キャンディー系の塗装は最近のマツダ車でも採用されて、とてもインパクトのあるキレイな塗装なので人気がありますね。
TREKのプロジェクトワンなどでも採用されています。
キャンディー塗料は缶スプレーでも販売されてるので挑戦される方も多いかと思います。
キャンディー塗装の応用でラップ塗装があります。
そのやり方を解説します。
簡単なので誰でもできるカスタム塗装で、世界に一つだけのオリジナル塗装なのでぜひ挑戦していただきたいと思います。
非常に複雑な柄になるので「難しそう」と思われるかもしれませんが、見た目の割に簡単な塗装です。
キャンディー塗装とは
イメージとしては、お祭りで売っている【りんご飴】を想像していただければいいですね。
着色されたクリア塗料で、赤・青・ゴールド・パープル・イエローなどがあります。
『クリアに色を混ぜればいいんじゃね?』って思われるかもしれませんが透明度が違うので混ぜ物のクリアはよくないです。
キャンディーラップはキャンディー塗料を塗るまでは意外と大雑把な工程なので派手なわりに簡単です。
今回はヘルメットで工程をお伝えしますが、何を塗るにしても作業は同じなので、応用していろいろなものに挑戦してみて頂けると面白いですよ。
スマホケースでキャンディーラップなどもいいと思います。
キャンディーの色も今回は赤でやっていますが、いろんな色があります。
工程は同じなのでお好みの色でチャレンジしてみてください。
塗装の下地
塗装においては下地が重要なので下地の手抜きはしないでくださいね。
アシ付け作業は#600のサンドペーパーで磨いて細かい傷をつけてください。
この傷に塗料が喰い込んで密着性が上がるので耐久性に影響します。
下地の状態が良ければこのアシ付けだけで上塗りできますが、スマホケースなどのプラスチックを塗装する場合は【ミッチャクロン】のような塗料の接着剤を使いましょう。
ミッチャクロンを使うのと使わないのでは、その名の通りミッチャク具合が違いますのでお勧めです。
私もよく使っています。
ベース色を塗ります
まずは下色で 黒 を塗ってください。
ムラのないようにしっかりと塗れば大丈夫です。
たとえ少しタレたとしても修正できますし、少しぐらいなら気が付かないレベルになるはずです。
黒を塗った後で非常に大切になるのが【乾燥】です。
しっかり乾かさないと、この後の作業が台無しになるので1日以上乾かしたほうが確実な作業ができます。
サランラップで世界に一つだけの模様を作る
準備する物は
粗めのシルバー
メタリック粒子の粗いものの方がインパクトがあります。
サランラップ
サランラップを使うので【ラップ塗装】と言います。
塗装面全体に使うので大き目にあらかじめ切って用意しておきます。
シルバーを塗っていきましょう
ここからはノンストップで手を止めることができないので画像がありません。
缶スプレーなら時間的な余裕はあるかもしれませんが、硬化剤の入ったウレタン塗料だとマジでノンストップ作業です。
下地の黒の上にシルバーを塗っていきます。
このシルバーは多めに塗っても大丈夫です。
タレたとしても大丈夫なのでそのまま作業は続行してください。
シルバーを塗ったら、すぐにサランラップを塗った上からかぶせます。
かぶせたサランラップをお好みのデザインになるまで動かしてシルバーの色をラップごと動かします。
ほぼ適当にやっても大丈夫ですが、色があまり一か所に集中するとインパクトがなくなるのでイメージしながら動かしてください。
シワシワになるイメージです。
同じデザインは絶対にできないので失敗ということはありません。
この作業はどうなってもキャンディーラップは成功します。
普通の塗装の感覚からするとあり得ない作業で、表面は凸凹になりますが大丈夫です。
気にせずにいきましょう(笑)
いよいよキャンディー塗装
ここから少しだけ難しくなるよ
シルバーが乾いたらキャンディーを塗っていきます。
キャンディー塗料を塗る工程は失敗はできません。
修正ができないので絶対にタレないように慎重に薄く重ね塗りしてください。
はやる気持ちで一気塗りすると必ず失敗します。
垂れてしまったら修正はできません。
黒 からやり直しになるので集中して作業しましょう。
薄く塗って乾かす・・・を、繰り返すと失敗しないからね。
キャンディー塗料は重ね塗りで色の濃さを表現します。
多く重ねれば濃い色合いになり、少なければ薄くなります。
キャンディーの色合いにも同じものはないので、複数の部品を塗る場合は重ね塗りの回数を数えながらやると同じ色合いになります。
好みの濃さになるまで時間をかけて焦らずに塗ってください。
好みの色になったらキャンディーラップ塗装は9割成功です。
完成まであと少し。
クリアーで塗装面を平滑にする
ここからは根気のいる作業だからのんびりやろう。
キャンディーのみでも艶は出てきれいなんですが、シルバーを動かしてるので凸凹が目立ちますよね。
この凸凹を修正していくのがクリアーの工程です。
水研ぎペーパーを数種類用意してください。
#1000・#1200・#1500 の3種類あれば大丈夫です
クリアー塗料を塗っていきましょう。
このあとで削っていくので少し厚めに塗ります。
タレても削って修正できますが、手間が増えるだけなので少しづつ重ね塗りして厚さを出します。
「完全乾燥させて削る」を繰り返すので、ここからは1日単位で時間がかかる作業です。
クリアーを完全乾燥させ、水研ぎペーパーで表面のクリアーを削って平滑にしていきます。
思ってる以上に塗膜は薄く、ペーパーで簡単に削り落としてしまうのでゆっくりと少しづつ研いでください。
特に、シルバーの出っ張ってる部分はすぐに削れてしまいます。
削りすぎて下色のキャンディーも削ってしまわないように。
水研ぎすると全体が真っ白に曇りますが大丈夫です。
ペーパーの番手を上げながら#1500まで使って研ぎましょう。
その後、水洗いして完全乾燥させます。
水気が乾いたら再度クリアーを塗ります。
凸凹がなくなるまでこれを繰り返します。
まとめ
キャンディーラップは下地が凸凹してるものでもそれが目立たないカスタム塗装です。
画像のヘルメットも下地塗装の状態がかなり悪かったので、凹凸の目立たないラップ塗装にしました。
また、一緒に写ってるホンダ・モンキーのフェンダーは錆びて凸凹してたのをラップ塗装で目立たなくしています。
カスタム塗装でアラを隠すことも可能なので応用範囲はかなり広いですね。
技術的にはそれほど難しいものではありませんが、キャンディー塗料の段階で失敗できない部分は『難易度』というより『焦らずに待つ気持ち』があれば失敗はしません。
塗装は焦りとはやる気持ちが最もよくありません。
比較的時間のかかる作業なので、まずはスマホケースなどの小さなもので練習されると楽しいカスタムができるはずです。
ぜひキャンディーラップ塗装に挑戦してみてください。
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