アメリカでシマノのクランク割れの件のリコールに動きがありました。
2023年に話題になったシマノのクランク割れ。
点検プログラムで交換しなかったユーザーは、2度目の点検プログラムのタイミングなのではないでしょうか。
シマノの点検プログラムは「本当にこれでいいのか?」と、ず〜〜っと疑問に思っていたのですが、アメリカであらたな動きがあったようです。
- 点検プログラムの対象を2年延長
- 点検に推奨している拡大鏡を配布
- 点検のプロセスに関わる整備士への教育
- 欠陥のあったクランクを点検前に交換した場合の費用の補償
これはアメリカだけの対応なので、日本において同じ対応がとられるとは限りません。
ここからの情報はすべてアメリカ向けの情報にになります。
そもそも点検した自転車整備士が信用していない
あなたは点検プログラムから返ってきたクランクを、安心して使うことができますか?
自転車整備士の目視の点検で、すべての剥離が発見できるとは思えません。
小さなクラックや剥離を、世界中の自転車整備士が目視点検で見つけられるわけがない。
そういったことをイギリスの自転車整備士も思っていたようです。
イギリスの整備士の場合、点検に入ってきた対象クランクはすべて【不可】と言うことで新品交換にしました。
整備士曰く「点検しても割れる可能性がある部品をつけた自転車に、大切なユーザーを乗せるわけにはいかない」とのこと。
万が一、点検後にクランクが折れて、ユーザーが怪我をした場合、その責任は点検した自転車整備士になるのか?それともシマノになるのかわからないという点も不安だったようです。
自転車店も怖いし、そんな自転車に乗せられるユーザーはもっと怖いはずです。
ところがシマノは、その自転車店を点検プログラムの店舗から外したそうです。
シマノ曰く「全てが不良品のわけがない」と。
点検ツール【拡大鏡】も配布する
シマノとしては拡大鏡での点検を推奨しています。
今回アメリカでは、拡大鏡も配布するとのことです。
フレキシブルで動かせる顕微鏡のようなものじゃないと、スパイダーアームの裏側なども細かく点検できないですからね。
録画などもできれば、記録として残せるので便利なんじゃないかと思います。
クランク破損の解析結果(確定ではない)
クランク破損を解析した資料があるのでこちらに貼っておきます。
確定された原因ではないということですが、ぜひ5ページ目を読んでみてください。
小さな剥離(クラック)は長い時間をかけると、少しの力で破壊することができる
たぶん、こんなようなことが書いてあると思います。
長い時間・・・ここがポイントですね。
そして不安な部分も長い時間ということになります。
接着が剥がれた部分にサビはなかったものがあったそうです。
つまりサビが原因というわけでもないということですね。
サビが原因だと点検すればわかるとおもいますが、接着している部分が長い時間の間に剥離となると、点検では分からないでしょうね。
シマノの対応はこれでよかったのだろうか
点検対象プログラムはユーザーにとって正しい方法だったのでしょうか?
対策品に交換されなかったユーザーは、いつ折れるかもしれないクランクを使い続けなければなりません。
実際にケガをしている方もいるわけなので、クランクの全交換が正しい対応なんじゃないかと思います。
点検プログラムから1年後に、どれだけが割れたり剥離したりして交換になったのでしょうか?
さらに1年後・・・2年後・・・に折れたら、交換してくれるんでしょうか?
アメリカでの訴訟に対するシマノからの情報
クランクの破損に対して、アメリカでは訴訟もされていました。
今回和解が成立したようなので、その内容をこちらで確認することができます。
アメリカのクランクリコールまとめ
アメリカでの点検プログラムが2年延長になったということは、ひょっとすると日本も同じように延長することになるかもしれません。
折れるクランクなんか使えない!
シマノは信用できない!と、思ったとしても、自転車のコンポはやっぱりシマノなんですよね。
それくらい良い製品を作ってるんだから、不具合があった時の対応も一流であってほしいですね。

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