楕円チェーンリング DOVALを使ってみた感想

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楕円チェーンリングに興味はありますか?
ありますよね?
一度は使ってみたいと思っているサイクリストは多いと思います。

数年前に、その安さでロードバイク界を騒がせた激安チェーンリング『DOVAL』を1年使ってみたので感想を。

結論から言っちゃうと『私には合わない』です。
もっと細かいセッティングができたり、チェーンリングの剛性がもう少しあると印象は違うと思います。
この記事を参考にして楕円チェーンリングをお試しください。
合う人に言わせると「真円には戻れない」そうです。
私は真円に戻しましたけど・・・(笑)

ご迷惑をおかけしています!
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楕円チェーンリングってどういったものか解説

楕円図解
ROTOR HPより引用

一般的なチェーンリングは【真円】です。
つまり真ん丸なのが普通のチェーンリングです。
シマノもカンパニョーロも真円のチェーンリングを使っています。
楕円チェーンリングは真円ではなく楕円なので卵のような形状のチェーンリングとなります。
科学的にこの方がいいらしい・・・。

楕円チェーンリングで有名なのが【ROTOR】(ろーたー)ですね。
『Q-Rings』というモデルで販売しています。
OCPと言われる調整ポイントがあるのも特徴です。(これについても後述します)

もう一社有名なのが【O.Symetric】(おーしんめとりっく)です。
このメーカーの楕円率はエゲツないくらいに楕円です(笑)

そして今回の【DOVAL】(どばーる) は韓国製の新しいメーカーです。
発売された時はとにかく安かったですね。
3千円台でアウター&インナーチェーンリングが買えました。
小さな工場で作っているので一時は欠品してたり、入荷と同時に売切れたりしてました。

楕円のメリットは、力のいちばん発揮できるポイントで最も大きなギヤになり、力のかけにくい部分は最小ギヤ数にして軽くなるというシステムです。
ざっくり言うと『力が発揮できるところは無意識に力を入れてるだろ。だから重いギヤを踏むんだよ。力が入りにくいところで重いギヤは回しにくいだろ。だから軽いギヤにすればいい』ってことです。

一般的に言われているのは、楕円チェーンリングは『回しやすいからペダリングがスムースになる』と言われています。

1年使って私はそうは思わないのが正直なところです。
あくまでも踏むペダリングを強要されるイメージしかありません。

ペダリングで感じるメリット

どういったパーツでもメリットもあればデメリットだってあります。
個人によってもそれは変わってくるので、パーツの良し悪しは個人差があるということを大前提に読んでください。
私の言うデメリットがほかの人ではメリットということもありますからね。

アウターは2.4%の楕円率
アウターは2.4%の楕円率
インナーは3.5%の楕円率
インナーは3.5%の楕円率

DOVALの楕円率は【アウター 2.4% 50T 】【インナー 3.5% 34T】です。
いわゆるコンパクトギヤで、真円率で言うとDOVALではいちばん真円に近いもの(5G)になります。
楕円初心者にはこのくらいが違和感が無いです。
初めてつけて走った時は楕円ということを感じませんでした。

走る回数を重ねると『確かに下死点あたりで抜けるカンジで軽くなる』と感じてきます。
そうなると、今度は今まで感じなかった踏むポイントも感じるようになるんですね(笑)
今まで気が付かなかった微妙な部分を感じることができます。
『おぉ~~、楕円だ』って感じで1か月くらい乗ったころです。

少し走って疲れてくると途端に踏めなくなるんですね。
その原因は【パワーポイント】にありました。
DOVALでは【microOCP】、ROTORで言うところの【OCP】です。

微調整ができるmicroOCP
パワーポイントの微調整microOCP

DOVALで5段階ある3番目が標準ポイントだということなので3番目にしていました。
この位置が私には全くあっていません。

重いギヤが早く来すぎます。
脚がまだ踏む準備ができたいないところで重いギヤになるというイメージだと伝わりやすいでしょうか?

そこで、5段階のいちばん遅いパワーポイントにセッティングを変えました。
この位置だと、今までの違和感とか疲れ方がいい方向になってきます。
これが自分にピッタリ合えば楕円チェーンリングはお勧めできます。

楕円チェーンリングのデメリット

パワーポイントを5番目にして違和感もなく疲れにくくなってきたので100㎞を超えるサイクリングにも行きました。
距離を乗ると足の疲れも楕円とか真円とか関係ありません。
疲れますよね。

その疲れた時に、楕円リングの踏むポイントが邪魔なんです。

元気な時って言うのは、いつでもどこでも踏むパワーがありますよね。
疲れてくるとペダリングが元気な時よりも変わると思いませんか?
今まで踏んでいたところで踏めなくなるとか・・・。

楕円チェーンリングは、自分の意志ではなくチェーンリングが踏むポイントを決めています。
そのタイミングで踏んで回せることができれば違和感はありません。

疲れてきて『ここで踏ませるのか?』ってポイントがきます。
まぁ、この点は力を抜けばいいので大きなデメリットとは言えません。

問題は【踏む時間】も決められているということです。

楕円チェーンリングは最大ギヤから最小ギヤの範囲が決まっています。
つまり最大ギヤになっている間は重いギヤを踏ませられます。
疲れてくると最大ギヤの途中からしか踏めなくなる場合があります。
そうなると踏み始めから重いんですね(笑)

疲れているのが原因でさらに疲れさせてくれるのが楕円だと言えます。
『まだ踏ませるの?』ってカンジ。

真円だと自分の好きなポイントで踏んで回せますから、この点は大きなデメリットだと言えます。
『疲れない脚を作れ』はナシです。

いちおう『回そう』と思うんですよ。
でも重い部分と軽い部分がある以上、重い部分がネガティブイメージで残ります。

これが1年使って感じたメリットとデメリットです。

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変速性能と調整について

ROTORとかの数万円のチェーンリングは知りません。
DOVALでの変速性能です。

まったく違和感はないです。
マジでシマノやカンパニョーロと変わりません。
スパスパとアウターからインナーへインナーからアウターへ変わります。

シマノのチェーンリングの裏側にある変速ポイントのギミックのようなものはDOVALにはありません。
ほんの少しギヤのところにそんな雰囲気の溝がありますが多分なんの役目もないと思います。
唯一変速補助であるのがギヤ板の裏にあるアルミプレートです。

ギヤ板裏のアルミプレート
変速を助けるアルミプレート

インナーからアウターに上げる時、いったんこのアルミプレートの上にチェーンがのります。
その後アウターチェーンリングに引っかかって変速します。
変速ポイントの部分だけ傷がついてるので、このアルミプレートが変速への補助になってるのは間違いないです。

私が使っているフロントディレーラーは7800デュラです。

『楕円チェーンリングをこれから導入しよう』とか『楕円チェーンリングの変速ってこんなもんだよな』って変速性能をあきらめてる方がいたらぜひデュラグレードに換えてください。
下位グレードとは剛性がまるで違うので変速への不満が無くなると思います。

デュラは羽(プレート)の剛性が違います。
インナーからアウターにあげる時はこの剛性で引き上げます。
下位グレードの「たわみ」が全くないのでスパスパ決まりますよ。

変速調整も楕円はすごくシビアになります。
シマノやカンパニョーロの調整方法では絶対にうまくいきません。

コツは「オーバーストローク」させることです。
シマノやカンパニョーロだとチェーンリングがチェーンを持ち上げてくれるギミックがあるので、ストロークは小さくても問題はありません。
チェーンリングのギミックにチェーンが引っかかるきっかけさえ作ってやればいいのがフロントディレーラーです。

DOVALの場合はギヤの歯にしっかりチェーンを乗せてやるまでがフロントディレーラーの仕事になります。
そういった意味からオーバーストロークさせます。
あまりやりすぎるとチェーンが落ちるのでギリギリのポイントを見つけます。
かなりシビアですよ。
デュラの剛性が無いともっとシビアになると思います。
楕円の方はデュラを使ってください。

チェーンリングの剛性不足

これはどうしようもないですね。
剛性を 上げるような構造ではないうえに、アルミ素材も6061アルミです。
手でも簡単に曲がりそうなので、剛性を求めてはいけないんだと思います。

とは言え。踏んで曲がるとかそういうイメージはまったくないので安心してください。
シマノのグレードで言うとティアグラクラスの剛性はあります。
硬くないので足には優しいともいえます。

ROTORとか『硬い』って言うじゃないですか?
そういったイメージは全くありません。

まとめ

楕円チェーンリングのメリットデメリットを簡単に書きました

楕円チェーンリングは『合う人にはとってもいいアイテムだけど、合わないとつらい』と言われています。
誰でも合うアイテムではないと思います。
今の私には合いません。

真円の方があきらかに回しやすく踏みやすいです。

パワーポイントの狭さというのもDOVALだからということもあるかもしれませんし、もっと他メーカーも試してみないといけないんでしょうがROTORとかメチャクチャ高いのでなかなか試すことができないですね。

『楕円チェーンリングってどうなんだろ?』と思われてる方はDOVALをためしてみてください。
今は私と同じ楕円率の『5G』は無いようなので、もっと楕円率の高いものしかありませんが、価格が安いので試すのにはいいと思います。

知人ではROTORの楕円を使ってる方がいます。
その方に私の感想を伝えると、全く真逆の感想をお持ちでした。
それからもわかるように、楕円チェーンリングは、本当に使ってみないとわからないアイテムです。

『変速性能が悪くなる』とかいうデメリットが先行して『使ってみたいけど変速性能が・・・』っていう方には『デュラを使えば大丈夫』なので心配しないで使ってみましょう。

常に回してないと走ることができないパーツがチェーンリングです。
自分に合うものであればこれほどコスパのいい部品はありません。

ROTORを使っている知人のように『もう真円には戻れない』という方もいます。

ただし、慣れるまでには1か月は必要です。
本当の楕円のメリットデメリットがわかるのは半年くらいからです。
楕円チェーンリングをつけている自転車を借りてチョット乗っただけでは『楕円』以外は何もわかりません。

私がデメリットを感じたのも半年を過ぎてでした。
パワーポイントも変える必要があるので、ロングランで試してみたほうがいいです。

楕円は悪いアイテムではないと思います。

使えばペダリングの経験値も上がります。

激安チェーンリングのDOVALはかなりお勧めできます。

合うか合わないかはあなた次第です。

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