自転車のペダルを取り外すときに、クランクがクルクル回って力が入らない時がありますよね。
苦労されてる方も多いのではないでしょうか?
時には『もういい』ってあきらめたりとか…(笑)
今回は、クランクをゆるめる時の作業方法をご紹介します。
カンタンなやり方から、難易度のかなり高い作業方法まで3つの方法をご紹介します。
いずれも少しコツが必要ですが「クランクが回ってしまってゆるめることができない」というイライラからは解放されるはずです。
ペダルを緩める方向に回すとクランクも一緒に回る
ペダルを外されたことのある方はイライラしたことがありますよね。
ペダルは右側が正ネジになっていて、左側は逆ネジになっています。
ペダルを踏む方向にネジが締まるということです。
これは、走行中にゆるまないように正ネジと逆ネジを回転方向に合わせて作ってあります。
この構造から、ペダルを締め付けるのはとても簡単ですよね。
ペダルレンチをかけて、自転車のブレーキを握って動かないようにしてペダルレンチを自転車の駆動方向に回してあげると締めることができます。
駆動方向なので締め付けは簡単です。
反対に緩める方向の場合は、フリーが空転するので苦労しちゃうわけです。
力を入れるとクルクル回るクランクをどうにかできんのかね?
コツがあるから最後まで読んでいってね。
でも安心してください。
コツをお教えします。
3つのやり方がありますが、1つはペダルレンチの角度とペダルの角度が合わないとできないので、実際は2つのやり方ということになります。
歩道の縁石やブロックなどを利用してクランクを固定する
作業難易度 ★
完全固定ができる方法です。
固定したい方向のペダルの下に、ブロックなどのしっかりとした台を置いて固定します。
緩めたいペダルの下でもかまいません。
20㎝くらいの高さのあるしっかりしたものを用意します。
ブロックでも、歩道の縁石を利用してもいいでしょう。
左側のペダルをゆるめるのであれば、右のペダルを後ろ側にしてペダルを用意したブロックなどに乗せます。
クランクを乗せると傷がつきますから必ずペダルを乗せるようにしましょう。
ペダルもキズが付くのでウエスなどで保護した方がいいかもしれません。
こうやると緩める方と反対側のクランクが固定できますね。
自転車をしっかりと固定して、左のペダル軸を右に回せばゆるめることができます。
ブロックや縁石を使えば簡単なのでやってみてください。
動画も用意していますのでご覧ください。
動画の終わりの方で、緩めたいペダルの下を固定してそのペダルを踏んでゆるめるという方法を紹介しています。
この方法がいちばん自転車が安定して力を入れることができると思います。
ペダルレンチが使えないペダルなどはこの方法がいいかもしれません。
反対側のクランクを足で固定する
作業難易度 ★★
最も手軽な方法です。
道具もペダルレンチ一つで外すことができます。
これでできなければ次の作業方法で外すことができます。
緩めたいペダルの反対側のペダルを足で踏んで固定します。
反対側が回らなければゆるめることができるので、足で固定してしまえばいいわけです。
この時、足で踏むクランクは真下じゃないほうがやりやすいです。
クランクが真下にあると、意外と力が入りにくいので3時の位置とか9時の位置あたりがいいかと思います。
立ち位置が緩めたい方の反対側になるので、自転車に覆いかぶさる体勢になります。
それを利用して、トップチューブやサドルを体で固定すると自転車が安定してやりやすいです。
このやり方でのポイントは、足でクランクを踏みつけるタイミングと工具で緩めるタイミングを合わせることです。
工具で緩める方が、工具の長さの影響もあって力が入りやすいので足での固定ができなかったりします。
グッと踏んだ瞬間にペダルレンチに力を入れるようなイメージでやるとうまくいきます。
条件が合えば楽に外せる方法
作業難易度 ★★★
この方法はなかなかいい場所が見つからないので、イライラするかもしれません。
クランクは、力の入力方向によって回らずに固定される位置があります。
それは、ペダルレンチへの力の方向とクランクが回りにくい方向がピッタリと合ったときに緩めることができます。
言葉で表現するのはとてもむつかしいのですが、クランクが逆回転しない位置があるんです。
ペダルレンチで一度やってみていただけると理解できると思いますので、挑戦してみたい方はやってみてください。
360度でクランクの位置と、ペダルレンチの角度が合うと結構大きな力をかけることができるはずです。
まぁ、できないこともあるので前述の2つの方法が簡単ですね。
それでも外せない場合は・・・
新車の自転車は、やたらペダルが強く締めつけられています。
自転車屋さんは渾身の力で締め付けてるのでしょうか?
『二度とゆるめることはない』とでも思ってるのでしょうか?
とにかくゆるめるのに苦労します。
ときどき、自転車につけた状態では力が入らずに緩められないということがあります。
そんな時は、取り外してバイス(万力)でクランク単体を固定してゆるめます。
バイスに挟んであれば、かなり大きな力をかけることができますから、だいたいこれでゆるめることは可能ですね。
締め付けも力いっぱいじゃなくて、ほどほどにしてほしいですね。
ペダルの取り付けにはワコーズのスレッドコンパウンド
グリスをつけて組むのも間違いではないですが、こういう個所はスレッドコンパウンドがおすすめです。
固着やサビから守ってくれるので、取り外すときに助かりますよ。
ペダルレンチの選び方
ペダルを外すのには、力の入れ方にコツがありますが工具選びが何よりも大切です。
私が使っているのは『Park Tool PW-5』ですが、この工具はあまりお勧めできません。
理由は、ホームメカニック用で材質が柔らかすぎます。
そのうえ価格も高いので、HOZANのペダルレンチの方が間違いなく高性能です。
鍛造で工具の強度があるので安心して力をかけることができます。
こちらのAZのものは、直角に作られたスパナがかなり役に立ちます。
ペダルと工具の角度が合わない時に、こういった変化球が役に立ちます。
鍛造なのもいいですね。
買うならHOZANかこのAZのものをおすすめします。
動画で解説
まとめ
ペダルを取り外すときのクランクの空転でイライラした経験のある方は多いと思います。
コツさえつかめば、イライラから解消されてペダル交換が楽にできるようになります。
反対側を足で踏んで固定する方法は、踏む力と緩める力のタイミングがポイントです。
またクランクの位置は真下ではないほうがやりやすいですね。
ブロックなどで固定する方法が、最も確実に固定できるのでおすすめです。
動画では車載のパンタグラフジャッキを使っていますが、ブロックや歩道の縁石などが動かないので楽にできます。
反対側を固定するだけではなく、ゆるめる方を固定することもできます。
ブロックにはクランクを乗せてしまうと傷がつくので、ペダルを乗せるようにしましょう。
ペダルは比較的傷だらけなので、気にしない方がほとんどだと思いますが、気になる方はウエスなどで保護して作業すれば大丈夫です。
新車などを買って、自転車屋さんにペダルをつけてもらうと強く締めつけすぎている場合があります。
できれば、自分の力で締め付けるようにすれば、自分の力でゆるめることができます。
ペダルレンチを用意して、ぜひ自分で脱着できるようにしましょう。
『ペダルなんてめったに外さない』という方はすでに固着しているかもしれませんよ。
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