ロードバイク初心者がロードバイクで『乗れるかな』と思う不安な部分がドロップハンドルとビンディングペダルではないかと思います。
初心者こそビンディングペダルを使おう
ビンディングペダルは、ペダルを足に固定できるペダルのことを言います。
この構造ができるまでは、ペダルにトークリップと言うものがついていて、足をトーストラップと言うベルトで固定していました。
現在でも競輪競技はストラップで固定しています。
走り出した後でトークリップに足を入れベルトを締めることで固定しています。
足をペダルから外すには、止まる前にベルトを緩める必要があるので信号のタイミングを見ながら外すなどのテクニックが必要でした。
強度を上げて走るときはかなりベルトを締め上げるのでなかなか外れないことも。
ビンディングペダルは、専用の靴にクリートというものをつけ、クリートをロックできるような構造のペダルです。
ペダルもクリートも同一メーカーの専用品で他メーカー同士は適合しません。
ロックするのはペダルを踏み込むだけででき、外すときはかかとを外側にひねるように動かせば簡単に外れます。
瞬間的に外すことができるので慣れれば危なくはありません。
ペダルに足を固定するのは初心者にとっては恐怖だと思います。
いざというときに足を路面につくことができないと倒れちゃいますからね。(通称 立ちゴケ)
実際に立ちゴケはよくありますが、練習すれば30分くらいで慣れると思います。
はじめは交通量の少ないところで脱着を繰り返せば、外すことを意識しなくても外すことができます。
足をペダルに固定するメリット
常に同じ足裏の位置でペダルを踏むことができます。
ママチャリなどで土踏まずあたりをペダルに乗せて踏んでる方がいますが、できれば母指球あたりで踏むほうがペダルを踏みやすく回しやすいですね。
土踏まずのほうが良いという方もいらっしゃいますし、そういったセッティングの方もいらっしゃいますがいずれにしても常に同じ位置でペダルに足を乗せてるほうがいいです。
特に足を固定してないと不安なのが、坂道でダンシング(立ち漕ぎ)をしたときに足がペダルから滑って外れる不安がなくなります。
力を入れて踏んでるとき(特にダンシング)に限って足がペダルから滑り落ちます。
力を入れて踏んでるので踏み外した瞬間にコケる可能性があります。
これがいちばん危ないのでビンディングペダルを勧める大きな理由です。
スニーカーでフラットペダルだとマジで踏み外します。
『坂道は行かないからビンディングはいらない』とか思ってる方いませんか?(笑)
初心者のうちは『坂』が嫌いなのも分かります。
でも走り慣れると、坂を求めて坂ばかり上るようになるので早いうちにビンディングペダルにしちゃいましょう。
坂道だけじゃないビンディングペダルの必要性
坂道でも足を固定しているメリットかありますが、それだけじゃないです。
平地を走るのにもビンディングペダルはメリットがあります。
それは『引き足』が使えることです。
ペダルは踏むのと同時に反対側の足ではペダルを引き上げています。
踏んでないほうの足を持ち上げて、踏み込む側の足に反対側の足の重さ(余分な負荷)をかけないようにするテクニックです。
間違ってはいけないのは、引く力が推進力になるほど引くことはありません。
これがうまくできれば【回す】疲れないペダリングができるようになります。
ロードバイクに乗ることにおいて最も難しい部分です。
私はまだできません(悲)
ロードバイクのペダリングは【踏む】運動ではなく、【足を上げる】と思えばいいですね。
よくスポーツ選手が『モモ上げ』をやってるのを見たことがあるかと思いますが、あの動きを自転車でやってるイメージです。
モモ上げをするときに、ペダルがフリーになると踏み込む動作の時にペダルが足元からなくなると困ります。
なので固定されてる必要があるんです。
ビンディングペダルの種類
- シマノ SPD-SL
- シマノ SPD
- LOOK
- TIME
- スピードプレイ
- その他(クランクブラザースなど)
初心者が選択する上ではLOOKやTIMEのペダルは検討しなくていいと思います。
シマノが合わずLOOKやTIMEに変える方もいますが、使用率の高いシマノで始めたほうが情報量が多いのでお勧めです。
シマノ SPD-SL
最も使用率が高いペダルです。
ほとんどの方がこのSPD-SLを使ってらっしゃるのではないでしょうか?
デュラエースだけは作りが別格で、スタックハイト(ペダル軸と靴底との距離)が低くなっています。
またデュラエースだけベアリングの構造が違うので、予算に余裕があるならペダルはデュラエースをお勧めします。
メリット
使ってる方が多いので、人の自転車に試乗することもできます。
ビンディングペダルはクリートが合わないとペダルが踏めないので同じペダルであると言うメリットは大きいです。
クリートは消耗品ですが、シマノのSPD-SLのクリートは入手性がよく、すぐに手に入れることができます。
フローティング角を3種類のクリートによって変えます。
フローティング角とは?
人の足は上下させるときに膝の位置はまっすぐに上下することはありません。
かならず外側や内側に捻転するような軌道を描いて上下しています。
膝が捻転すれば、ペダルの上の足も捻ることになります。
つま先を中心としてかかとの位置が常に変わります。
この時に足が固定されてると膝だけが捻転するのでひざを痛めてしまいます。
フローティング角は足をペダルの上で動くようにして膝を守る構造になります。
- 0度 (赤)
- 2度 (青)
- 6度 (黄)
消耗品であるクリートの価格も定価で約2千円なのもユーザーにとってはうれしいですね。
デメリット
フローティング角が3種類しかないので調整範囲が狭い。
片面でしか使えないのでキャッチするのに初心者だとキャッチできないことがある(すぐに慣れます)
グリスアップ単独での作業ができずに分解となるオーバーホールがメンテナンスの中心になる。( 費用が掛かる)
シマノ SPD
初心者にお勧めするペダルはこのSPDです。
このペダルに慣れてからSPD-SLや他のメーカーに移行するのがいちばんいいと思います。
メリット
靴によりますがクリートの出っ張りが無いので普通に歩ける。
スニーカーのような専用靴もあるので、ラフな格好でサイクリングしても靴に違和感が無い。
ペダルの種類が豊富で、MTB用も含めると両面キャッチできるものもあるので選択肢が広い。
ペダル自体がかなり安い4.000円くらいのものもある。
片面は普通のペダルで片面がビンディングペダルと言うものもあるので、普通にスニーカーで乗れる(長い距離はお勧めしません)
ロックしてるスプリング力がSPD-SLなどと比べて弱く作ってあるのですぐに外せる安心感がある。
歩けるように作られた靴であればクリートの磨耗はまず無いので、クリートの寿命が長い
デメリット
靴の剛性が低いものが多く、踏んだときの剛性感が少ない。
SPD-SLのように【速く走る】などを重点に考慮されてないのでペダルと靴の接触面積(踏み面)が狭い。
SPD-SLと同じくグリスアップはオーバーホールになる。
スピードプレイ
トライアスロンで有名になったペダルです。
選手が『ひざの痛みが出にくい』ということで使用率が高まりました。
膝の捻転によるフローティング角の調整幅がかなり広いのが特徴です。
ペダルっぽくない小さなもので、普通のペダルとは発想が逆になります。
踏み面を大きくするために、クリート側の面積を広くしてます。
またスタックハイト(ペダル軸と靴底との距離)を近くする目的もこのペダル形状で実現しています。
メリット
見た目と違って踏み面が広い
クリート剛性が高いのでペダルを踏んだときの剛性感が高い。
クリートの耐久性が高い(クリートカバーを付けたままにできる)
両面キャッチできるので、ペダルを踏めばクリートにはまる。
調整範囲が自由自在
グリスアップがとにかく簡単(グリスガンでグリスを注入するだけ)
デメリット
ペダルが高い
調整範囲が広すぎて沼にはまると抜け出せない。
新品時に限るが、ペダルがクリートにとにかくはまらない。
これでペダルの使用を諦めかけた方がいる。(笑)
まとめ
中上級者が当然のように使ってるビンディングペダルは初心者にとっては敷居の高いものかもしれません。
ですが、ペダルが足に固定されてる感覚に慣れると固定されてないペダルには不安感しかなくなります。
それがほとんどの自転車乗りがビンディングペダルを使う理由です。
本当にすぐ慣れますのでぜひ導入してみてください。
記事の中のペダルで私が使っているのが【スピードプレイ】と【SPD】なので【SPD-SL】などのレビューは少し弱めです。
SPD-SLを使ったことが無いのですが、お勧めするのはスピードプレイよりはSPD-SLをお勧めします。
ユーザーが多いこと、クリートの入手製がいいなどの理由からです。
また、記事中にも書いてますがイチバンのお勧めはSPDです。
SPD-SLに移行した後でも、歩くことがあるとか食事でお店に入るときなどのサイクリングでその便利さを実感すると思います。
使わなくても持っていれば必ずいつか出番のあるペダルです。
恐怖感は1時間もすれば無くなるのでビンディングペダルを初心者の方こそ装着していただきたいパーツです。
またこれからロードバイクを始めようとされてる方は、自転車とペダルは別売りなのでSPDペダルをはじめから導入されることをお勧めします。
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