『動きがシブい!』1インチスレッドヘッドベアリングのグリスアップ

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1インチスレッドヘッドベアリングのグリスアップです。

ヘッドの動きが少し渋くなって、直進性が非常に強くなり乗りにくくなってきたのでグリスアップと玉当たり調整をしました。

ヘッドの動きは走行に大きな影響があるので、わずかな不調も妥協はできません。

動けばいいというのではないのがヘッドの役目なので非常に奥が深いです。
自転車のハンドルは常に左右に動いています。
直進性が強いヘッドの動きは上半身の動きを阻害します。

最近ではアヘッド式なのであまり不調というのは感じることがなくなりました。(シールドベアリングのせいだと思う)

スレッド式は微妙な玉当たり調整で、乗り味まで変わってきます。

わずかな不調に気がつきやすいのもスレッド式ヘッドベアリングということも言えますね。

スレッド式ヘッドベアリングはクロモリフレームなどで使われているもので、古くからある構造です。

玉当たり調整(ヘッド調整)はアヘッドよりもやりにくいという面はありますが、グリスアップすることで長く使うことができるヘッドベアリングです。

半年以上分解していないので、グリスアップしましょう。

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スレッドヘッドセットの構造

スレッド式のヘッドセットは、カップ&コーン式と基本的な構造は変わりません。

玉押しと玉受けとリテーナーベアリングで構成されています。

フォークの下側に「下玉押し」ヘッドの上に「上玉押し」が圧入されていて、へッドの下に「下ワン」がありフォークのネジ部分に「上ワン」があります。

上ワンをロックナットで締め付けて固定しますが、その間には「舌付きワッシャ」があります。

舌付きワッシャがないと、ヘッド調整が非常に難しいものになるので、たかがワッシャですが重要部品です。

ヘッド調整はフォーク上部の「上ワン」を締め付けて行います。

締めていけば玉当たりがきつくなるのでフォークの動きが制限され、緩ければフォークにガタが出ます。

ちょうどいいところを探しながらのヘッド調整はかなり時間がかかる場合があります。

フォークをフレームから抜く

下玉押しは砂がベッタリ

まずはフロントフォークをフレームから抜かなければベアリングは取り出せません。

ハンドルを外し、フロントブレーキを外せばフォークは単体になります。

ロックナットと上ワンのナットは32㎜のヘッドスパナを使います。

大型モンキーでもロックナットを緩めることはできます。
ヘッド調整の時にはヘッドスパナがあると作業はかなりはかどります。

固定されているのはロックナットだけです。

上ワンは締め付けてないのですぐにゆるめることができます。

フォークを抜いたらベアリングを取り出して洗浄

洗浄前のベアリング
ベアリングもドロドロ 半年以上1年未満でこの状態

ヘッドベアリングは上下にベアリングが入っています。

アヘッドでは上下異径ベアリングを使っているものが多いですが、スレッド式ヘッドベアリングは上下とも同じベアリングを使っています。

どの自転車でも同じことが言えますが、必ず下側のベアリングの方が汚れはひどいです。

タイヤが巻き上げる砂などが付着するので下側のベアリングは汚れます。

上側のベアリングは汚れないかというと、汗でサビている場合がかなり多いです。

乗っているときに汗がトップチューブに落ちるでしょう。
ダンシングするとヘッドに汗は落ちています。

走行後にヘッド周りを拭いても、ヘッドに入った汗や砂を取り除くことはできないので定期的な点検とグリスアップなどが必要になるわけです。

すべてのパーツを洗浄して点検

洗浄後の下玉押し
洗浄後の下玉押し

ヘッドには上下に大きな力がかかっています。

また左右にも「ダンシング」などで自転車を振ると力がかかります。

路面からの衝撃を受けるのもヘッドベアリングなので、とうぜん打痕やムシ食いなどがおこります。

ホイールハブのようにグルグルと回転する部分ではなく、常に同じ位置にベアリングが当たっていることで玉押しに鋼球跡がついてしまうこともあります。

実際にこのヘッドベアリングは、鋼球の打痕ができていて一定の位置でゴロツキがあります。
もうそろそろ交換時期なのですが、アタリの位置を変えながら延命させています。

ヘッドの上玉押しと下ワンの取り付け角度を変えると打痕がズレるので使えるんですよ(笑)

ムシ食いなどは論外なのできちんと点検します。
ヘッドの動きには感覚的にシビアな部分です。

乗っていて違和感を感じるのもヘッドがイチバンなのできちんと点検します。

アヘッドの場合は、シールドベアリングを使っているので不調となれば交換です。

洗浄後のベアリング
きれいになって気持ちよく使えます

リテーナーベアリングにグリスを塗って組付け

組付けは分解した時と逆の作業工程です。

下玉押しのグリス量でいつも悩んでしまうのは、多いよりも少ないほうがいいと思うからです。
グリスが多いとはみ出したり流れ出た時に、砂などを混ぜ込んでしまうからです。

気を付けて拭き取ったりしていますが、なかなか最適な量というのがつかみきれません。

少なくても常に回転しているものではないので、グリス切れになることはないのですが・・・。

上ワンをフォークにガタが無い程度まで締めつけて、舌付きワッシャを入れてロックナットを締め付けます。

本格的なヘッド調整はタイヤをつけて着地させないとできません。

ヘッド調整をしてブレーキを組み付ければ完成

ヘッド調整はフロントブレーキをかけて自転車を前後にゆすってガタを見ます。

緩いとヘッドにガタが出て、強く締めるとヘッドの動きがシブくなります。
どちらもいい状態ではないので、ガタが無く動きがちょうどいい箇所を上ワンの締め付け具合で出してやります。

この時ロックナットのアタリ具合でガタなどが変わるので、意外と難しい部分です。

ロックナットを締め付けてちょうどいい当たりが出たら完成です。

ハンドルをロック To ロックで違和感がないこともチェックしましょう。

まとめ

スレッド式ヘッドベアリングのグリスアップをしました。

走行中に直進性が強くなり乗りにくくなったことがきっかけです。

半年以上グリスアップしていないのですが、1年はたっていません。
それでもこの程度の汚れ具合になります。

繊細な情報を感じ取ってメンテナンスすることが『メンテナンス』です。
壊れてしまってからは『修理』ですね。

不調を不調だと感じ取れるか?というのも日ごろのメンテナンスのおかげです。

常に自分の自転車が調子よければ、小さな不調に気がつきます。
ふだんから不調の自転車に乗っていると、不調箇所が増えても気がつきにくかったりします。

自分の自転車の不調がわかるのはオーナーである本人でしかありません。

今回「直進性が強すぎる」と感じるのも、他の方ならわからないレベルです。
いつも調子の良い自転車に乗っていることが、小さな不調に気がつくコツとなります。

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