ロードスター、特にNA型のクラッチでよくあるトラブル(?)にクラッチペダルからの異音に悩まされることがあります。
「クラッチペダルのあたりでネズミが鳴いている」・・・「チューチュー♪」
「クラッチを踏むと子猫が鳴く」・・・「ニャーニャー♪」
みたいな感じです。
あなたのロードスターではこの症状は出ていませんか?
これはクラッチマスターからの異音で、オーバーホールすることで直ります。
オーバーホールは意外と簡単ですが、エアー抜きができない方はプロにまかせましょう。
エアー抜きに挑戦してみたい方は、クラッチオイルで経験を積むのもアリです。
ブレーキだと止まれなくなることで事故につながりますが、クラッチだと動けなくなるだけです。
ただし、できないと動かすこともできなくなるので修理工場まで運ぶことが困難になるかもしれません。
初めて挑戦してみようという方は、経験者の補助のもとでやったほうがいいです。
私のロードスターのクラッチラインのオーバーホールをしたので作業内容をご紹介します。
クラッチマスターのオーバーホールで使用する工具
マスターを取り外しから分解までに必要な工具とケミカルです。
- 12㎜のソケット
- ラチェットレンチ
- 長いエクステンション
- 10mm のフレアナットレンチ
- スナップリングプライヤー
- ラバーグリス
- ブレーキオイル
これだけの工具があればクラッチマスターのオーバーホールをすることができます。
フレアナットレンチはスパナでも代用することができますが、ナメてしまうとパイプ交換をすることになるので、必ず専用のフレアナットレンチを使うようにしてください。
フレアナットはメーカーもののレンチを使った方がいいです。
サビついていて緩めるにくい場合があります。
めったに使う工具ではないですが、メーカーものの専用ツールを使うと安心して作業ができます。
安物を使ってはダメな箇所です。
クラッチマスターを車から外す
まずはクラッチオイルを全部抜きましょう。
マスターをゆるめる前に10㎜のフレアナットレンチを使ってパイプを外してください。
その後、クラッチマスターを車体から取り外します。
クラッチマスターは12㎜のナットで固定されています。
エンジンルーム側に1本、室内に1本です。
室内はペダルの奥なので見えにくいと思いますが、長いエクステンションを使えば楽に外せます。
外したら洗浄
マスターシリンダーを外したら分解します。
シールの向きや順番をよく見て、忘れないようにしてください。
とくにシールの向きは間違えやすいポイントです。
分解したらきれいに洗います。
パーツクリーナーで洗えば早いですが、私は水で洗っています。
乾燥に時間がかかりますが、オイルタンクの底の方にたまった汚れを流すのには水がいちばんです。
クラッチオイルが汚れる原因
同じオイルを使っているのになんでブレーキオイルよりクラッチオイルの方が真っ黒になるのでしょう。
あの黒くなるのは、ピストンに使われているシールのゴムの色です。
クラッチは踏むとマスターシリンダーの中でシールが大きく動いています。
同じようにレリーズシリンダーでもシールは大きく動きます。
シールがシリンダーに擦れればすり減るのでオイルが黒くなるということです。
黒くなっても異常ではないですが、オイルの量がわかりにくいので定期的に交換しましょう。
シールを組んでいく
シリンダーが乾いたらシールを組付けましょう。
使うグリスは「ラバーグリス」を使います。
シリコングリスでも大丈夫ですが、ブレーキオイルに溶けやすいラバーグリスの方が適しています。
バラした時と同じように組み付ければOK。
シールの向きは間違えないように。
ラバーグリスはシリンダーの内側にまんべんなく塗った方がいいですが、細くて深いので指では奥の方が塗れないかもしれません。
わたしはコンビニでもらえるプラスチックのマドラーを使って塗っています。
車につける前にエアー抜き
マスターシリンダーは、シリンダー単体でのエアー抜きが必要です。
これをやらないと車につけた後でもエアーは抜けません。
シリンダーの中でエアーが行ったり来たりして、ペダルを踏んでもオイルを送ることができないです。
シリンダーのエアー抜きは、タンクにオイルを入れてピストンを押します。
ピストンを戻すときに、オイルの出口を指でふさぎます。
ピストンを押すときは指を離す。
これを繰り返すと水鉄砲のようにオイルが出てきます。
ブレーキフルードはDOT3 で十分です。
DOT規格が高くなれば、吸湿性も上がるので交換時期が早くなります。
ただし、メーカー指定がDOT4になっているものは指示に従いましょう。
シリンダー取り付けのポイント
シリンダーを外すと、クラッチペダルのロッドが下がってしまってうまく入りません。
エンジンルーム側からのぞくと、プッシュロッドが見えるはずです。
ズレてしまったロッドをマスターシリンダーの中心部の位置で固定します。
室内側からロッドを少し持ち上げればいいので、ペダルとの隙間に段ボールで台を作ると一人で入れることができます。
2人でやればペダルを踏んでもらうと、エンジンルーム側で位置が合わせやすいです。
まとめ
クラッチマスターとレリーズは同時にメンテナンスしましょう。
レリーズの方のオーバーホールは、マスターより簡単です。
もちろん洗浄とグリスは必要ですよ。
クラッチラインはオイル漏れを見逃すことがよくあります。
点検しているつもりでも、真っ黒なタンクでは本当に入っているのかわかりません。
クラッチオイルは必ずふたを開けてオイルを直接点検してください。
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