ハイオクガソリンの混合輸送 レギュラーガソリンのバーター取引について

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毎日新聞が「ハイオクガソリンは他社製品と混合輸送されていた。 独自開発と言いつつ他社の製品と混ざったガソリンをガソリンスタンドに配送していた」という記事を書いています。

毎日新聞 「青天のへきれき。ごちゃ混ぜだったなんて」 ハイオク混合 ブランド信じた消費者を裏切り

またヤフーニュースでは
【ハイオクガソリン、実は混合 「独自開発」のはずが…20年前から各地で】
という見出しで記事を掲載しています。

ハイオクガソリンの混合配送とはどういう意味なのか?
レギュラーガソリンのバーター販売とはどういうことなのか?
を解説します。

結論としては、消費者としては気にすることではありません。
安心して、いつものガソリンスタンドで燃料を入れてドライブを楽しんで下さい。

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ハイオクガソリンの混合配送を解説 

ガソリン流通イメージ
毎日新聞より https://mainichi.jp/graphs/20200627/mpj/00m/040/004000f/2

原油を精製することでガソリンや軽油、暖房に使う灯油などができるのはご存じですよね。

精製は製油所で行います。
ガソリンメーカーは数多くありますが、製油所というのはかなり少ないです。

各メーカーが独自の製油所を持っているということはありません。

最近、国内の石油各社が合併してガソリンスタンドからブランドが消えているのをご存じですか?

シェルと出光が合併し「出光昭和シェル」になっていますし、ENEOSもコスモ石油も合併して今の会社となっています。

これには製油所の関係もあるんです。
自社の製油所がない会社は、製油所に販売するガソリンなどを作ってもらっています。

一つの製油所で、何社かの燃料を製油するわけですが、それを入れるタンクの数も容量も限られています。
燃料は液体なのでタンクに入れないといけなくなりますが、そのタンクが無くなると保管ができなくなります。
そうなると他社のものが入ったとしても同じハイオクのタンクに入れちゃうわけですね。(これは本来やってはいけないことです)

もちろんレギュラーガソリンのタンクにハイオクを入れたり、その逆のハイオクガソリンのタンクにレギュラーガソリンを入れるなんてことは絶対にありません。

独自で開発した製品を、他社の製品と混ぜてしまうのはいけないことなのですが、タンクの数も容量も限られてしまっているので、そういうことをやってしまったんでしょうね。

そして、混合配送してしまった要因は、レギュラーガソリンのバーター取引きにあると私は考えています。

レギュラーガソリンのバーター取引きを解説

ハイオクガソリンは石油各社が性能を宣伝して販売していますが、レギュラーガソリンでは一切ないですよね(笑)

それは、昔から違うメーカーでも同じタンクから配送していたからです。
例えばシェルのガソリンも、出光のガソリンも同じ製油所で作られたレギュラーガソリンは同じタンクからガソリンスタンドに配送されています。

このことは多くの方が知っている事実のはずです。

○○石油の製油所で△△石油のレギュラーガソリンも、××石油のレギュラーガソリンも同じタンクから配送されていました。

おそらくこの流れで「ハイオクも同じでいいだろ」ってなっちゃったんじゃないのかと思います。

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そもそもハイオクガソリンって何なの?

ハイオクガソリンはレギュラーガソリンよりも数十円高いガソリンですね。
高いガソリンなので【高級品】だと思っていませんか?

そう思ってる方は間違ってますよ。

レギュラーガソリンよりも高いガソリンですが【高級ガソリン】ではありません。

今日は給料日だから、いつものレギュラーガソリンじゃなくてハイオクを入れよう。

こんなことやめてくださいね。
レギュラーガソリンの車には、給料日でもレギュラーガソリンを入れてください。

ハイオクガソリンは高級なガソリンじゃないからレギュラーガソリンの車に入れるのはダメ!

レギュラーガソリンの車にハイオクを入れるのはただの無駄遣いなのでやめましょう。

ハイオクとレギュラーは、オクタン価が違うガソリンなので、考え方としては違う種類のガソリンだと思っていいです。

ハイオクとレギュラーの違いであるオクタン価を解説

レギュラーガソリンは標準タイプのガソリンなので【レギュラー】です。

ではハイオクは?
【ハイオクタンガソリン】だからハイオクです。

オクタン価がレギュラーガソリンよりも高いという意味です。

ではオクタン価とは?

簡単に言うと【燃えにくいガソリン】です。

燃えにくいからと言って火をつけたらダメですよ。
ガソリンなので爆発する危険なものです。

エンジンの構造はガソリンと空気の混合気を圧縮したところに火をつけて、高圧の爆発エネルギーを生み出します。

エンジンを高性能に作ろうとすると、大きな爆発させるために空気をたくさん使います。
たくさんの空気を圧縮すると高温になり、自然にガソリンに火が着いてしまうことがあります。
これがデトネーションと言われるものです。
【早期着火】ですね。

エンジンには決まったタイミングで混合気に火をつけたいのに、早期着火でタイミングがずれて燃焼されてしまうと得られるエネルギーは小さくなります。
これでは高性能エンジンとは言えません。

そこでハイオクガソリンの出番です。

「燃えにくいガソリン」を使えば、早期着火を防ぐことができます。

ハイオク仕様のエンジンは、燃えにくいガソリンを使わないと本来の性能が出ないということです。

では、レギュラーガソリンは?

オクタン価の低いレギュラーガソリンは、ハイオクガソリンに比べて燃えやすいガソリンと言えます。

レギュラーのオクタン価は92くらいで、ハイオクは102~104くらいが市販のガソリンのオクタン価だと記憶しています。
アブガスというレース用のエンジンに使うレースガソリンは112くらいのオクタン価だったはずです。(少し記憶があいまいです)

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混合されたハイオクガソリンを使っても問題ないの?

違うメーカーのハイオクガソリンが混合されていれば「○○石油のハイオクが欲しい」という方には悲しいお知らせとなってしまいますが、性能には問題ありません。

オクタン価のところでもお話ししましたが、ハイオクガソリンの本来の目的は【オクタン価】にあります。

国内のハイオクガソリンでは、オクタン価は102以上あるのでハイオク仕様の車両に入れても問題ありません。

もし、混合されたハイオクでエンジンが壊れたり、不調になるようなら自動車メーカーはガソリンメーカーの指定をしなければならなくなります。

長距離ドライブした時に、いつものメーカーのガソリンスタンドが無かったら違う石油会社のガソリンを入れますよね。
それが原因で壊れないでしょ。

混合されたハイオクでも問題はありません。

ただし、混合されたハイオクだと本来の性能がなくなるかも

各メーカーがハイオクガソリンの開発で重視したのが洗浄性能とか燃費性能です。

独自の添加剤をブレンドして、洗浄性能をレギュラーガソリンよりも高性能にしています。

ブレンドされたことによって、洗浄性能などオクタン価以外の部分では本来の性能は保証されません。

石油小売店は、ハイオクガソリンを売るためにこの部分をセールストークとして前面に押し出しています。
混合ハイオクではこの部分が虚偽となってしまうので良くないことです。

6月29日追記
どうやらコスモ石油とエネオスのハイオクガソリンには洗浄成分に対する添加剤は入っていないようです。

コスモがハイオク虚偽表示 洗浄添加物なし、10年以上サイトに 景品表示法違反恐れ

HPの記載も修正されています。

コスモ石油マーケティング株式会社 HPの記載修正について

シェル石油のハイオクに関しては洗浄成分の添加を特徴としています。
またシェル系列は混合輸送していないということなので、洗浄成分で選ぶならシェルがおすすめです。

Shell V-Power

まとめ

石油小売り各社が洗浄性能などを【売り】にしていたハイオクガソリンが、混ぜ合わされていたということが公開されました。
良くないことです。

すべてのガソリンメーカーで行われていたわけではないようですが、使っても問題ありません。

ハイオクガソリンが他社製のものと混ざっていても影響はありません。

洗浄性能などにおいては本来の性能が発揮されない可能性はありますが、基本性能は同じです。

これによってエンジンが壊れることや不調になるなどはあり得ないので記事の内容をあまり気にすることのないようにしましょう。

ハイオク仕様の車にはハイオクガソリンを使い、レギュラー仕様の車にはレギュラーガソリンを必ず使ってください。
指定以外のオクタン価のガソリンを使うのはよくないです。

「レギュラー仕様の車はときどきハイオクを入れるといい」というのは間違いです。
洗浄性能においてそういうことを言う方がいますが、エンジン内部の洗浄にはケミカルを使いましょう。
ハイオクガソリンをつかうよりも効果的にエンジン内部を奇麗にしてくれます。


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