【燃えるチェーンリング】シマノアルテグラのチェーンリングは樹脂でできていた

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シマノ6750アルテグラのチェーンリングがナニでできているかご存じですか?

アルミに決まってるでしょ

アルミでできてると思うよね。
でも半分は樹脂(プラスチック)なんだ。

アルミでできていると私も思っていました。
しかし、分解してみると裏面は樹脂(プラスチック)でできていました。

分解する様子を動画にしてあります。

ある意味衝撃的な映像ですよ。
アルミでできていると思っていた方は必見です。

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シマノのクランク【ホローテック】は中空なので軽量高剛性

シマノのクランクやチェーンリングは【ホローテック】という技術で作られています。

10速になって6700のアルテグラと7900のデュラエース以降のチェーンリングがホローテックチェーンリングです。ホローテックがどういった構造なのか簡単に説明します。

クランクアームや、チェーンリングを中空にすることで軽量高剛性を実現する

簡単に言うとこういうことです。クランクアームを中空にする技術は7700デュラからありました。正確に言うと7700は中実クランクで7701が中空クランクになっています。

7701は中空にするために、アルミクランクの外側と内側の部品を用意してそれぞれを溶接でつなぎ合わせています。おそらく7800も溶接での中空クランクのはずです。

7900の時代(6700アルテ含)からチェーンリングも外側と内側を接着して中空にすることによって、アルミのギヤ板だけだったものよりも軽量高剛性を実現しています。

チェーンリングの剛性は、変速性能に直結します。中空構造になって剛性が上がり、トルクをかけていてもチェーンリングの変形量が抑えられるので確実な変速ができるようになりました。

今でもシマノのチェーンリングだけは中空になっています。

特許の関係だと思いますが、他社は一枚のアルミ板でチェーンリングは作られています。

接着してあるなら剥がして構造が見たい

廃棄するチェーンリング
廃棄するチェーンリング

中空のチェーンリングの構造が見たい

チェーンリングの接着がどういうふうになっているのか?
どのくらいの接着面積が確保されているのか?
ギヤ(歯先)と接着の位置関係は?

など、知りたい情報が満載で、分解してみたい衝動が抑えきれません。

なかなか廃棄するチェーンリングが手に入らなかったのですが、先日手に入りました。

早速分解していきましょう。
私の知らないことばかりだったので、驚きの連続です。

【炎上】接着を剥がすつもりが・・・燃えた

なんと燃えました
なんと燃えました

接着剤は熱でゆるめることができます。

アルミ同士ならエポキシ系の接着剤と思われるので、高温をかければゆるんできます。工業用ドライヤーを使えばいいのですが、再利用するわけでもないので手っ取り早くガストーチで焼いて外しましょう。

想像を超えた状態になったので、熱を入れる前の画像を取り忘れていますが、シマノユーザーの方はご自身のチェーンリングを見てください。てっきりアルミの外側のギヤ部分と、内側のアルミ板部分が外れると思ってましたが、なんと燃えました。

トーチで火を入れたときに、フツフツと燃えだしたので「塗料が燃えてる」と思ってましたが、火を入れると芯から燃えています。

予想外の『炎上』に頭の中は「????」です(笑)

燃え方がおかしい

塗料のついたものをあぶるとか、今まで何度も経験していますがどうも様子がおかしいです。
表面の塗料だけが燃えてる雰囲気ではなく、裏面のアルミが燃えてます。

アルミは燃えないはず

マグネシウムなら燃えるかもしれませんが、アルミ板が燃えるはずはありません。
そこでドライバーで突くと・・・崩壊。

マジかっ!

樹脂でできてますよ。プラスチックです。
繊維状のものが見えるのでガラス繊維なのかカーボン繊維なのかはわかりませんが、あきらかにプラスチックです。

繊維はガラスやカーボンで編んであるものではなく、繊維として補強材になって使われているようです。樹脂はカーボンやガラス繊維を固めるポリエステル樹脂ではなくプラスチックが使われています。

ポリエステル樹脂は火をつけると燃え尽きて繊維だけが残ります。燃えた後はサクサクと崩れ落るようになって、カーボンやガラス繊維だけが残ります。

アルテグラクランクは燃えた後、冷えるとまた固まって硬化するので正しい材料はわかりませんがプラスチックです。

プラスチックでギヤにかかる力を受けるなら外板に秘密があるのか?

裏板がアルミだとばかり思っていたものが、実はプラスチックだったというオチになって「チェーンリングにかかる力をプラスチックで受けれるのか?」と不思議に思いませんか?

「きっと外板がメッチャぶ厚くできている」んじゃないかとさらに分解しました。貝殻を開ける要領で意外と簡単に二つに割ることができました。

外板はアルミのペラペラなもので、裏側のプラスチック部分は確かに中空になっています。この構造だと、外側のアルミよりも内側のプラスチックで力を受け止めています。外板はプラスチックの変形を抑える役割のようですね。

【動画】燃えるチェーンリング

6750アルテグラだけじゃないと思うけど検証不能

7900デュラの内側もプラスチックなのか?
7900デュラの内側もプラスチックなのか?

プラスチックを使っているというのは、6750アルテグラだけではないと思うんです。チェーンリングは4アームになっても、同じような形なのでデュラエースにしてもたぶん裏板はプラスチックなんじゃないかと思います。

ただ、こうやって再使用できない状態になるので検証できないんですよね。裏板を削ればわかるともいえますが、9100デュラの裏板を削るとかできませんよね。

あくまでも想像になっちゃいますが、現在のチェーンリングもこの6750アルテと同じだと思います。

プロの力を受け止めることができるプラスチックってスゴイ

チェーンリングのギヤリングはプラスチックの裏板に接着されています、外板はギヤリングの下の部分に接着されているので、チェーンによる直接的な力は裏板のプラスチックで受けています。

アマチュアの力を受けるのではなくプロの力でさえ変形しないプラスチックってすごくないですか?硬ければ割れますし、柔らかければ変形します。割れもせず変形もしない剛性のプラスチックを使うシマノの技術ってスゴイですね。

変わり種のカーボンチェーンリングはある

樹脂で固めたチェーンリングというものは存在しています。トラック競技で使うシングルギヤではカーボンの板にアルミのギヤをつけたものがあります。

そしてなんと、フルカーボンのチェーンリングも存在しています。

もちろんピスト用ですが、ギヤ部分までカーボンでできています。

カーボン技術や樹脂の技術はここまで進んでいるんですね。

DIGIRIT フルカーボンチェーンリング

まとめ

廃棄する6750アルテグラのチェーンリングを分解してみました。

アルミですべて作られていると思ってたのですが、実はプラスチックで作られていたという衝撃の事実です。

しかし、プラスチックで大きな力を受け止める技術はスゴイと思いました。

6750アルテグラだけがこういった構造なのかもしれませんが、おそらくすべての中空チェーンリングはプラスチックで作られていると思います。もし、9100デュラなど他のチェーンリングをお持ちの方は検証してみてください。

コメント

  1. 結局、どういう中空構造になってるのかよくわからなかった。
    インナー側 2mm~3mm厚のアルミ板 中空 数mm厚の燃える繊維強化樹脂 0.数mm厚のアルミ板 ペダル側
    ということかな?

    • 動画も見ていただけたでしょうか?
      中空チェーンリングは、大きく3つの部品で構成されています。
      もっとも力のかかるギヤ部分と、クランクにつなぐアーム部分、さらに裏側の燃えた樹脂です。
      中空になっているのは、クランクアームに固定する部分が中空になっています。
      ギヤリング以外は中空です。