新車で装備されてない車両が無いくらいに一般的になったアイドリングストップ機能は間違いなくエコでは無いので使わない方がいいです。
ユーザーの負担が増えるだけなので、アイドリングストップは使わないことをお勧めします。
アイドリングストップ搭載車を維持するうえでのメンテナンス費用を節約する方法は『アイドリングストップキャンセラー』を取り付けることです。
その費用は、1度のバッテリー交換で十分補うことができます。
常時OFFで乗った方がいいですよ。
バッテリーの劣化だけではなく『セルモーター』『エンジンオイル』などの劣化の理由も解説しています。
ユーザーの経済的負担を減らすための作動停止方法も解説していますので最後までお読みください。
トヨタの新型『ヤリス』などはアイドリングストップを採用していません。
アイドリングストップをしなくても省エネの燃費基準を満たしているからです。
アイドリングストップがバッテリーの寿命を削る!! 夏のケアでバッテリーの寿命を伸ばそう
アイドリングストップがエコではない理由
バッテリーの負担が大きいために交換サイクルが早い
アイドリングストップ車のバッテリーは非搭載車のものと比べて高価です。
車種やグレードなどによっても違うので一概にいくら高いとは言えませんが、おおむね1.5倍以上だと思って間違いないのではないかと思います。
アイドリングストップ機能を使うと、バッテリーの負荷が増えるのでバッテリーの消耗が早く同時に劣化も早くなります。
新品バッテリーのメーカー保証が非搭載車両用バッテリーの場合【3~5年】に対し搭載車両用バッテリーは【18か月】と短くなっているものもあります。
メーカーもバッテリー負担が大きくアイドリングストップ対応バッテリーの耐久性に問題があるということがわかっています。
セルモーターの消耗が早いので交換する必要がある
セルモーターで始動している車両が対象です。
トヨタのハイブリッドや発電機(オルタネータ)を始動に使ってる車は対象外です。
バッテリーの消耗に関しては詳しくない方でも理解できると思います。
でもセルモーターまで交換しないといけないとは、多くのオーナーの方は考えたことが無いと思います。
アイドリングストップ車両ではなくてもセルモーターは消耗品です。
始動回数が多ければ消耗も早いです。
今ではかなり耐久性が上がって、無交換で廃車になる車の方が多くなりました。
アイドリングストップ車両では、そうでない車に比べて始動回数が何倍にも増えるのでセルモーターの負担も比例して大きくなります。
セルモーターがダメになるとエンジン始動ができないので、アイドリングストップ車両では始動回数をカウントして、壊れる前に交換を促します。
セルモーターの始動回数はコンピューターでカウントされている
通常のセルモーターの使用頻度は、車を動かすときの一回です。
通勤でのみ使うと仮定すれば、自宅から出る朝と会社を出る夕方の2回ですね。
しかし、アイドリングストップ車は信号で止まるたびにエンジンが止まり発進するたびにセルモーターを使用します。
状況によっては通勤中に十数回または数十回のアイドリングストップが行われるのではないでしょうか?
セルモーターの耐久性は上がってるとは言え、非搭載車の数十倍も酷使されるので必ず交換する時が来ます。
ちなみに、非搭載車でセルモーターの交換は現在ではほぼありません。
(始動回数に比例するので、営業車などは消耗が早い)
昭和の時代の車はよくオーバーホールをしましたが、平成になってほぼなくなりました。
もちろんアイドリングストップ車も遠くない将来に多くの車両が交換となるはずです。
セルモーターの始動回数はコンピューターによってカウントされています。
平均18万回くらいだと言われていますが、カウントダウン方式で規定回数になるとエンジンチェックランプが点灯する仕様の車があります。
チェックランプ点灯ですぐにセルモーターを換えないと動かなくなるということはありませんが、チェックランプ点灯車両は車検で不合格になります。
このカウントまでは大丈夫という保証はありませんので修理は必ず必要になります。
エンジンオイルの交換サイクルが早くなる
これも意外だと思われるかもしれません。
エンジンオイルには適正温度があります。
水温より10度~20度高い温度なので、おおよそ90~100度以上です。(120度以上は逆に良くない)
この適正温度になりにくいのがアイドリングストップです。
エンジンがかかってる間はエンジンオイルの温度が適正温度に保たれます。
ところが、信号待ちでエンジンの停止が繰り返されるとオイルの温度が下がります。
温度が下がると潤滑性能も下がり、オイルの中に混ざった水分を蒸発させることができずに乳化します。
乳化したオイルは潤滑性能が落ちるのでエンジン自体への影響が大きくなります。
オイルキャップの裏に入荷したオイルが付着している車両は多くありますが、実はエンジン内部に乳化したオイルが付着している場合があります。
シリンダーブロック壁などに付着した乳化したオイルは、新しいオイルを入れても混ざることはないので付着したままになります。
乳化したオイルを取り除くためには専用のオイルでフラッシングする必要があります。
乳化とは?
オイルと水は混ざりませんが、高速で混ぜられるとオイルの中に水分を取り込む現象が起こります。
オイルがドロドロのマヨネーズのような状態になるのが『乳化』です。
水の沸点は100度なので、100度になればオイルの中に取り込まれた水分は蒸発します。
オイル交換時には、専用のフラッシングオイルが必要な場合がある
オイルが乳化すると、エンジン内部に乳化したオイル状のものが溜まります。
この乳化したオイルを取り去るには専用のフラッシング剤が必要です。
WAKO’SではEF-OIL・W『フラッシング用エンジンオイル(水分除去性能プラス)』という名称のものをオイル交換前に使います。
アイドリングストップ車で得られるエコな部分
メーカはこの部分を強調して、いいことばかりだと思われてる方が多いですね。
ガソリン消費量の節約 10分 0.15L~0.2L
ガソリン 150円/Lとして計算すると、23円~30円非搭載車より節約できます。
排気ガス排出量 10分 70~100g の削減
エコカー減税の省燃費基準に合わせるために採用されたものがアイドリングストップです。
アイドリングストップでの費用負担
バッテリー価格を非搭載車より1.5倍くらい高く買う (数千円以上)
セルモーターの交換 (数万円)
エンジンオイル交換の差額 (数千円)
聞いてないよ~。
これを言ったら購入意欲がなくなるでしょ。
アイドリングストップキャンセラーをつけることのデメリット
デメリットはありません。
むしろつけないことがデメリットです。
しいてデメリットとしてあげることとすれば、費用がかかることです。
しかし、それも一度のバッテリー交換で十分まかなうことができます。
アイドリングストップキャンセラーの取り付けはDIYでできるレベルのものなので、車に適合した製品であれば10分もあれば取り付けることができるはずです(基本的にカプラーオンです。
非搭載車の選択ができないので車両価格の差額はない
搭載車両には、エンジンの停止と始動をスムーズに違和感なく行わせるための装備がたくさん搭載されています。
例えば、車速とブレーキを踏んでる状態から『信号待ちで止まるからエンジンも止めよう』と判断させる機能。
ブレーキを離したら『発進するからエンジンをかけよう』
『バッテリー電圧が低いからエンジン停止はやめよう』
『エンジン停止中だけど、バッテリー電圧が下がってきたからエンジンをかけよう』
『もともとバッテリーが弱ってるからアイドリングストップをやらないでおこう』
またエンジン内部のピストン位置も監視しています。
『エンジンをすぐに掛かるように適正な位置でエンジンを止めよう』
『このピストン位置だとエンジンがすぐにかからないから少し動かして適正位置にしよう』
なども行っています。
これによって車両価格も上がってます。
アイドリングストップを停止させる方法
アイドリングストップ搭載車には機能をOFFにするスイッチが必ず装備されています。
画像の【 Ⓐ OFF】
車種によって場所は違うと思いますが、メーターの右下のあたりにあるはずです。
そのスイッチを押すだけでアイドリングストップは停止できます。
ただ、この機能はエンジンを止めると元に戻るのでエンジンを始動するたびに操作する必要があります。
そこで、機能を常に停止させる『キャンセラー』を取り付けることをお勧めします。
Amazonやカーショップなどで購入でき、配線もスイッチの裏の配線に割り込ませるだけなので簡単です。
特に中古車を買った場合は、必ずつけた方がいい装備です。
まとめ
アイドリングストップの良い効果は排気ガスの削減以外は何一つありません。
排気ガスはエンジンをかけないことでしか削減はできないので、環境問題に対して厳しいご意見をお持ちの方は自動車ではなく『自転車』を活用していただいた方がいいと思います。
アイドリングストップ車のバッテリーやセルモーター交換などのメンテナンス費用は、新車のうちは意識することが無いはずです。
問題は中古車を買った場合です。
買ってすぐにバッテリー劣化でアイドリングストップしなくなったとか、セルモーターの交換となるといきなり数万円の出費となります。
お持ちの車両を長く費用を抑えて維持したいのであれば『アイドリングストップキャンセラー』の取り付けを強くお勧めします。
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