ロードバイクに乗っていて、ストレスになるのが【異音】です。
あなたのロードバイクは異音が出ていませんか?
『トルクをかけた時に異音が出る』というロードバイクが入庫したのでBBを交換しました。
BBからの異音が確定したわけではないのですが・・・。
BBを分解したら「BBからの異音で間違いないだろう」と思えることがあったので異音が出る理由を解説しました。
ぜひ最後まで読んでください。
ボトムブラケットのメンテナンスの役に立ちますよ。
ロードバイクの異音で最も多いのがボトムブラケット
異音で思いつくのがボトムブラケット(以下記事内ではBB)。
異音はいろいろな場所から出るので、BBと思いこむのもよくないですが、まずはBBを疑って点検していくのが普通です。
他に異音が出やすい部分としては『シートポスト』『ハンドル』『ペダル』『カセットギヤ周り』があります。
シートポストやシートレールからも異音が出ます。
見分ける判断として【ダンシングした時に音が出るか出ないか?】ということで判断します。
ダンシングの時はサドルに座ってないので音は出ません。
音が消えればシートポスト周りは対象から外せます。
駆動系は踏んだ時、ハンドルまわりは力を入れた時なので、どちらも同じような乗り方をしてるときに出るので判断が難しい場合がありますよね。
もし、あなたのロードバイクに異音が出た時は『ダンシング時に出るのか?ダンシングの時にハンドルに力を入れない状態でも出るのか?』など、細かい情報を伝えていただくと異音の判断が正確にできます。
スギノのBB(ボトムブラケット)を交換 分解してみた
もともとついていたのはスギノのBBです。
スギノからシマノのBBに交換しました。
サイズはスレッドBBのJISタイプです。
スギノは国内でもトップクラスのメーカーなので、BBなどのパーツも信頼がおけます。
シマノでも異音が出る時は出るので、スギノのBBから異音が出たからといって製品が悪いわけではないことを理解してください。(私のデュラBBは3000Kmで音が出ました)
異音の原因は金属の擦れやキシみなので劣化が原因です。
BBはベアリングがダメになると、金属が擦れてキズがつきクリアランスが広がってキシむことがあります。
今回はスレッド式のBBなので、ベアリングカップの中にベアリングが圧入してあり、カップをフレームにねじ込むことでクランクの軸をささえています。
「トルクをかけるとギシギシと音がする」場合、考えられることはカップとベアリングのクリアランスが広がっているのではと判断しました。
アウターカップからベアリングを抜くときに、工具を使って押し出すわけですが、シマノの場合は意外と力が必要なのに取り外したスギノは簡単に抜けたんです。
カップとベアリングのクリアランスが広ければ抜けやすくなります。
抜けやすい状態であれば、異音も出るわけです。
手でベアリングを圧入できてしまった
ベアリングを抜くのは多少なりとも力を使ったのですが「まさか工具を使わず手で入れることはできないよな」と思ってやってみたら・・・。
入りました(笑)
手で入るくらいのクリアランスなら異音が出て当然です。
円形のものは、対角線の長さはどこを測っても同じです。
それぞれを組み合わせて圧入する場合、同じ大きさでは入りません。
カップの内径はベアリングの外径よりもわずかに大きくなっています。
圧入する場合、ベアリングとカップとの差は小さいので、まっすぐ平行に入れないと入りません。
ところが、取り外したスギノのBBは、ナナメにしながら少しづつ押し込むことができました。
あきらかにカップの方が広がっています。
ベアリングが手で入るなら、異音の原因はBBに間違いないでしょう。
スレッド式BBは交換できるが圧入BBは・・・
スレッド式BBはカップが広がって異音が出たとしても、BBを交換すれば修理可能です。
しかし、圧入式BBの場合はフレームを交換するしかありません。
これが圧入式BBの最大のデメリットです。
圧入式BBで異音が出た場合の対処法もありますが、応急的なものなので必ずまた異音が出てしまいます。
BB30でシマノクランクを使うという場合であれば、スリーブを接着してしまえばスレッド式BBに変換できるのでいいのですが、それ以外のBBはスリーブ式のねじ込みBBを使うなどしなければならなくなります。
BBの異音は、ペダルを踏むたびにカチカチ音が出るのでかなりのストレスです。
最近は圧入BBからスレッド式のBBに戻るような動きもフレームメーカーでは出ています。
プロ選手やメカニックから異音や交換に関していろいろ言われているらしいです。
圧入式BBで幸せになれるのは、フレームメーカーだけで、ユーザーにとってのメリットなどありません。
圧入式でも音が出たらBBを交換すればいいじゃん
圧入式BBは交換すると音が出る場合もあるんだよ
YouTubeの動画でさらに詳しく解説
BBカップに手で圧入できてしまうBB。
カップにベアリングが入っていくときの【音】はさすがに文字では伝えきれないので動画にしてあります。
カップに入るときの『パキパキ』という音がカップとベアリングの間でおきる『異音』なのではないかと思います。
圧入ベアリングは交換すると異音が出る場合がある
ベアリングの圧入は、圧入する部品とされる部品の両方に負担をかけます。
ベアリングは外周を圧縮する力がかかり、カップやフレームには広げる力がかかります。
負担が大きいので、圧入する回数は少ないほうがいいのは言うまでもありません。
圧入式BBのフレームを使っている方は、できるだけBB周りを汚さないようにし、定期的にBBのグリスアップをしましょう。
今取り付けてあるベアリングを長く使うことがBBからの異音を無くすことにつながります。
スレッド式のBBの場合は、何度取り外してもフレームへの影響はないので、耐久性抜群のシマノのBBを定期的に交換すれば異音の無い自転車に快適に長く乗ることができますね。
内緒だけどBBはデュラじゃないほうがいいよ
鋼球が小さくなって回転は軽いけど耐久性が・・・
まとめ
異音が出るということでとりあえずBBを交換しました。
交換したBBを分解してみると、あきらかに圧入がゆるいことが分かったので異音の原因はBBであると思います。
異音は非常に不愉快で不安な現象です。
スレッド式BBも圧入式BBも、ベアリングを圧入しているという方式に違いはありません。
違うのは交換できるカップ式なのか、交換できないフレーム式なのかということです。
カップ式であれば数千円で交換できますが、圧入式だとフレームの方へダメージが加わっています。
最近ではフレームメーカーも再びスレッドを採用しています。
BB型式でフレームを選ぶこともできないでしょうが、BBは種類が多すぎてややこしい部分です。
後々のメンテナンスのことも考えて、自分フレームにはどの規格のBBがついているかということは知っておくべきです。
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