【車検整備】 タイロッドエンドブーツを交換する

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車検の準備ということで各部の点検。
平成10年の車なんだけど走行距離は6万キロ台。

もう22年の高齢車両。
走行距離が少ないので機械的な不具合は無い。
あるとしたらゴム関係の劣化。

ドライブシャフトブーツやボールジョイントブーツなど。

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タイロッドエンドブーツが破れてたので交換

破れたタイロッドエンドブーツ
破れたタイロッドエンドブーツ

運転席側のタイロッドエンドブーツがパックリと開いてグリスが漏れてる。
この状態だと車検は通らないので交換する。
運転席がダメなら助手席側もダメなはず。

ということで点検するとまだ破れてはいないが、ひび割れがひどいので時間の問題だろうから一緒に換えてしまおう。

部品代 1個 870円

安いもんだ。

なぜブーツが破れてるといけないかというと、ボールジョイントのグリス切れでガタが出るから。
ガタが出たボールジョイントの記事も合わせてみてほしい。

交換手順を解説

タイロッドエンドやロアアームのボールジョイント。
また、ダブルウイッシュボーンのナックル側のボールジョイントなどのボールジョイントの外し方を知らない方もいるのではないだろうか?
意外と簡単な作業なのでもし自分でやってみたい方は参考にしてほしい。

ボールジョイントを外すことができれば終わったようなもの

ボールジョイントは、テーパーになってて、いわゆる圧入状態で締めこまれている。
ナットを外したとしても外れることは無い。

外すためには『ボールジョイントプーラー』を使うと整備書には書いてある・・・ハズ。

ボールジョイントプーラー
一応持ってるが使うことはあまりない

だが、多くの整備士はボールジョイントプーラーは使わない。
ただし、アルミのボールジョイントは絶対にボールジョイントプーラーを使うこと。
これは絶対に守らないといけない。
理由は後述する。

ボールジョイントを外すにはハンマーがあればOK!

ボールジョイントを外すにはハンマーがあれば外すことができる。
ぶっ叩けば衝撃で外れる。
これがアルミの場合ではやってはいけない理由。
アルミをぶっ叩くと変形するので絶対にやってはいけない。

ぶっ叩くのはナットではないので間違わないでほしい。
ボールジョイントを直接叩いたりナットをハンマーで叩けばその瞬間に壊してしまう

ナックルを叩いて外すコツ

まずはナットを緩めよう。
ネジが錆びていてゆるめても手で回らないようであれば、浸透潤滑剤をつけていったんナットを外してしまおう。
その後ナットをボールジョイントに再度取り付ける。

ナットを取り付けるのは、誤ってネジ部分をハンマーで叩いてしまわないように保護の目的だからネジの先端が隠れるくらいでいい。

ナットをつけたらボールジョイントが刺さっている側のナックル側をぶっ叩く。

タイロッドエンドの外し方
ぶっ叩く位置はここだ!

愛車を叩くのは気が引けるかもしれないが遠慮してはダメだ。
カンカン叩くくらいでは絶対に外れない。

力を入れて『ガンッ!』と。
もし、周りに邪魔をするものがあるなら、当てハンマーというテクニックで力の限りぶっ叩くことができる。
小さいハンマーをナックル側に当てておいて、小さいハンマーを大ハンマーでぶっ叩けばいい。

一発で外れる場合もあるが、なかなか外れない場合もあるので何度も挑戦しよう。
タイロッドエンドくらいなら2発か3発で外れるはず。
重いハンマーの方が威力があるので一発で外すことができるが、的を外した場合のダメージもデカいので大きなハンマーを使う場合も当てハンマーがいい。

下側からボールジョイントがついてるものであれば、叩いた時に下側に外れるので外れたことがわかる。
今回のように上から入ってるものは外れてもナックルに乗ってしまっているのでわかりづらい。
なので、叩いたら確認するようにしないと、外れてるのに気が付かずに叩きまくることになるぞ(笑)

この作業はマジでハンマーでぶっ叩くので、お客さんの前では非常にやりづらい。
車の下回りとは言えハンマーで叩くのは気が引ける。
お客さんが見てる場合は『叩くからね』とまずは作業の説明からやらないといきなりハンマーでぶっ叩くとただただ不信感しか持たれない。

遠慮してボールジョイントプーラーを使うこともあるが、時間が3倍くらいかかるのでできるだけ叩かせてもらうようにしている。
ボールジョイントプーラーだけで外すとしても、外れる瞬間にけたたましい音とともに外れることがあるのでお客さんがかなり驚いてしまう。

このボールジョイントを外す作業は見られたくない作業のNo1であることは間違いない。

とにかくボールジョイントを外すコツは『遠慮しないこと』である。

タイロッドエンドブーツを外して新品と交換する

ブーツは叩き込んであるものがほとんどなので、マイナスドライバーでブーツの端を叩いてやれば簡単に外れる。

乳化したグリス
破れてないほうはなぜかグリスが乳化してた

なぜか破れてないほうのグリスが乳化していた。
やはりどこかに穴が開いてて水が浸入したんだろうと思う。

掃除したボールジョイント
きれいに掃除してこの後でグリスを注入

破れてるものだと、中のグリスが減ってるのでグリスを補充または交換しよう。
私はモリブデングリスを使っている。
ホームセンターで簡単に手に入るはず。

新品ブーツを入れる時はタイロッドエンドにハマる部分のブーツにミミがついているのでそのミミを叩いて圧入する。

ミミの部分を叩くといっても、外径にあったパイプなどを被せてパイプを叩けば簡単にはまるはず。
私はベアリングのアウターレースやインナーレースを使っている。
レースだけだと叩けないので大き目のソケットをその上にのせてソケットを叩く。

エンドブーツの圧入の仕方
それぞれの方法でいいが私はベアリングのアウターレースを使う
ソケットを使って圧入
大きめのソケットをかぶせて叩く

かぶせるパイプの内径には注意してほしい。
ブーツの外径と同じだと、はまる部分の余裕が無いのでブーツははまらない。
微妙に内径が大きいものでやる必要がある。
水道工事で使う『塩ビ管』を使っているプライベーターが多いようだ。

整備士の中にはソケット工具を使っている人もいるが、ソケットの内側の端面が斜めになっているのでブーツがきっちり入らないことがあるので私は使わない。

ボールジョイントのクラウンナットを締めて割りピンを入れる

ブーツを交換したらクラウンナットを締める。

ボールジョイントをナックルに入れ、ナットを締める。
ナットには緩み止めのついたものと、今回のようなクラウンナットの2パターンがある。

緩み止めのついたものであれば新品と交換するべきで、再使用は基本的にしない。
緩み止めのナットであれば、ブーツを注文するときに一緒にナットも注文しておこう。

今回はクラウンナットなのでクラウンナットの絞め方を解説する。

クラウンナットは締め終わりの位置が必ずある。
割りピンを入れるので、ボールジョイントの穴と、クラウンナットの凹んでる部分を合わせないといけない。

ある程度絞めてボールジョイントの穴とクラウンナットの位置を確認する。
その後、必ず締める方向でナットの凹んでる部分とボールジョイントの穴が合う位置で締め終わること。
位置が合わないからといったん締めたナットをゆるめる方向で合わせることはしてはいけない。
必ず締めて合わせることを守ってほしい。

位置が合えば割りピンを入れて完成。
割りピンは穴のサイズに合ったものを使うこと。
太いものは入らないし、細いものだと抜けてしまう。

まとめ

ボールジョイントを外すのは、とにかく思い切ること。
遠慮していては絶対に外れない。
ナックルは叩いたぐらいで壊れることは絶対にない。
お客さんとか、友人知人の車を整備してあげる場合は、気を使ってしまうことがあると思うが遠慮は不要。
ぶっ叩くことを伝えて、遠慮せず『ガンッ!』とやってしまおう。

ブーツを圧入するときは、内径と外径に注意。

クラウンナットは締める方向で位置を合わせ、緩み止めナットは新品と交換。
エンドブーツ交換は非常に簡単な作業なので誰でもできるが、ステアリングに直結している部分なのでミスは許されない。

ブーツの取り付け不良であればボールジョイントがダメになって異音が出るだけなので大きな事故にはつながらないが、ナットの締め忘れや締め付け不良があってはならない。

走行に大きな影響を与える部分なので、できる自信のない方はできる人に見てもらいながら作業するかプロにまかせること。
簡単というのはあくまでもプロ目線の難易度であって、初めてやる方の難易度ではないことは理解してほしい。

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