「チューブラータイヤがパンクした。でも、捨てるのはもったいない」
「チューブラータイヤのパンクしたのがあるけど、修理できないかなぁ?」
とかありませんか?
修理できるので最後まで読んでみてください。
「やってみよう」
「パンクしたタイヤを使うことができた」
「これでチューブラータイヤを使うことのハードルが下がった」
と思っていただけるはずです。
チューブラータイヤってなに?
チューブラータイヤは自転車だけで使われる構造のタイヤになります。
チューブをタイヤで包み込んで、合わせ目を糸で縫いあわせたものがチューブラータイヤです。
タイヤとチューブが一体になっているので、パンク修理はクリンチャータイヤのように簡単にはできません。
慣れが必要ですが、練習すれば必ずできるので解説します。
『小学校の家庭科』レベルの裁縫技術があれば大丈夫です。
パンク修理ができるのは、縫い合わせてあるタイヤしかできないので注意してください。
コンチネンタルやSOYOなどのシームレスチューブラーは縫い目がありません。
TUFOというメーカーのタイヤはそもそもチューブが入っていません(チューブレスチューブラー)
シームレスチューブラーやチューブレスチューブラーなどは、シーラントを入れて修理しましょう。
シーラントで修理できないものは残念ながら廃棄処分となります。
という理由で私はシームレスチューブラーは使っていません。(修理して最後まで使いたい派なんです)
チューブラータイヤの構造
チューブラータイヤのパンク修理をするにはその構造を知る必要があります。
チューブラータイヤを構成するのは
- タイヤ
- チューブ
- ふんどし(縫い目を保護してるテープ 画像の左)
- 糸 (縫い合わせている糸)
この4点で出来ています。
パンク修理するために必要なものは
- 針
- 糸 (タコ糸)
- パンク修理キット(パッチ・ゴム糊など)
- 細い棒状の物(鉛筆や六角レンチ・ボールペンなど)
これだけあればパンク修理はできます。
パンク箇所を探す
パンク修理をするにはパンクの原因を探します。
つまりパンク箇所を見つける必要があります。
『チューブが出ないのにどうやって見つけるの?』と思われると思います。
チューブラータイヤは、チューブをタイヤで包み込んでるのでパンク箇所はタイヤで見つけます。
エアーを入れて目視で点検して、傷があるような場所に石鹸水をつけてみましょう。
チューブに穴が開いてる箇所 = タイヤからエアーが漏れる箇所 になります。
タイヤのトレッド(路面と接する部分)から泡が出てくるはずです。
その場所にマークしておきましょう。
複数パンクしてる場合もあるので、全周を点検します。
チューブを取り出す
タイヤのリムに張り付けてる部分に約2㎝幅のテープ状の布が貼ってあります。
これが『ふんどし』と言われるものです。
ふんどしの下に縫い合わせた部分があるので、パンク箇所を中心に10㎝くらいめくります。
縫い合わせた糸を切ります。
パンクした箇所の真裏の部分の糸を切ります。
切った糸を左右に少しずつほどいていきます。(パンク箇所を中心に左右に元糸が振り分けられます)
タイヤが開くのでチューブを取り出します。
この時に、タイヤの縫い目の下に薄い布があってチューブが見えないものもあります。
その場合は破ってチューブを取り出しましょう。
ラテックスチューブの場合に縫い目とチューブの間に一枚の布があるのですが、この布を後で復元するのは無理なので修理後にチューブにかぶせるだけで縫い合わせていきます。
破る時は復元した時にチューブにかぶせることができるようにしてください。
切り開いた隙間からチューブを引き出します。
少ししか出てこないので作業はやりにくいですが、パンク箇所にゴム糊を塗ってパッチを貼る通常の修理をします。
チューブを元に戻して縫い合わせる
ここからいよいよ縫い合わせに入ります。
失敗はやり直しになるので慎重に作業してください。
パンク修理ができたチューブをタイヤに押し込みます。
ねじれがないように注意してください。
引っ張り出してるので、チューブがきれいに入らない場合はタイヤ全体を伸ばすとチューブは引き込まれていきます。
ラテックスチューブで薄い布があった場合はチューブにかぶせておきます。
針にタコ糸を通して、タコ糸の端をタイヤの片側の元糸に結んでしまいましょう。
通常の裁縫のように玉を作って縫い合わせるようなことはしません。
元糸の根元にしっかりと結びます。
縫い目にボールペンなどの棒状のものをタイヤの内部に差し込みます。
これはチューブに針を当てないようにするものです。
必ず棒状のガードの上に針を通します。(これでチューブを縫うことはありません)
縫い方は普通に左右に糸を通せば大丈夫です。
だいたいでいいので、元糸の間隔で交互に縫い合わせます。
タコ糸の場合、縫い合わせた後でエアーを入れると糸が少し伸びます。
伸びる分を想像しながら少し強めに締めて縫ったほうがきれいに仕上がるはずです。
ゆるいとそこだけ太くなりますよ。
縫い合わせを進めていくと、最終的にはガードで入れた棒(ボールペンなど)の根元まで行きますね。
ここの最後で失敗するので特に慎重にいきましょう。
ガードを抜いて、合わせ目をしっかりと針を持つ反対側の手で保持しましょう。
合わせ目がきちんと合っていればその下にはチューブはありません。
慎重に縫っていきます。
おそらく3~4針縫えば完成ですね。
縫い終わりの末端処理は、元糸と結んでしまいます。
始まりと終わりを元糸と結ぶために左右にほどいた糸を残したということです。
ふんどしを貼る
縫い合わせたあとで、エアーを入れて点検しましょう。
緊張の瞬間です。
チューブに針を当てていたら、この時点でエアーが抜けます。
そうなったら残念ながらやり直しです。
チューブラーの修理で一番やってしまうミスなので、これを経験してない人はいないのではないでしょうか。
もちろん私も1度経験があります。
今までの時間がすべて無駄になる瞬間はただただガクゼンですね。
修理が終わったらふんどしを貼りましょう。
ふんどしは接着剤で貼ります。
リムセメントでチューブラータイヤを貼ってる方であればリムセメントでふんどしも貼ってしまえばOKです。
両面テープを使ってる方はゴム系のボンドを使ってください。
代表的な接着剤は『ボンドG17』ですね。
ホームセンターで手軽に買えるものなので、入手性は悪くありません。
ゴム系の接着剤は、接着面の両方に塗って乾かしてから接着します。
パンク修理のゴム糊と同じやり方です。
ふんどしを貼ってパンク修理は完成です。
タコ糸以外の糸はこうやって手に入れる
タコ糸は少し伸びるので、縫い合わせる力加減が難しいです。
『他に使える糸はないのか?』というとあります。
昔は『畳糸』を使っていました。
畳屋さんで分けてもらうのですが、今は畳屋さんが減ってしまってすぐには入手できません。
そこで、廃棄するチューブラータイヤから糸を抜きましょう。
縫い癖がついてるので、糸を抜くと絡まってしまいますが、廃棄するチューブラーから抜いた糸がいちばん使いやすいと私は思います。
その理由は、細くて丈夫な元糸なので強度に不安が無いことです。
そして、タコ糸のように伸びません。
タイヤの合わせ目をきちんと縫えば太さが変わるようなことは無いです。
廃棄するタイヤから糸をほどいて保管しておきましょう。
1本分あれば一生使える量になると思います。
まとめ チューブラータイヤのパンク修理は難しくない
とにかく敬遠されがちなチューブラータイヤのパンク修理ですが誰でもできます。
特別な技術のように思われがちですが、技術ではなく『経験値』です。
一本修理できたからってうまくはなりません。
私の場合、初めて修理した時は1本修理するのに4時間かかりました。
作業に挑戦することが『経験値』になるので、怖がらずにやってみましょう。
失敗するのも経験値なので、失敗を恐れずにやってみてください。
できなくて当たり前ですから。
チューブラータイヤは高価なタイヤなのでパンクしたから廃棄というのはもったいなさすぎます。
修理できるものは修理してタイヤの寿命まで使ってやりましょう。
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