カーボンホイールを選ぶときに何をそのホイールに求めていますか?
軽さ?
剛性?
リムの高さ?
ハブの回転?
スポークの材質?
価格?
ここではリムに焦点を絞って、カーボンリムに求めるもので重要なものはナニか?を解説します。
完組のカーボンホイールだとなかなか参考にならないかもしれませんが、軽さだけで選んではいけないことなどがこの記事から分かると思います。
カーボンリムは軽さで選んではいけない
軽いリムの方がいいのは言うまでもありません。
つまり軽いホイールです。
そのためには軽いリムをぜひ選ぶべきです。
ただし、軽くても剛性のあるホイールを組めることが条件です。
軽いけど剛性のないホイールを選んではいけません。
ホイール全体としての剛性がいちばん重要です。
例えば、前後で1200gの50㎜ハイトのホイールよりも、1500gのホイールの方が高性能な場合があります。
ハブの重さは自転車の重さに関係はしても、ホイールの性能に対する重要度はかなり低いです。
スポークも、アルミスポークの方が軽いかというとそうではなく、ステンレススポークの方が軽くなる場合があります。
ホイール性能で最も大きな部分はリム剛性とリム重量、それとスポークの組み方です。
スポークの組み方はリムに依存するので、リムは重量だけで選ばずに形状も選択肢に入れるほうがいいわけです。
手組みホイールから分かってきたリム形状の重要性です。
カーボンリムの構造
カーボンリムはカーボン繊維で作られています。
カーボン繊維はただの布のようなもなので、繊維を樹脂で固めて作っています。
剛性はカーボン繊維のカーボンの種類と積層(厚みや繊維の向き)と樹脂によってメーカーごとに設計されて製品となっています。
カーボンの種類は価格が安く剛性が低い順にT600・T700 ・T800・・・と数字が大きくなると剛性と価格が上がります。
多くはT700からT800を使っていると思います。
東レ製品が有名ですが、ホイールメーカーがオリジナルの編み方をしたカーボン繊維を使ったりもしているので単にT700 がいいとか、T800 がいいとかということは言えません。
ちなみに私はT700のリムを使っています。
さらに、リム形状でも剛性の違いがあります。
メーカーごとにそれぞれ設計しているので大きく2つに分けてみます。
リム形状は【U型リム】と【V型リム】に分けることができます。
それぞれの特徴を解説します。
V型リム
下の画像がV型リムです。
T700カーボンを使った38㎜のクリンチャーリムです。
V型リムはごく普通のカーボンリムです。
リムの断面がV型になっているのでV型リムと私は言っています。
剛性的には不満がないリムですが、38㎜と50㎜では明らかに剛性感が違います。
38㎜は柔らかいので乗り心地などは非常にいいです。
下の画像は50㎜のチューブラーリムです。
もちろん形状はV型。
一般的なカーボンリムはV型なのでこのリムと次で紹介するU型リムを比較します。
V型リムなのがわかってもらえるかな?
50㎜ 24H リムブレーキ用 415g チューブラー
チューブラーとクリンチャーでは、チューブラーの方が軽く剛性のあるリムを作ることができます。
リムハイトも違い、リムタイプも違うこの2点では比較できませんので次のU型リムと比較します。
ホイールカーボン ロードレース 自転車 700C リム 50TL 25幅 ハプ R36 G3 ホイール カーボン ードバイク用 チューブレス (クリンチャー兼容)前後セット ホイールセットU型リム
少しわかりづらいかもしれませんが、上の画像がU型リムです。
50㎜ アシンメトリックリム 24H リムブレーキ用 420g チューブラー
V型と同じT700カーボンのチューブラーリムです。
V型と比べて幅が違うのがわかるでしょうか?
U型なのでスポークホール部分が丸く幅広になっています。
この形状だとオフセットリムで作ることができるので、ホイールを組んだ時のスポークテンションの左右差が少なくなります。
リム幅はどちらも同じワイドリムなので25㎜幅です。
重量はU型リムの方が5g重いです。
U型リムは横に少し張り出して丸く作ってるので、材料の多さなどから少し重くなります。
V型リムに比べてU型リムの特徴は
側面が丸くなっているので横風に強く剛性がある
スポーク部分の横幅があるのでオフセットリムが作れる
側面が丸くなっているので横風に強く剛性がある
V型リムの側面は平面なので風をまともに受けてしまいます。
U型リムは、丸い形状なので風を流すことで横風であおられることが少なくなっています。
これは体感できるレベルです。
スポーク部分の横幅があるのでオフセットリムが作れる
最大の特徴がスポーク部分にあります。
U型なのでスポーク部分に横幅があります。
それを利用してスポークを左(反フリー側)に3㎜オフセットすることができるんです。
スポークをオフセットすることで左右のテンションの差を小さくでき、反フリー側のスポークにもペダルからの力を伝えて仕事をさせることができるます。
V型とU型の体感での違い
あくまでも体感での感想なので、人によっては違う感想になるかもしれません。
同じタイヤで同じスポーク、同じハブでリムだけ組み替えて乗った時の感想です。
V型とU型では縦の剛性に大きな違いはありません。
乗り心地とか、踏んだ時の進み方というのに違いは感じられません。
ただ、踏んだ時の反応はU型リムの方がしっかりとした踏みごたえがあります。
これは左右非対称のスポークホールによるものだと思います。
反フリー側のスポークテンションを上げることができるので踏んだ時の反応に現れるのだと思います。
横風に対しても、明らかに体感できるレベルで影響は少なくなっています。
横剛性は多分U型の方が剛性はあるはずですが、それを体感できるほどのコーナリング技術が私にはないのでお伝えすることができません。
やはりいちばん大きな差は、左右非対称で作られたスポークホールにあると思います。
組んでいてもハンフリー側のテンションが上がるので、ホイール全体の剛性が上がります。
完組ホイールのメーカーは、リムの積層やスポークの張り方を工夫してホイール剛性を上げていってます。
まとめ
リム形状によってスポークの張り方やテンションが変わり、それによってホイール剛性が変わります。
ただし、剛性=高性能ではありません。
剛性のあるホイールが乗る人すべてに合っているとは言えないからです。
私は柔らかいホイールが好きなので、スポークテンションを下げるなどの工夫をしていたりもします。
ただ柔らかいホイールは反応が悪いので、完組ホイールではあまりそういったものはないですね。
ペダルを踏んだ時に ドンッ!と自転車が前に進んだ方がユーザーの満足度は上がります。
私のように「剛性は求めないけど、それなりのホイールが欲しい」という方は、リム形状などからそのホイールの性格を読むことも必要です。
それにはスポークの材質や本数、組み方なども見ていく必要があります。
ホイールはかなり奥が深く、商品レビュー通りの感想にならないこともあるのでこういった形状などからそのホイールがどういったものか?を想像して選択をしてみてください。
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