シマノ600で組んであるクロモリフレームのヘッドセットが割れました。
シマノ600は当時のアルテグラクラスらしい(その時代は知らない)ので、ワンがアルミで出来ていたり、スタックハイトが低かったりしています。
今回、問題になったのはスタックハイトで、約33㎜のスタックハイトのヘッドセットを探さなければなりません。
見つからないだろうと思ってたら簡単に探し出すことができました。
TANGE LEVIN CDS がスタックハイト約33㎜(33.3㎜)なのでバッチリです。
スレッドヘッドセットなので、今の時代では一般的ではないですが交換作業を解説します。
ママチャリなどはスレッド式なのでぜひ参考にしてください。
32㎜のヘッドスパナでロックナットをゆるめて取り外す
スレッド式のステムは6㎜の六角レンチがあれば取り外すことができます。
ステムを外して、ヘッドセットのロックナットをゆるめます。
正ネジで意外と強く締まっていることもあるので、できれば大型のモンキーレンチなどで緩めた方がいいと思います。
ロックナットさえゆるめればあとは、上ワンをゆるめて外せばフォークが抜けます。
フロントブレーキはフォークから外しておいた方がいいですね。
ヘッドの上側の玉押しと下側のワンが圧入されています。
フォークの玉押しも圧入されているので、マイナスドライバーなどをあてて少しずつ叩き出せば簡単に外せます。
コツは、全体を少しずつ叩くことです。
一度で抜こうとすると、斜めになってしまうのでヘッドチューブやフォーククラウンに負担をかけてしまいます。
圧入部品を外せば、逆の手順で組み付けるだけです。
圧入が最大の難関?
フォーククラウンへの圧入と、ヘッドチューブに取り付ける玉押しやワンの圧入には専用工具があります。
なくても代用品でどうにかなりますが、私はヘッドチューブのみ専用工具を使います。
フォーククラウンに取り付ける玉押しは、ベアリングの内径のあったもので圧入工具を作りました。
圧入というよりも叩き込むだけなので、肝心の質量(重さ)があれば圧入することはできます。
ヘッドチューブ側は、叩くということが作業台の上では難しいのと、上下を芯を出して圧入したいので専用工具を使いました。
圧入する部分にはグリスを薄く塗って圧入しています。
圧入さえできれば作業は終わったようなもの
ヘッドの上側玉押しと下側のワンの圧入さえできれば、あとはベアリングを取り付けてフォークを入れれば作業は終わりです。
下側のワンにリテーナーベアリングを入れて、フォークを差し込みます。
ダストシールでリテーナーが落ちないようにできるものであれば組み込んでフォークを入れますが、ダストシールでリテーナーが保持できないものであればフォークにリテーナーを取り付けてから差し込みましょう。
上側のワンにもリテーナーを着見込んで取り付けるのか、または玉押しの上にリテーナーを置いた状態でワンを締めるのかはダストシールの状態によります。
今回の『TANGE LEVIN-CDS』はダストシールでリテーナーを保持できるタイプではなかったのでワンに組み付けることはできませんでした。
グリスの量を調整しながらフォークを挿入して上ワンを締め付けていきます。
舌付きワッシャをつけてロックナットで固定します。
玉アタリを調整しますが、タイヤをつけてからの方がやりやすいので、作業台の上では適当でも構いません。
一応、玉アタリはフォークを前後にゆすってガタの無い位置を出します。
ワンのネジ部だけではフォークは動いていまうので、ロックナットを締めた状態でそういった玉アタリを出すようにしましょう。
上の内容と合わせて作業動画で確認してください
まとめ
スレッドヘッドセットの組付けを記事にさせていただきました。
オーバーサイズのヘッドセットが主流の今では、クロモリフレームとママチャリ以外でこういったヘッドパーツを使っている自転車はありません。
こういったヘッドがオーバーサイズのヘッド規格になる以前は主流でした。
ヘッドは常にオーバーホールするものなので、ヘッドの分解頻度は意外と多かったりします。
ヘッドパーツだけで走行感は大きく変わります。
新品のヘッドパーツにしたおかげで、この自転車はかなり軽く走るようになりました。
ブレーキやコーナリングももちろん安定しています。
玉当たり調整だけでも自転車の動きが変わるのでスレッドヘッドは奥が深いです。
オーバーサイズの今の多くのヘッドパーツは、シールドベアリングを使っているのでグリスアップということができません。
メンテナンス = ベアリング交換 ということになります。
また、シールドベアリングなので水や汗にも意外と強かったりするので、分解して点検のついでにきれいにして再組付けすればかなり長く使えるパーツでもあります。
リテーナーベアリングを使っているスレッドヘッドに比べて、メンテナンスフリーに近くなったオーバーサイズとはいえ、メンテナンスしないでも大丈夫というものではありません。
ヘッドの動きにシビアな方はかなり少ないです。
ぜひご自身の自転車のヘッドの動きを確認してみてください。
ガタがあったり、動きがシブくなっていたら点検をするようにしましょう。
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