ツール・ド・北海道で選手が亡くなった事故で、協会やJCFに全責任があるように言われていますが、わたしはまったく違う意見です。
この事故のいちばんの原因は選手がセンターラインをはみ出して、対向車線に入ったことにあります。
もちろん、主催者側に責任が無いとは言いません。
主催者側の安全管理がしっかりしていれば、防げた事故だとも思いますが、問題はセンターラインを越えた選手にあります。
亡くなった方を悪く言うつもりはありませんが、不注意からおきてしまった死亡事故というだけのことです。
選手の責任が大きい理由
このレースで関わっているのは4団体と一人です。
- チーム(選手)
- 協会(JCF)
- UCI
- 警察
- 対向車の運転手
この中で禁止されていたことをしたのは誰でしょう?
【選手】ですね。
レースの通知でも、監督会議でも「占有しているのは片側だからセンターラインを越えて反対車線へは出るな」と注意されています。
やってはいけないことをしたのは選手です。
「協会が反対車線に入ってくる車を止めなかったからだ」と、協会が悪いという方もいますが、協会も確かに安全管理の不備があったのは間違いありません。
ですが、センターラインを越えたのが事故の原因なのは間違いないです。
協会の安全管理
主催者としては選手が安全にレースができるように、車の進入を止めなければならなかったのは間違いないです。
ですが、反対車線は規制することはしていません。
ここで言う規制とは、車を止める権利のことを言っています。
レースをやっている車線は、使用許可を得ているので、車両の進入を協会が認めない限り走ることはできませんが、反対車線は主催者が自主的に規制しているだけです。
そこを車で走ることは法律上、許されています。
通りたい車がいたとしても、強制的にその権利を奪うわけにはいかず、お願いベースで選手の通過後まで待ってもらうしかありません。
これが警察官なら話は違います。
主催者側の規制であっても、警察官による停止であれば、警察官の指示に従わなければならないので進入することはできなくなります。
つまり、反対車線を走ることは法律上、何の問題もありません。
道義的な責任とはまた別の話です。
車の運転手は
車の運転手がどうだったのかはあまり表に出ていないのでわからないですが、規制前にコースに入っていたとのことです。
コース脇に車を止めてレースを見たあとで、温泉に向かう途中で事故にあったらしいですね。
レースで先頭の自転車が過ぎたから車を走らせたとのこと。
「先頭の自転車がきたんだから後続も来るだろ」というのもわかりますが、先頭の自転車が先頭だってわかっていたでしょうか?
最終走者と思ったかもしれません。
「レースを見ていた」といっても、温泉に向かっていたら自転車のレースをやっていたので、ついでに見ていたのかもしれません。
自転車レースのファンじゃなければ、後続の集団がくるなんて思ってもないかもしれません。
規制されたあとで間違って入ってしまったとしましょう。
だとしても、道路を占有しているわけではないので違反にはなりません。
主催者の方からお願いされていなければ、道路を使うことは悪いことではないです。
主催者側には責任がある
安全管理をするのは主催者側の責任なので、主催者側に責任はあります。
主催者が進入に気がついて、運転手の方にお願いをしていれば事故は防げたはずです。
先頭グループのバイクなどが声をかけていれば・・・とも思いますが、バイクなどもすくない人数でやっているはずなので、選手から離れることができなかったかもしれません。
路肩でレースを見学するなんてのは、自転車レースではよくある光景なので、関係者もまさか走り出すとも思ってなかったでしょうし。
ですが、やっぱり誰かは声をかけるべきでしたね。
全線占有するべき
全線占有するべきなのは間違いないですが、う回路がなければ全線占有することはできないらしいです。
住民の交通の妨げになるので、警察も占有はさせないらしいです。
私は詳しくないのでネット情報ですが。
それができていたら、主催者側も全線使うハズです。
完全封鎖が最も安全なのは誰でもわかることですから。
片側だけしか走れなかったことを選手が知らなかった?
参加していた選手が「通行止めになっていたと思っていた」と言っていますが、もしそれが本当なら競技に出るべきではないです。
ルールを知らないで競技に出ることほど危ないものはないです。
ルールを知らない選手が混じっていたら、他の選手も危ないです。
今回のように、片側しか使えないコースをルールを無視した選手が反対車線に飛び出せば、他の選手も勘違いして「いいのか」とつられて飛び出すかもしれません。
チーム右京は「コースが危ないので参加はしない」と、参加を辞退しています。
チーム右京の選手によれば、片側規制のあのコースは危ないからレースを辞退したということです。
UCIのポイントがかかっている大事なレースですが「危ない」から出ないというのは、さすが元F-1ドライバーらしいです。
つまり、レース前の監督会議に出ていないチームの監督が、片側規制で危ないということをわかっていたということになります。
ツール・ド・北海道に初参加のチームや選手であっても、レース前にルールは知っておかなければなりません。
知らなかったとしても、監督会議では監督に主催者のほうで説明もしているわけなので、選手に伝わってなかったとしたら監督の責任です。
ルールを知らなかったは、レースでは通用しません。
ちなみに、片側規制がローカルルールだったとしても、UCIはローカルルールも認めてレースを行っているのですから、ルールに上下関係はありません。
自転車レースは押し出されたりする
自転車レースの集団にいると、押し出されることはよくあります。
それが自転車レースです。
それが嫌なら集団にいなければいいだけです。
接触して落車もあるでしょう。
接触が嫌なら単独で走ればしいんです。
安全な場所で、レースの駆け引きをすればいいだけです。
そもそも、亡くなった選手ははじき出されたんでしょうか?
「一人で飛び出していった」と、近くにいた選手が言っている記事も見ました。
集団の前に出ようと飛び出したのかもしれません。
レースは安全第一ですが、選手側が安全を意識していないとレースは成り立ちません。
レース結果は大切ですが、それ以上に自分の命が大切です。
走り出してしまえば、自分の命を守れるのは自分だけです。
結論
規則を守らなかったのは選手です。
主催者にも、安全管理で落ち度はあるのはまちがいありません。
選手がルールを守らなかったことに加え、車の進入という不運が重なった事故です。
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