【人馬一体とは?】ロードスターのエンジンは非力だから楽しい やわらかいアシが楽しい

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ヤフオクで以下の質問を受けたので、こちらで回答させていただきます。

  1. 1600㏄のエンジンは非力ですか?
  2. 足回りについて

こういう質問はロードスター乗りがいちばん喜ぶ話題なんじゃないかと思います。

質問欄に回答するのももったいない話題なので、Blogネタにさせていただきます。

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ロードスターという車は人馬一体・・・これが回答のすべてです

今回の質問に一言で答えることができます。

【人馬一体】

おそらく、ロードスターオーナーならこの一言で「そうそう」と納得されるかと思います。

しかし、ロードスターに乗ったことがない方にとって「人馬一体」と言われてもまったくイメージがつかめませんよね。

私も馬には乗ったことがないので「人馬一体」がロードスターにふさわしいのかはわかりませんが、イメージとしての人馬一体はロードスターにふさわしいと思っています。

では、ロードスターの人馬一体とは?

オートバイ乗っていた方がロードスターに乗ると「これは楽しい」と言われます。

バイクと感覚が近いんですよね。

オープンカーなので、風を感じやすいのもあるかと思いますが、それだけじゃないんですよね。

オートバイのように『操る楽しさ』があるのがロードスターの楽しさです。

では、オートバイに乗っているとき、いちばん楽しいのはどんな時でしょう。

  • 体で風を感じるとき
  • コーナリング時
  • レスポンスが早いエンジンの鋭い加速

多くの方は「コーナリング」だと思います。

私もオートバイを手足のように操れた時がいちばん楽しい瞬間でした(下手なりにです)

車体をグッと倒してゆっくりとアクセルを開け、ひらひらとバイクを倒しながら加速できる瞬間は「車体との一体感」があってとても楽しかったです。

こういう感覚がロードスターにはあるんです。

そこには排気量は関係ないはずです。

原付きでも楽しいでしょうし大型バイクでも同じように楽しめるはず。

乗りこなせることができる・・・これが【人馬一体】って感覚だと思います。

マツダがロードスターに求めていたのは、車が手足のように操れる感覚なんです。

エンジンは非力なのは間違いない

ロードスターが国内で発売されたのは平成元年。

その約1年前に「ミアータ」として、海外で先行発売されています。

つまり昭和62年ごろにはミアータとして売られていました。

積まれていたエンジンはファミリアのエンジン。

つまり新しく開発されたエンジンではなく、すでにあるエンジンをFRとして乗せたのが初代の1600㏄ロードスターです。

ロードスターのために開発されたエンジンではないのでパワーはありません。

とはいえ、ロードスターにはピッタリなパワーだということは乗ればわかります。

ハッキリ言うと、エンジンパワーが欲しいならロードスターには乗らない方がいいです。

日産のSRターボとか、ホンダのV-TECに乗った方が絶対に幸せになれます。

エンジンをチューニングしても、小排気量ではどうにもならないです。

エンジンコンセプトがファミリーカー用なら、どんなチューニングをしても大パワーを望むことはできません。

パワーがないからこそ、フルに使って走ることができます。

それがどれだけ楽しいのかということは、ロードスターに乗らないとわかりません。

SRターボやV-TECのパワーをフルに使って走るのは簡単ではないですが、ロードスターのエンジンパワーは使い切ることができます。

それも【人馬一体】という感覚に近いからではないでしょうか。

フルバランスエンジンをやめたわけ

1600㏄のB6エンジンに乗っていると、もう少しパワーがあった方が楽しそうと、誰でもおもうことでしょう。

もちろん私もそう思っていましたが、パワーよりももっと素直に回るエンジンにしたかったんです。

B6エンジンは古いエンジンですし、スポーツカー的なエンジンではありません。

回転も重めなんで、もっと軽く回るエンジンに乗せ換えようということで作りました。

フルバランスのエンジンを。

排気量は1600㏄のまま。

載せ替えて思ったのは「軽く回るからといっても面白くない」。

パワーやトルクのおいしいところが回転の上の方なんですよね。

まぁ、はじめからわかっていたんですけど、回さないと楽しめないエンジンなんですよ。

街中でエンジン回しきってる車見たらドン引きしませんか?

もちろんレブにあてるような回し方はしませんけど、5000とか6000rpmとか回すと楽しいエンジンなんて街乗りでは使いにくいと思いませんか。

モチロン、それ以下でも走るんですよ。

ぜんぜん走るんですけど、それってフルバランスのエンジンでなくてもいいんじゃないですか?ってことです。

ノーマルエンジンだと3000とか4000rpmでとても楽しく走れます。

ということで、そのエンジンはすぐに降ろしてノーマルに乗せ換えました。

ストリートでパワーはいらないです。

ノーマルがいちばん。

メーカーが「誰でも乗りやすい車」を作ってくれているんだから・・・。

ちなみに、パワーはいらないといっていますが、ロードスターに乗る前は13Bロータリーのサイドポートフルチューンエンジンに乗っていたので、有り余るパワーは経験済みです。

さらにその前は2T-G の1750㏄のフルチューンエンジンに乗っていたので、よく回るエンジンも経験済みです。

さらに何人もの知人は日産のL型フルチューンエンジンに乗っていたので、高トルクの車も経験済みです。

パワー大好きな私が、パワーがいらないと初めて思ったのがこのロードスターです。

非力なエンジンパワーでハイパワーの車を追い回す

たった120馬力のエンジンで、ハイパワーの車を追い回すことができるのもロードスターの楽しさです。

もちろんサーキットでの話ですよ。

スズカのような、国際コースなどではターボ車などのパワー車を追い掛け回すのは難しいですが、一周1.5㎞とかのミニサーキットだとノーマルエンジンのロードスターでも負ける気はしません。

その秘密が足回りにあります。

ロードスターはWウイッシュボーンです。

Wウイッシュボーンはアライメントの変化が少ないです。

アライメントの変化がすくないと、コーナーでの車の挙動が安定します。

進入から脱出まで、おなじイメージで曲がることができます。

少しわかりやすく言いますね。

ロードスターは、ノーマルのアライメントは弱オーバーステアにしてあります。

つまり、ハンドルを切ると内側に入っていきやすいので、曲がりやすい車です。

ほとんどの車は弱オーバーステアで作ってあるのは言うまでもないですが、Wウィッシュボーンはコーナー途中で違いがあります。

ブレーキで減速しながらコーナーに入る、いわゆるスローインでの進入です。

このときにオーバーステアなので、自然に車はカーブの内側に入っていきます。

次にファーストアウトで、アクセルを踏みながらコーナーの出口に向かいますが、ロードスターは弱オーバーステアのままコーナーを抜けることができます。

普通の車はそういう動きをしません。

ファーストアウトで、アクセルを踏みながらコーナーを抜けようとすると、オーバーステアがだんだんと強くなってきます。

そのままだと曲がりすぎてしまうので、自然とアクセルを抜くことになります。

これはFR車の特性で、後輪にエンジンパワーをかけると、押し出す形になるので自然とオーバーステアになるんです。

FR車はオーバーステア、FF車はアンダーステアです。

Wウィッシュボーンの足周りのロードスターは、パワーをかけてもアライメントの変化が少ないので、ず~~~っと弱オーバーステアで曲がることができます。

もちろん、パワーをもっとかけるとオーバーステアになってしまいますが、その限界点がWウィッシュボーンの足回りと、普通のストラットタイプでは違います。

このWウィッシュボーンの特性を生かしてサーキットでは弱アンダーのセッティングにします。

曲がらない車を非力なエンジンパワーのすべてを使って弱オーバーステアでコーナーを攻めるわけです。

非力なエンジンと、とてもよくできた足回りがあるからこそ、ミニサーキットでハイパワーの車を追い掛け回すことができるというわけです。

私が車高調を入れなかった理由はストリートだから

車の足回りを固めるのは、チューニングの第一歩といえます。

ほとんどの方は【車高調】を入れてバネレートを上げることが一般的ですが、私はあえて車高調を入れていません。

ナゼだとおもいますか?

それは、使うステージが街乗りだからです。

街乗りでかたいアシはいりません。

私が欲しい足回りは、マンホールなどの継ぎ目を軽くいなしてくれるアシです。

つまり、ノーマルよりわずかに硬いスプリングと、ノーマルよりもしっかりと減衰してくれるショックがあれば私はそれでいいんです。

というか、そういうアシが欲しい。

それが【TEIN NA】なんです。

TEINのNAのスプリングは、ノーマル形状のいわゆる「ダウンサス」です。

スプリング長が短いので、ノーマルショックにつけるとリヤが底づきするのでショートタイプのショックにつけなければなりません。

ダウンサスとショートストロークの組み合わせで発売されたのがNAです。

同時に発売されたのがNRですが、NRはショックの減衰調整がありません。

NAは16段調整なので、好きな減衰力に調整することができます。

サスペンションの縮み側はスプリングがほとんど受け止めます。

ショックは伸び側の制御なので、私が欲しいのは「やわらかく沈むスプリング」と「ゆっくりと戻りながら次の動きを邪魔しないショック」です。

これに見合うアシは他メーカーにもあったんですけど、まず高いのと車高調なのでバネをどうしても固くしないとダメなことです。

直巻きスプリングは動きが素直すぎるので、やわらかいスプリングを入れても跳ねることがあります。

それがイヤ。

だからできればノーマル形状のスプリングにしたかったわけです。

サーキットメインで走るのであれば、素直に車高調を入れてましたけど、私の走るメインはストリートなので車高調の性能が発揮できるステージとは違います。

ノーマル形状のダウンサスにそれに見合ったショックアブソーバーの組み合わせで作ってくれていたのがTEINのNAなんです。

ノーマル形状のアシは車の動きがすごくよくわかる

ミニサーキットをノーマル形状の車で走ると、車の動きが手に取るように分かるようになります。

ブレーキの加重移動もすぐに理解できるし、フロント荷重にすればフロントタイヤのグリップが上がってコーナリングしやすいというのもすぐに理解できます。

10㎏/mmとか12kg/mmとかのバネレートだと、スプリングを縮めるだけのブレーキングができないとアンダーステアが強くで曲がれません。

コーナー入り口でアンダーが強いという方はだいたい加重移動ができていなかったりするんですよね。

レートの低いスプリングだと、加重移動もカンタンなので、サーキット初心者にはやわらかいアシがおすすめです。

じつはNAサスはミニサーキットでも十分に使えるサスペンションなんですよ。

人馬一体

ロードスターに求めていたのは【人馬一体】。

馬に乗ったことがない方でも、ロードスターに乗ればこのニュアンスは伝わるはずです。

そのくらい印象に残る車がロードスターです。

特にNAロードスターは、それを強く感じる車だとおもいます。

初心者が乗っても、運転のベテランが乗っても、プロのレーシングドライバーが乗っても「オモシロイ」「楽しい」と思ってくれる車がロードスターです。

エンジンパワーがなくても優れた足回りがあります。

直線では遅くてもコーナーで車間を詰めることができる車です。

ミニサーキットを走ってみるとよくわかります。

直線で離されても、コーナーでビシッと後ろに付けることができますから。

ワインディングでも風を受けながら、オートバイのようにコーナーを駆け抜けることができます。

「こんなに運転うまかったっけ?」と勘違いすることができるのがロードスターの魅力です。

車のヒラヒラ感を感じることができるのは「非力なエンジンパワー」と「優れた足回り」のNAロードスターだからです。

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