自動車に使われているワイパーが進化? ウォッシャーの進化?

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マツダが自動車ワイパーの進化としてBlogを更新していました。
ワイパーというよりウォッシャーの改良がメインなんじゃないかと思います。

自動車に乗る方は必ず使うワイパーですが、実は進化というほど進化していないのをご存じでしょうか?

自動車の開発(設計)技術者の誰もが、考え悩んでいるワイパー。

10年前の車も、さらに50年前の車も同じ形で同じ構造だということに疑問を感じませんか?
実はワイパーは進化していません。

100万円の軽トラも、5千万円のフェラーリも基本構造が同じなのがワイパーです。

ワイパーとセットで使用する【ウォッシャー】は進化してます。

ワイパーの構造を改良できればノーベル賞が取れるとも私は聞いたことがあります。
実際はそんなことは無いでしょうが、それほど技術者でも難しい機能がワイパーなんです。

おそらく、現時点での最終形なのかもしれません。

ワイパーについて深掘りしてみましょう。

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古くからワイパーの構造はゴムで拭きとること

ワイパーとは?と聞かれれば「ワイパーゴムでガラスをふき取るもの」と答えますよね。

この構造は古くから変わっていません。
私がもの心ついた時の車のワイパーは、今の車と同じ左右に二本のワイパーがあって、スイッチを入れると左右に動きながらフロントガラスをふき取るものでした。

ワイパーの形が変わったのが【本数】ですね。
これが進化といえるのかどうかわからないですが、ワイパーについて『おぉ~~、なんかすごいな』と思ったのは1本ワイパーになった時でしたね。

ホンダのプレリュードが初めて市販車で1本ワイパーを装備したんじゃなかったかと思います(違ってたらごめんなさい)

それまで1本ワイパーは『スーパーカー』の中にはありましたが、市販車ではなかったので1本ワイパーを初めて見た時はまるでスーパーカーを見るような気持だったことを覚えています。

1本ワイパーになっても、ワイパーゴムでガラスをふき取るということに変わりはないです。

つまり、ワイパーは昔から本数以外で大きな変化はありません。

あなたの車のワイパーも2本か1本ですよね。

ワイパーは進化していないがウォッシャーは進化している

昭和40年代のウォッシャーポンプはゴム式
昭和40年代のウォッシャーポンプはゴム式

ウォッシャーの目的は「水(ウォッシャー液)をガラスに吹き付けて汚れを洗い流す」ことです。

つまり、水を吹き付けることが目的ですが、その構造は大きく変化しています。

あなたの車ではウォッシャー液を出すときに「ウィ~~~ン♪」とモーターの音がしますよね。
電動が当たり前に思われているでしょうが、昔はモーターは使っていませんでした。
ではどうやってウォッシャー液をガラスに吹き付けていたのか?

車内にゴムのポンプがついていて、そのポンプを指で押すと押した分だけウォッシャー液が出てきます。ゆっくり押すとガラスまで届かない勢いのない噴き出しになるのでポンプを押すときは勢いよく押さなければなりません(笑)

ビュッ!ビュッ!

手動なのでエンジンをかける必要もないのでいつでも押せば水が出ます。
子供だった私は、車内にいる時に面白がってプシュプシュやって水をカラにして怒られたことがあります(笑)

その後、手動から電動に代わっていきます。今のシステムが出来上がった時代ですね。

あなたの車のウォッシャータンクはプラスチックですか?ビニールの袋ですか?

白いプラスチックに決まってるじゃない

昔のウォッシャータンクはビニールの袋だったんだよ

手動ポンプから電動でウォッシャー液をガラスに噴射できるようになったのは、50年くらい前だと思います。当時は自動車もそれほど普及していない時代なので、クラウンなどの高級車ではそれよりも前に電動になっていたのかもしれません。

サニーなどの大衆車(それでも当時の普通車は高級車)はまだポンプ式でした。
初めて見たのはスカイラインだったかな。

モーターを使っていても、今のようなプラスチックタンクではないんですね。
ビニールの袋にモーターがついていてエンジンルームにぶら下げてあるだけのものです。

今でも販売されていますね。

【カンガルーバッグ】と言われていました。
当時のビニールなので穴が開いたりして水漏れがよくありましたね。今ほど材質がよくなかったですから。
真冬は、バッグの中で水がカチカチに凍っていたりもしました(笑)

ビニールバッグから今のポリタンクに変わったのが昭和50年に入ってからだと思います。
タンクの進化はここで終わってます。エンジンルームが密になってくると、フェンダーの中にタンクを入れたり、バンパーの中に入れたりと取り付け場所は変わりましたがタンク構造に変わりはありません。

ウォッシャーの吹き出し位置

マツダが新しく【MAZDA3/CX-30/MX-30】に搭載したとされるワイパー&ウォッシャーの作動動画です。

ワイパーの違いはないけどウォッシャーの出方は違うね

ウォッシャーがワイパーから出てるんだよ

ワイパーの動きに大きな違いはありませんが、ウォッシャー液の出方が大きく違うのがわかると思います。

一般的には、ボンネットなどにウォッシャーノズルがついていて、ガラスに向かって噴射します。
噴射している間は視界が妨げられるので、運転条件としてはいい条件とは言えません。

一般的なウォッシャーノズル
一般的なウォッシャーノズル

一方の新型車両に搭載されるウォッシャーはワイパーアームにノズルがついていて、ワイパーゴムで拭きとる位置に限定して噴射しています。
ワイパーの作動箇所でウォッシャー液が噴射されているので、ワイパー以外が視界を遮ることはありません。

とはいえ、このシステムは新しいものではないです。
意外と古くからあるので、自動車業界の人間にとってはあまり新鮮味はありません。

私が乗っている「三菱 アイ」はワイパーアームからウォッシャー液は噴出します。

三菱 アイ のウォッシャーノズルはワイパーアームに3カ所ある
三菱 アイ のウォッシャーノズルはワイパーアームに3カ所ある

このシステムは、ウォッシャーを使っているときの視界が妨げられないので非常に有効です。

マツダの動画でもわかると思いますが、ウォッシャー液が視界を妨げてないですよね。

ワイパーのふき取り範囲の拡大

ワイパーのふき取り範囲は広ければ広いほうがいいです。

そのためにワイパーゴムは左右で長さが違います。

運転席の方が長いですよね。

三菱のアイなど、数は少ないですけど1本ワイパーの車があります。

これにも意味があって、2本のワイパーだと助手席側のワイパーが残した水を運転席のワイパーが拭き取る必要がありますが、1本だとそれが無いので、拭き残しによる視界不良を無くしています。

しかし、助手席側を拭きとる範囲が少なくなるので、メルセデスはワイパーアームが伸縮するものを装備していました。

助手席側を拭くときはワイパーが伸びて、運転席側は縮む不思議な動きをしているワイパーです(笑)

本数が少なくなっても、ワイパーを左右に動かしてワイパーゴムで窓を拭くという構造は変わっていません。

ワイパーの格納場所

マツダが採用した、カウルパネル内にワイパーを収納するというのも以前からありました。

今考えると「最近は減ったなぁ」という印象ですが、高速走行の時にワイパーが風圧でバタバタと動くことがあったのですが、ワイパーアームに取り付けてあるスプリングが強くなったのか思い返せば今はそういったこともないですね。

それ以外にも、ワイパーアームに走行風が当たって風切り音がして気になることがあります。

カウルパネル内に収納すれば、風切り音は防げます。

ガラスにつく水滴を無くす機構を考えてみては?

ここまで書いたように、ワイパーはほとんど進化していません。

多くの乗り物のワイパーはアームでワイパーゴムを動かして拭き取るという構造になっています。

飛行機もそうですよね。

船にはワイパーを使っていないものもあります。

【旋回窓】です。

円盤状のガラスを中心にあるモーターで回転させて『遠心力』で水滴を弾き飛ばすというものです。

旋回窓はデメリットの方が多いので、今では車と同じワイパーになっていると思います。

今のワイパーの形を変えて、走行に影響のないワイパーを考えると、世界中の自動車メーカーが採用すると思います。

『新方式のワイパー機構を考えるとノーベル賞』とも言われたこともあります。

エアーカーテン
永久的な撥水方式 など

方法はありますが、今よりも複雑な構造になるのでどうしても「ゴムで拭きとる」というところに着地してしまうんですよね。

どうですか?

あなたも考えてみませんか?

一攫千金のアイデアはワイパーにありますよ(笑)

まとめ

普段何気なく使っているワイパーを深掘りしてみました。

ワイパーは、わずかに改良されたりしていますが、基本的な構造は変わっていません。

将来にわたって、この構造であるとしたら「完璧な機構」ということになります。

理想はワイパー機構を必要としない構造だとおもいますが、撥水剤があっても永久ではないというデメリットがありますし、低速では効果がありません。

ハスの葉っぱの表面は永久的な撥水効果があると言われていますが、ガラスメーカーはいまだにそれができていませんね。

ワイパーを無くすという研究開発をやっているかはわかりませんが、私が生きている間にそういった構造を見てみたい気もします。

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