【チューブレス】コンチネンタル グランプリ5000/TL はめにくい&盛大にエアー漏れ 

記事内に広告が含まれています。

「タイヤを組み付けてくれ」と持ち込まれたタイヤは【Continental – Grand Prix (グランプリ) 5000 TL タイヤ】。

このタイヤの問題点は2つ
1.組みつけが非常に困難
2.タイヤのサイドケースからの景気のいいエアー漏れ

組みつけは技術でカバーできますが、構造的な問題はメーカーによるもの。ユーザーはそれが納得できて自分の守備範囲にあるかどうかをこの記事から判断していただきたいです。

組み付けの作業のコツを解説します。
私は自動車用タイヤショップで5年働いていました。
チューブレスタイヤの取り扱いに関してはプロです。

この記事を読んでいただければ、チューブレス専用タイヤレバーを使わなくても100均のタイヤレバーで組み込むことができます。

タイヤレバーを使えば、意外とすんなり組むことができます。
タイヤレバーを使う場合に気を付けることなども解説していきますのでぜひ最後までお読みください。

また、盛大にエアー漏れをするタイヤでした。
合わせてお伝えします。

コンチネンタル GP5000 T/L を購入予定の方は必読です。

スポンサーリンク

おい!コンチネンタル!サイズ間違えてないか?

サイズが違うかのような光景
これ650cじゃないよな?

画像の通り、まるでサイズがあっているように見えません。

ミシュランやヴィットリアなどのクリンチャーであれば、このくらいでもビード部分やサイドウォールが柔らかいので手ではめることができます。

グランプリ5000チューブレスはチューブレスレディではなくチューブレスなのでサイドウォールは硬くビードもしっかりとしています。

つまり、どうやっても入らないタイヤとしか思えません。
マジでサイズが違うんじゃないかと思えるレベルです。

これを手で入れるのはよほどの怪力でもない限り無理です。

前輪は手で入りましたが、後輪はタイヤレバーを使って組みました。

チューブレスなのでできる限りタイヤレバーは使いたくなかったのですが、2.5時間格闘しても無理なのでタイヤレバーで入れることにしました。

チューブレスタイヤを組むときの、タイヤレバーを使用する注意なども説明しています。
チューブレスだけではなくクリンチャーでタイヤレバーを使う場合にも必ず役立ちます。

Continental – Grand Prix (グランプリ) 5000 TL タイヤ

用意するもの

タイヤの組みつけが困難な時に用意するものをご紹介します。

  1. 作業用ゴム手袋
  2. タイヤレバー
  3. タイヤクリーム(ビードワックス)または石鹸水、またはタイヤパウダー

タイヤレバーはチューブレス用ではなくても大丈夫です。
私は100均のタイヤレバーで組みつけました。

普通に使えば折れるレベルの作業ですが、タイヤクリームなどの潤滑剤をうまく使えば柔らかいレバーでも傷をつけずにチューブレスを組むことができます。

手は保護しないとひどい目にあいます。
作業用手袋のお勧めはショーワグローブのものが良いです。
滑り止め付きの軍手などよりもはるかに作業性がよく、これからの季節のタイヤ交換などにも利用できます。
このグローブはを使うと、荷物運びなどでも滑らないので力を余分に使うことはありません。
私は20年くらいこのグローブを使っているので自信をもっておすすめします。

タイヤを組むときには潤滑用のクリームが必要です。

タイヤクリーム(ビードワックス)と言われるものですが、タイヤクリーム(ビードワックス)を使うと硬くて組みにくいタイヤも簡単に組み付けることができます。

自動車タイヤなどでは必ずタイヤクリームを使って組みつけます。
タイヤクリームを使わないで組むと、かなりの確率でタイヤビードを傷めてしまいます。

作業用手袋、タイヤレバー、タイヤクリームはぜひ用意して挑んでください。

【基本】まずはタイヤがリムに組める原理を知ろう

クリンチャーリムのタイヤを逃がすための凹み
今回のリムではありませんが、クリンチャータイプのリムは凹みを利用します

タイヤは内径にあたるビード部分が、リムの内側に入ります。
しかしそれには、タイヤの内径よりも大きなリムの外径を越えなければリムの内側には入りません。

円である以上、対角線の長さは変わらないので普通に考えると大きなリム外周に小さなタイヤ内径を組むことはできないことになります。

ここで大切なことは、なぜ組めるのか?を確実に理解する必要があります。

クリンチャーリムはリムの中央部分が凹んでいます。
この凹みを利用しないとタイヤはリムには絶対に入りません。

組みつける時は、リムの凹みにタイヤを落とし込みながら入れます。
リムの内径はタイヤの内径よりも小さいですよね。
タイヤのビードはリムの内径よりも外側にあるので、リム内径 < タイヤ内径 ということになります。

タイヤが組みやすいとか組みにくいとかは、この凹みの深さとか形状に影響します。
深ければはめやすく外しやすいですし、浅いとはめにくく外しにくくなります。

作業の流れを解説

ではいよいよ組んでいきましょう。
ホイールはFulcrum – Racing Zero (レーシングゼロ) C17 Competizione (コンペティツィオーネ)です。

1本だけ赤いスポークを使ったおしゃれなホイールです。

フロントはクリンチャーよりは作業に時間がかかりましたが15分くらいで組むことができました。
エアーもコンプレッサーなどを使わずに、フロアポンプでビードが上がったのでリヤもこの調子でいけると予想してたのですが・・・。

とにかく入らない。

先に書いたように、リムの中央部の凹みを利用して組みつけるのでバルブの反対側から組んでいきます。
最後にバルブ位置で組みつけ終わりになるということですね。

チューブレスなので、チューブレスバルブが少し邪魔をしますが、前輪と同じ作業をしています。
トップ画像でもわかるように、バルブ位置が最後になります。

約2時間この状態で格闘しましたが入りません。
もちろんタイヤにビードワックスを塗って滑りはよくしています。

チューブレスバルブ部分で、先に入れたビードが内側に落ちていないのが気になります。
そこで、いったんバルブをゆるめてチューブレスバルブをタイヤ内に押し込んでおきます。
こうするとバルブの幅分だけタイヤが内側に落ちるのでわずかに入りやすくなります。

でも無理(笑)

タイヤレバーは使いたくなかったのですが、結局タイヤレバーを使います。

今度は、バルブ側から入れていきます。
バルブをタイヤ内に押し込んだ状態から入れていって、終わりはバルブの反対側という流れになります。

レバーで少しづつ入れながら、さほど苦労することなく入れることができました。
その後、チューブレスバルブを締め付けて完成です。

タイヤレバーを普通に使うとビードを傷つけます。
傷をつけないように組むコツを解説していきます。

【特価】Fulcrum – Racing Zero (レーシングゼロ) C17 Competizione (コンペティツィオーネ) ホイールセット 10.1198円

チューブレスタイヤはビードの傷は致命傷

チューブレスタイヤやチューブレスレディはビード部分でのエアーの保持が大切です。

そのためには傷をつけることは絶対にできません。

専用のタイヤレバーを使ったり、専用の組付け用のペーストを使ったりしますが、使い方を間違えるとそれでも傷をつけてしまいます。

専用のタイヤレバーを使わなくても、傷をつけずにタイヤを組むコツをご紹介します。

絶対に必要なものは【タイヤクリーム】または【濃い目の石鹸水】です。

できればタイヤクリームの方が良いです(理由はあとで説明します)

タイヤクリームはビードの内側に塗ってください。
タイヤを組む場合はタイヤのビード部分に塗りますが、ビード部分はもちろんタイヤサイドの内側部分にも塗ります。

内側にぬると、組みつけの時にリムから滑ってしまうので片側はタイヤレバーで固定しておきます。

最大のポイントは、タイヤレバーにもタイヤクリームを塗って使用します。
タイヤのビードと接触する部分に塗って、タイヤレバーの上でタイヤを滑りやすくするためです。

ビードが傷つく原因は、タイヤレバーやリムのエッジとの摩擦です。
タイヤクリームで摩擦を無くすことが傷をつけないコツになります。

リムに滑り込ませるときに、タイヤレバーの上で傷をつけないようにタイヤレバーにもしっかりとクリームを塗りましょう。
これではまらなかったタイヤを傷つけずに組むことができます。

そしてもう一か所タイヤクリームを塗ります。
それはリムの内側です。

リムにタイヤがはまる原理でも書いたように、リムの凹みに常にタイヤが落ち込んでいないとリム外周を越えることができません。

ビードをレバーで起こしているときに、確実に凹みにタイヤが落ちるようにリムの内側にもタイヤクリームを塗ります。

石鹸水ではなくタイヤクリームを進める理由

タイヤの内部は密閉状態です。
エアーが漏れないので当然ですよね。

タイヤ内にできるだけ無い方が良いモノは『水分』になります。

水分は熱膨張するのでエアー圧の変化が大きくなるうえに、タイヤの劣化も早めます。
シーラントなどは対策してある製品なので劣化は無いでしょうが、熱膨張によるエアー圧の変化は大きいかもしれません。
とは言え、自動車のように熱がかかることはないので熱膨張に関してはあまり気にする必要はないかもしれませんね。

また、チューブレスではなくクリンチャーではまらなかった場合に石鹸水を使って内部に水分が残るとチューブがタイヤに張りついてしまう原因になります。
チューブの張りつきは転がり抵抗が増えるのでできれば避けたいですね。

タイヤクリームにも水分はありますが、石鹸水よりはるかに少なくすぐに乾燥するのでできるだけタイヤクリームを使うようにしてください。

下の商品は10gと少ないですが、自転車で使うには十分な量です。
困った時にあると便利なので、クリンチャーユーザーの方は用意しておくといいですよ。

タイヤの潤滑で使ってはいけないもの

タイヤを組むときは、タイヤクリームがベストですが、そのほかには石鹸水を使います。

この2点はゴムへの攻撃性はないので安心して使うことができます。

使ってはいけないものは浸透潤滑剤とシリコンスプレーです。

浸透潤滑剤はゴムへの攻撃性があるものが多いので、タイヤには使えません。
時間が経つとゴムが膨らんできてブヨブヨになります。

シリコンスプレーは、ゴムへの攻撃性は無いのでタイヤには使えそうですが使ってはいけません。

タイヤクリームや石鹸水は乾燥しますが、シリコンスプレーは長時間乾燥せずに潤滑します。

たいてレバーだけに使うとかの部分的な使用では問題ないですが、タイヤのビードに使うと走行中にタイヤがズレることがあります。
自動車で言うと『タイヤが回る』状態ですね。

タイヤとリムとの間で、いつまでも潤滑してしまうので駆動力でリムがタイヤの中で回ってしまうことがあります。

チューブレスでは、回ったとしても大きなトラブルにはなりにくいと思いますが、クリンチャーの場合はチューブも一緒に回るのでバルブが引きちぎれてしまってバーストします。

タイヤにはタイヤクリームと石鹸水以外は使えません。

チューブレスのデメリットである組みにくさを体験して・・・

今回のチューブレスの組みつけにくさはうわさ通りのものでした。

新品だからこの硬さなのでしょうが、はたしてサイクリングの途中でのパンクに対応できるのかと不安になります。

そもそもチューブレスは、タイヤビードとリムのビード部分との密着度が高くなければエアー漏れをします。

サイクリングでパンクした時にビードを外すことができるのか?という不安もあります。

修理にはチューブを入れて対処することになるわけですが、タイヤをレバーで起こして外せるのか?とか、外した後でチューブを入れてまた組むことができるのか?と考えてしまいます。

Continental – Grand Prix (グランプリ) 5000 チューブレスタイヤ + シーラントつき

盛大にエアー漏れ シーーラント必須

組み付け後、ビード部分とバルブ部分からのエアー漏れを確認。
ビードもバルブもエアー漏れはありませんでした。

オーナーが持ち帰って、翌日「エアーが完全に抜けた」と連絡が入りました。ビードもバルブも確認済みなので、漏れるとしたらタイヤ本体からしかありません。

組みつけた時にも点検はしたんですが・・・。
中性洗剤を濃いめにして、タイヤサイドにかけると細かい泡がブクブク出てきます。

GP5000T/Lでシーラントを入れない場合、濃いめの中性洗剤で点検しましょう。薄いと漏れが細かすぎるのでわかりません。
濃いめの洗剤なら、真っ白な細かい泡ですぐにわかります。

これチューブレスだよね?チューブレスレディじゃないよね?(笑)

メーカーは『シーラントの使用を推奨』としてるのでシーラントは必ず使った方がいいです。
そこでこう思いませんか?『シーラントを使うならこんな思いチューブレスじゃなくて軽いチューブレスレディ使うわ』って。

そう思ったあなたは正しいです。

まとめ

組みつけ困難なタイヤと悪評高いグランプリ5000TLの組みつけを記事にさせていただきました。

チューブレスタイヤなので、本来はタイヤレバーを使わない方が良いのですが、どうしても入らない場合は慎重な作業を前提にタイヤレバーを使いましょう。

その場合は、タイヤクリームをタイヤの内側とタイヤレバー本体に塗って滑りをよくしてタイヤを傷つけないことがポイントになります。

タイヤクリームを塗っていれば、ビードは簡単に上がるので心配はいりませんし、エアーもフロアポンプで入れることができました。

サイクリング中でのパンクなどの場合の不安はあります。

できればシーラントを入れての使用がパンク修理の不安を無くす上ではいい選択だと思います。というかシーラントは絶対に入れましょう(笑)

コメント