大型自動二輪への道

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大型自動二輪免許が教習所で誰でも取れるようになって、私のような高齢者でもリッターバイクに乗る方が増えています。

いまはバイクブームらしいですね。

私は普通二輪しか持っていませんが、原付・小型・中型(普通)と無駄に段階を踏んで免許を取得しています。

教習所でとれるのは中型までだった時代だったので、大型は必ず試験場でとらなければなりません。

大型という言葉も教習所でとれるようになってからなのでしょうか。

私のころは「限定解除」という免許でした。

「限定解除」とは、二輪においては条件なしになんでも乗ることができます。

それに対して中型以下は条件の付きの免許です。

排気量に条件があるので、条件以外のバイクに乗ると「条件違反」で違反切符を切られ流のですが「無免許」ではありません。

条件付き無免許に違反しているだけなので、中型で大型に乗る不真面目な人もいました。

いまは無免許なので、取得したもの以外に乗ってはダメですよ。

当時の免許証には種類は「自二」しかなくて、小型からは条件で乗れる自動二輪が分けられていました。

「小型に限る」「中型に限る」「限定解除」です。

条件なしの「限定解除」」という4文字にどれだけ憧れていたか。

その憧れが、教習所で大型が取れることになったときに消えてしまったのでやめました。

「誰でも取れるやん」

当時の限定解除は1/100しか合格できない、とても難しい試験だったんです。

落とすための限定解除試験までの道のりを振り返ってみましょう

当時を知っている方には懐かしいのではないでしょうか。

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原付免許は簡単だけど緊張感はハンパない

まずは原付免許です。

16歳になってすぐにとりました。

私は学年では遅生まれなので、まわりの悪い友達はほとんどが原付免許を持っていました。

ちなみに学校では免許取得は【禁止】です。

見つかれば停学とか【処分】になる可能性があります。

免許を取ることは法律では禁止していないので、取得だけではほとんどが注意と免許証の提出で終わることが多いです。

乗ってるところを見つかるとだいたい停学になります。

原付免許は50問のマークシート。

マルかバツの二択問題なので簡単なものですけど、16歳のガキが初めて受ける国家試験ですからね。

超緊張します。

さらに、免許を取った友達は「原付なんてカンタン。落ちると恥ずかしい」くらいのことを言われていますからね。

試験場に入るのも初めてだし、国家資格の問題用紙を見るのも初めて。

学校のテストの雰囲気は知っていても、国家試験となると初体験ですから。

カンニングしたらどんな罰が下されるの?

逮捕?

とか思っちゃいませんでした?

試験料だって安いとはいえ、高校生にとってはけっこうなお金です。

合格したら免許の発行でもお金がかかりますし、一回で決めたいのも緊張に拍車をかけます。

試験は平日ですから学校も休みます。

学校に「免許取ってくる」と言って休むわけにもいかないし、親にも言えないのでとりあえず無断欠席です。

学校の噂では「試験場には学校の先生が行って見張ってる」とかいうのも流れてたので、とにかくキョロキョロと不審者さながらでした。

合格発表もどういうやり方かもわからないし、掲示板で受験番号での発表でめっちゃ安心したんですよ。

「名前呼ばれたらどうしよう」とか、16歳のガキが考えることは計り知れません。

結果は、ドキドキしながらも一発で合格。

合格すると人間変わりますね。

「俺・・・免許持ってるし」みたいな。

たかが原付ですけどね。

原付から小型二輪へ

当時乗っていたバイク HONDA カタログより引用 https://www.honda.co.jp/news/1978/2781012x.html

原付をとってしばらくして小型二輪に挑戦しました。

結果は3回落ちて4回目で合格です。

中型までではいちばん難しかったですね。

試験官も「小型二輪は、はじめての本格二輪になるので厳しい」と言っていました。

当時は50㏄はヘルメットもかぶらなくてよかった時代だったので、自転車みたいな感覚だったんですよ。

ヘルメットは義務で強制ではなかったんです。

1年ぐらいしてヘルメットをかぶらなければならなかったんですけど、原付はその程度の認識で乗れたんですね

小型からはヘルメットが必要で、車体も大きくなるので試験は本格的な二輪の試験になります。

試験内容は単純で簡単なものです。

コースも外周回って踏切を超えるとか、坂道発進くらいなので落ちるはずないと思ってました。

ところがですね。

運転姿勢が試験内容にあるんですよ。

  • 背筋は伸びているか
  • つま先はまっすぐになっているか
  • タンクをモモで挟んでいるか
  • 左右、後方確認のしかた
  • ブレーキのかけ方
  • 変速の仕方
  • 停止姿勢
  • 交差点の曲がりかた

他もいろいろあるんですけど、細かいところで減点されるんです。

交差点を曲がるときや発進時には後ろを振り返って後方確認。

ミラーでも後方確認。

発進のたびに右左と後方確認です。

目線の移動だけでは試験官に見えないので減点されます。

なので、大げさにふるまうわけですよ。

ミラーの確認なんて目線の移動でできるけど、間違いなく「ミラー見たよね」ってヘルメットが回るんじゃないかってくらい首を動かすんです。

ニーグリップも減点対象になるので、自然に背筋が伸びて姿勢は良くなるんですけど、そういうところも減点の対象になります。

足先はブレーキペダルの上に常にまっすぐ。

シフト側の足はペダルの下に入れると減点になるのでシフトペダルの上にまっすぐおきます。

つま先が開くと減点です。

ニーグリップしてつま先を真っ直ぐペダルの上に置くってのはバイク修行みたいなモノですよ。

見本は白バイ隊員。

交差点の曲がり方、発進の仕方、乗車姿勢。

すべて完璧なのが白バイ隊員です。

公道最速ライダーたちの運転技術があれば、限定解除も夢ではなかったのですが・・・。

中型免許

当時乗っていたバイク バイクブロスさんより引用 https://www.bikebros.co.jp/catalog/4/37_3/

中型がいちばん簡単でした。

ほんとうにお金で免許を買ったイメージです。

春休みにとったので、時間がなくて教習所に行ったんです。

小型を持っていると学科免除で1日2時間、コース内を400ccのバイクに適当に乗っているだけです。

コースとか特別に言われることなく「とにかく乗ってて」って言われただけ。

それで卒業できるの?

って思ってたけど、卒検のコースは【外周回って坂道の途中にある踏切りをわたって

帰る」コース。

他の人はスラロームとか一本橋とかやってたのに、私だけ発信と停止で終わりみたいな・・・。

落ちるわけがない。

転倒さえしなければ絶対に合格します。

いよいよ限定解除に挑戦

長く引っ張ってきましたがここからが本題。

当時、お金がなくて125ccのオフ車に乗っていました。

限定解除(大型)に挑戦する気はなかったのですが「話のタネに試験受けてこよう」と、思いつきで試験場に行きました。

当時の限定解除の試験は「落とすための試験」と言われていたので、落ちる気マンマンなので気分は楽です。

落ちても笑われませんし。

「外周が回れたら上出来」「エンジンがかけられれば上出来」と言われていたくらいです。

限定解除の試験は事前審査があって、試験車両を

  • 押して8の字を歩く
  • 倒れたバイクを起こす
  • センタースタンドをかける

この3点を審査されます。

これができないと実技試験に進めません。

CB750が試験車両で、燃料タンクには砂が詰められて重くしてあります。

ホンダ・ドリームCB750FOUR - Wikipedia

高校生なので力はあるから押して歩くとか、倒れたものを起こすとかは簡単にできるのですが、センタースタンドはコツをつかまないとできません。

2回くらい失敗した時に試験官が「ふだん何乗ってるの?」って聞いてきたので「125のオフ車です」って言ったら「それじゃぁ無理かもな〜。もう一回頑張って」って言われたので「最後のチャンスなのか?」って必死に持ち上げましたよ。

もうね、力で上げたので試験官も笑ってましたね。

「センタースタンドは持ち上がるようにできてるから力じゃないよ。コツだよコツ」ですって。

まぁ、上がればOKです。

千葉の試験場はタンクの砂はもちろんだけど、前後輪パンクしているという話も雑誌で読んだことがあります。

女性の受験者が汗だくになって、必死に押していたということも書いてありました。

パンクされてなくてヨカッタ。

とりあえずは審査は合格したので、いよいよ750(ナナハン)に初めて乗れます。

バイクに触って終わり

試験を受けたのは5人。

多分試験場での試験が初めての方もいたはず。

だって、エンジンすらかけれない人がいましたから。

その人は名前を呼ばれてすぐにバイクのハンドルに触ったんですね。

それで終了。

「はい。試験終わり」って言われて、本人はなにがなんだかわかっていないんですよ。

私にはわかっていましたけどね。

乗車前に左右の確認をしっかりとするということを一切しなかったんです。

でもですね、それで試験が続行できないほど厳しいとは思いませんでした。

エンジンをかけて終了

2人目はエンジンをかけた瞬間に「はい。エンジンを止めてバイクから降りて」で終了。

これも私にはわかっていました。

ミラーの調整を始動前にしなかったんです。

ミラーはエンジンの始動前に必ず調整しないといけません。

いくら、自分に合っていたとしてもミラーに手をかけて調整するフリをしないと減点です。

途中で気がついても、エンジンをかけてしまったら試験は終わります。

つま先が開いていて外周の途中で終了

3人目はエンジンをかけてスタートまではよかったんですけど、外周の途中で「はい。スタート地点に帰って」で終わりです。

理由は「つま先が開いていたから」

そんなことで失格なの?

もう笑うしかないです。

小型の試験では減点だったことが、限定解除(大型)では一発で【失格】になるので、小型の試験を経験できていたことは私には有利でした。

私の場合、転倒して終了

私はコケました。

試験場で750を転がすヤツなんてそうそういないでしょ。

試験用の乗り方や作法は少しはわかっているのでエンジン始動までは難なくクリアできました。

コースは、まず外周を周りインフィールドに入ってすぐにスラロームです。

走っている時は、バイクの操作とスピーカーから「いつ「戻れ」っていわれるか」ってことに集中していて外周を回ってインフィールドに入るところでミスコース。

ミスコースは減点の対象にならないので、手を上げて指示を受ければどういうふうにいけばいいかを教えてくれるのでそうすればよかったのですが。

私が止まって気がついた位置がすぐ横に入れば正しいコース。

どうということなく操作できると思っていたんです。

そのためにバイクを傾けて発進しようとしたところで、バイクの重さに支えている足が耐えられなくなってバイクを放棄。

バイクは転倒、私はコケていません。

普段125ccのオフ車に乗っている人間が、いくら若い高校生とは言え750は支えられません。

「バイクを起こしてスタート地点に帰って」ってスピーカーから試験官の声。

まぁ、初めて750に乗れたんだし、外周も回れたから私としては合格点です。

試験官から不合格になった理由を教えてもらう時「わかるよね」と。

試験車両は憧れのCB750 Fore-II

試験車両 HONDA カタログから引用

CB750 Foreはホンダの名車でホンダのナナハンと言えばForeですよね。

K0(ゼロ)とかKシリーズが初期型で今でも人気があるバイクです。

実技試験車両はCB750 Foreの4in1(フォーインワン)です。

正式名称は【CB750 Fore -II】なんですね。

フォーインワンだとばっかり思ってました。

メーカーが集合管をつけた初めてのバイクなんじゃないでしょうか。

こんなバイクなら試験料払ってでも乗る価値あるでしょ。

でもですね。

この車両にはトラップが仕掛けられていて、私が乗っていた時はアイドリングが2500〜3000回転くらいに上げられていたんです。

コース外周は50km/hを出さないといけないし、3速までギヤをあげないと失格になります。

750でこの回転数だと余裕で50km/hを超えるので、ブレーキで速度を調整したいじゃないですか。

でもですよ。

直線やカーブで不必要なブレーキは減点になります。

つまり、ブレーキでの速度調整はできません。

残る方法は一つ。

半クラッチしかないんですね。

速度調整はクラッチでやりながら速度を維持しなければなりません。

アクセル操作なんてほとんどしませんからね。

発進だってクラッチ操作だけでいいんですから、普段のバイクの操作とは違うんで戸惑います。

試験に落とすために試験官もいろんなことをしてくるわけです。

「落とすための試験」を理解したのが、高いアイドリングでした。

まとめ

HONDA カタログから引用

私が限定解除の試験を受けたのはこの一回きりです。

初めて限定解除の試験で「外周を回れた」だけで満足しました。

10回くらい通えば限定解除は受かると言われていましたが、学校を休まないといけないので無理です。

教習所みたいに免許が取れる保証もないですし、2年もすれば自動車の免許も取れますからね。

人生で一度は大型バイクに乗ってみたいとは思いますが、この年齢では何かあった時にナニかあった時の対処ができそうにありません。

高校生の体力で、斜めになったバイクを支えきれずに転がした試験場でのことは忘れもしません。

今ならもっと支えられません。

なので大型バイクは諦めました。

中型でも多分無理なので125ccクラスで十分です。

そう言えば免許制度が変わるかもしれませんね。

原付の種別がなくなるという話も何年も前からでています。

50ccは日本独自の規格なので、メーカーは作りたくないみたいです。

原付きが125ccまでになれば、小型バイクブームがやってきて楽しくなるかもしれません。

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