おもしろい記事を見つけました。
『いい自転車ってどんな自転車ですか?』という質問を、サイクリストの質問コーナーに寄せられたようです。自転車ライターの安井氏がこの質問に答えています。
【いい自転車】って言うのは抽象的で、それぞれの感じ方によって違うので「こういう自転車」ということは言えません。安井氏も同じように記事で書いていらっしゃいます。
安井氏の記事はまさに真理で、記事の通りに私も思います。
あなたにとっていい自転車とは何ですか?
メーカーのキャッチ―なものに踊らされてないですか?
私の思う「いい自転車」を考えてみました。
いい自転車かどうかはあなたにしかわからない
あなたが今乗っている自転車はいい自転車ですよね。悪い自転車には乗っていないはずです。
つまり、これが答えなんです。他人がどう思おうと、自分が「いい自転車」と思えばそれがベストな自転車です。
ということで終了(笑)
それではつまらないので、もう少し深掘りしてみましょう。
使用目的で選ぶ自転車
例えば、レースで勝つための自転車というと選択肢はかなり狭まります。各メーカーのハイエンドモデルを選ぶというのがセオリーで、選ぶ理由に「遅くても乗りこごちのいいもの」という選択はありません。
乗り心地が悪くても、1㎝でも前に出れる自転車が競技で使う自転車というものです。もちろん脚に合うとか合わないとかはあります。「A社のハイエンドモデルを買ったけど脚に合わない」というのであればB社のハイエンドモデルを買って乗ってみればいいんです。
競技で人と競るための機材とはそういうものです。
そういう部分で、競技で『勝つ』ためのいい自転車はメーカーのハイエンドモデルなので選択肢が少ないです。
もっとも人口の多い『サイクリング』に使いたい自転車というと、エントリーモデルからハイエンドモデル、また鉄フレームなどのようなオーダーフレームまですべての自転車が対象になるので「いい自転車」を選ぶのは難しくなります。
サイクリングで150万円のハイエンドモデルが必要か?というと、【所有欲】をガッツリと満たしてくれるので『必要』なのかもしれません。
しかし、使用目的は10万円の自転車と変わらなければ「必要ない」ですよね。
もちろん疲れやすいとか、乗り心地が違うとかそれぞれで感じ方が違うのでいいとか悪いとかは言えません。
『欲しい自転車』がいい自転車で、金額ではなく『乗って楽しい自転車』がサイクリング指向の方にとっていい自転車なんだと思います。
初心者にとっていい自転車とは?
初心者の方に「いい自転車が欲しい」と相談されたら、私ならカーボンフレームは勧めません。
カーボンの扱いを知らない方がはじめての自転車にカーボンフレームを選ぶより、金属フレームでしっかりと乗り込んだ方が良いと思います。
乗り込んでいくうちに、自分が自転車に求めるものが何かというものが見えてきます。
フレームサイズも乗り込めば変わってくることもありますし、自分に最適なサイズを知ることもできます。
自分が自転車でやりたいことが「ロングライドがしたい」というのであれば、ハイエンドモデルではなくミドルグレードやエントリーモデルなどの方がいいかもしれません。
競技をしたいわけではないけど『速く走りたい』というのであればエントリーモデルは選択から外せます。
また『1台の自転車を長く乗りたい』のであれば、クロモリやアルミなどの金属フレームがいいですね。おそらく一生乗ることができます。
「人と違う個性的な自転車に乗りたい」とかであれば、チタンフレームとかもいいと思います。
個性的な自転車でさらに言えば【クロモリのオーダーフレーム】という選択もあります。
世界に一台しかない自分だけの自転車で一生乗ることができます。
メーカーの情報があなたにあっているとは限らない
【前モデルより50g軽量になって15%の剛性アップ】とか、本当に必要ですか?
サイクリングに50g軽い自転車で15%の剛性アップの自転車が必要かと言えばほぼ【NO】ですよね。
50g重い自転車でも、前モデルの剛性の自転車でも、同じサイクリングができるわけです。
【軽い】とか【剛性アップ】とか言っている自転車は、来年には『前モデル』になっています。来年にはさらに軽く高剛性のフレームになっているはずです。
競技指向の方であれば必要な性能ですが、サイクリングではほぼ必要のない性能でしかありません。
ロングライドで使う自転車には『軽量』も『剛性アップ』も必要なかったりします。軽量化は耐久性を犠牲にしますし、過度な剛性は疲れやすく乗りにくかったりします。
メーカーの『軽量高剛性』というキャッチコピーに踊らされないように自転車を選びましょう。
いい自転車は乗っていて気持ちいい
高い自転車が誰でもいい自転車とは限りません。
間違いなく言えることは、いい自転車は「乗っていて気持ちがいい」自転車です。
これはフレームだけのことではなく、コンポやホイール、ハンドル回りなどトータルで乗っていて気持ちがいい自転車がいい自転車です。
ホイールのメンテがしてなくて、ハブにガタがあったり、チェーンが伸びていたり注油されていなければいい自転車ではないです。
きちんとメンテナンスされていれば、いい自転車だともいえます。
自分が求めているパーツで組んであること
初心者の方ではじめての自転車では、なかなか思うような自転車にならないと思います。完成車に付属のホイールは決していいホイールではないですよね。
ハンドルやステムが乗り方にあっていなければ不満が出てくるはずです。
乗り込んでいくうちに「ステムを10㎜伸ばそう」とか「ホイールを交換しよう」と、だんだん自分に合ったパーツ構成になってきます。
自転車が育っていくともいえますね。
そうして時間をかけて、自分の自転車になってきます。
つまり、今あなたが乗っている自転車がいい自転車だということです。
新しい自転車を買っても、育てていくまではいい自転車とは言えません。
まとめ
おもしろい質問が【サイクリスト】にあったので便乗して記事にしてみました。
結論は、どんな自転車でも自分が乗っている自転車がいちばんいい自転車ということです。
そのためには、手をかけお金をかけて育てていく過程が必要です。
知識を蓄え、乗りやすいように改良していく過程も楽しみましょう。
コメント