三菱の【アイ】でよくある故障に『けたたましい白煙がマフラーから出る』というものがあります。
マジで驚くほどの白煙を噴くので、かなりビックリするわけですが原因はPCVバルブにあります。
PCVバルブであれば交換すれば直ります。
点検方法から交換までの記事になります。
参考になさってください。
ちなみにPCVバルブ不良で白煙を噴くことはアイだけではありません。
他車種であっても『白煙がマフラーから大量に突然噴き出した』という車では同じような作業で修理対応できます。
白煙を噴く原因
自動車で白煙を噴く原因
- 吸排気バルブのバルブステムシール不良(オイル下がり)
- ピストンのオイルリング不良(オイル上がり)
- タービンブロー
- PCVバルブ不良
大まかにこのような原因になります。
ほかには、ピストンが割れてしまう『タナ落ち』とか、シリンダーに大きな傷がついてしまうことなどもあります。
いわゆるエンジンブローと言ってエンジンが壊れた状態です。
白煙の原因はオイルだけではない
最近ではかなり減りましたが、白煙の原因はオイルだけではありません。
冷却水がエンジンの燃焼室に漏れてしまうと蒸気としてマフラーから排出されます。
臭いでわかりますのでこの場合の判断は容易です。
蒸気は大気中に放出されると消えてしまうので、煙が大気中で消えるなら冷却水が原因です。
PCVバルブが原因なのか点検をする
まずはPCVバルブが原因なのか点検しましょう。
取り外してしまえばすぐにわかることですが、違っていたら取り外す時間が無駄です。
その場合、違う原因を探さなければなりません。
長めのプライヤーでPCVバルブをシリンダーブロックから抜きます。
つまりPCVバルブを大気開放させてしまいます。
これでPCVバルブの機能はありません。
この状態で少しエンジンを吹かします。
エンジンの中に残ったオイルをすべて燃やしてしまうためです。
これをやらないとPCVバルブを外しても白煙がいつまでも出るので『原因ではない』と勘違いしますね。
白煙がだんだん減ってきて、最終的に出なくなれば原因はPCVバルブということになります。
部品を発注して交換しましょう。
三菱『アイ』のPCVバルブを交換する
三菱アイのPCVバルブはシリンダーブロックに取り付けてあります。
多くはタペットカバーについてるのですが、シリンダーブロックなのでかなり作業がやりにくいです。
インテークマニホールドの真下で、手は入りません。
エアクリーナーボックスを外せば手が入るかもしれませんが、以前同じ作業をやってるので私なりのやり方でやっています。
長めのプライヤーを2本使ってロボットアームのように作業をします。
純正部品 パーツNo
- 1035B359 PCVバルブ 750円(税別)
- 1057A033 バルブガスケット 280円(税別)
交換作業を解説
エンジンはできるだけ温かい状態で作業した方がやりやすいです。
理由は、PCVバルブガスケットはゴムでできており、経年劣化で硬化しています。
エンジンを温めておけばバルブガスケットは柔らかくなってるので外しやすいです。
PCVバルブはプライヤーで引き抜けば意外と簡単に抜けます。
インテークマニホールドの隙間から引っ張り上げれば、交換作業は何も問題なくできます。
問題はPCVバルブガスケットを外すことです。
ちぎれたりすることがあるので、ブロック内部に落とさないように注意しましょう。
落としたとしても、内部で別室になってるのでエンジンには影響はないですが気持ちよくないので慎重に作業します。
このためにエンジンを温めておく必要があるのです。
プライヤーで端をつかんだ状態でマイナスドライバーで少しずつ起こしていきます。
プライヤーで引き上げながらやらないと、オイルがついてるのですぐに元の状態にはまり込んでしまいます。
頑張って外しましょう。
PCVバルブを取り付ける
PCVバルブを外した時と逆の要領でホースに取り付けます。
インテークマニホールドの隙間からホースを引き出してやれば簡単です。
PCVバルブガスケットをプライヤーと大き目のヘラのようなものを使って取り付けます。
まず、プライヤーでシリンダーブロックの取り付け部分にもっていき、ヘラを使って上から押し込んでやると入ります。
前もってPCVバルブガスケットにシリコンオイルを塗って入りやすくしておきましょう。
PCVバルブ本体も同じ要領で作業します。
プライヤーで掴んでガスケットまで持っていきヘラで押し込んではめ込めば完成です。
インタークーラーなど吸気系を掃除する
オイルを吸って燃焼室で燃やしてしまってるので、吸気系統を掃除しておく必要があります。
インテークパイプからインタークーラーです。
インテークマニホールドにもオイルが溜まってる可能性はありますが、取り外すなどの作業が必要なので今回はやりません。
走行していればきれいになると思います。
内部も空間が広いのでオイルで詰まることもあり得ません。
インタークーラーの空気が流れる通路は比較的狭いのできれいに洗って取り付ける必要があります。
内部にたまったオイルは動画をご覧ください。
オイルを出して、灯油を入れて何度か洗います。
洗浄した灯油はオイルで汚れています。
灯油は時間とともに乾燥するので後始末が楽ですね。
インタークーラーなどを洗って、排出できるように傾けて一晩放置すれば取り付けることができます。
水や洗剤で洗うと乾燥するまで組めないので、エアーブローするなど作業に時間がかかるので灯油が一番いいですね。
もちろん、灯油だけではなくパーツクリーナーも併用して掃除してます。
ホース取り付け部などに油分があるとブースト(過給)されたときにホースが抜ける可能性があります。
組み上げて完成
オイルを燃やしてしまってるので当然オイルは減っています。
今回はオイルエレメントと共に全量交換しました。
オイルが燃焼室に入ってるので、プラグも点検します。
状態が良ければ、走行中にきれいになるはずですが今回は交換します。
まとめ 【アイ】ではよくあるのでできれば定期交換
何キロぐらいでPCVバルブが壊れてしまうかわかりませんが、三菱【アイ】はよく壊れるようです。
10万㌔を超えてるようであれば予防整備の意味でも交換をお勧めします。
部品は安いので早めに交換しておけば、インタークーラーを外すなどの作業は必要ありません。
作業は【外して取り付ける】だけなので簡単なんですが、場所が悪いので個人の方で慣れてない方では難しいと思います。
三菱のディーラーがどういった作業で交換するのかわかりませんが、アイに乗ってらっしゃる方は見積もりを取ってみられて交換を検討してもいいと思います。
予防整備は、修理費用を抑える唯一の方法です。
アイのPCVバルブが壊れる今回の事例は意外と多く発生してるようです。
プライベート作業ができないわけではないので、挑戦してみたい方は参考にしてください。
コメント
“エンジンを温めて外す”
なるほどですね。勉強させていただきました!
お役に立ててよかったです。
ちなみに、室内のパネルなどを外す場合も冬は暖房で温めてやるとクリップなどは外れやすくなりますよ。