがれる部分でもあります。
そういったものは残しつつ、たった100円で『鬼の首を取った』かのように思われる行為はなくなって欲しいです。
つぎはFAXが話題になることを期待しています(笑)
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