ロードバイクのフロントシングル化の話題はここのところ少し落ち着いています。
シングル化するメリットとデメリットを1年乗ってきた経験からおすすめポイントとそうでない部分をお伝えします。
これを読めばシングル化に悩んでる方も『やってみよう』『やっぱりやめておこう』と決定打になるかもしれません。
【結論】フロントシングル化はお勧めします
ロードバイクのチェーンリングは大きいギヤと小さいギヤの2枚です。
これを1枚にしてしまおうっていうのがフロントシングルです。
シングル化についての細かい部分は後述しますが、ここでははっきり言ってお勧めできるかという点について語っていきます。
私が1年使ってきて思うことは『フロントシングルは間違いなくお勧めできる』ということです。
ただし、デメリットもあるので、できれば最後まで読んでいただければと思います。
シングル化する前の私のギヤ構成
私のギヤ構成からシングル化したギヤ構成に対する考えがわかっていただけると思います。
ただ、初めてシングル化して使ってきた1年間で思ったのは、このギヤ構成は失敗でした。
失敗した経験から、最適解を導いていきましょう。
私はノーマルクランク 【52×39t】 を使っています。
ノーマルクランクを使うのにも理由があるのですが、長くなるのでここではやめておきますね。
インナー39tを使っていますが、坂はめっぽう遅いです。
カセットは12-25または13-25を使っています。
9速カセットです。
普段、平地で踏むギヤは52×17~19tをメインで使うレベルです。
ギヤ比で言うと
52×17t 3.06
52×18t 2.89
52×19t 2.74
初めてのシングル化でナニもわからないので費用を抑えるために、新しく購入するパーツは最小限のフロントチェーンリングだけでいくことにしました。
カセットは普段から使ってる12-25tを使います。
シングル化を考えたときのギヤ比
フロントギヤを決める時に重視したのが平地で使うギヤと上りで使う最も軽くなるギヤ比の2点です。
下りで踏む高速ギヤは全く考えていません。
平地から登りまでで使い切れるギヤ比であればいいというざっくりとした考えです。
フロントシングルを検討するにはこの『ざっくりとした考え』が大切です。
細かいギヤ比は得られるはずが無いので『まぁ、大丈夫』的でいいと思います。
平地メインで使うギヤは17tメインで、1枚上げ下げするカンジなので17tに近いギヤを小さいトップギヤの2~3枚あたりで使えればいいと思いました。
メインで使うのでチェーンラインをできるだけ最適化したかったので2~3枚目という理由です。
上りで使う軽いギヤは『まぁ、上れなかったら押して歩く』的な考えで25tです。
27tカセットも一応持ってるのでコースに応じてもう少し軽くすることも可能です。
上記のことからチェーンリングは40tを選びました。
ウルフトゥースのナローワイドです。
ナロー&ワイドとは?
ギヤの歯が一枚おきに厚い部分と薄い部分が交互に作られています。
厚い部分はチェーンのアウターリンク(幅の広いほう)、薄いほうはチェーンのインナーリンク(幅の薄いほう)にはまるようになっています。
このことからこのギヤは偶数歯数しかありません。
38・40・42・・・・というギヤ板しかないです。
普段は39tをインナーに使ってるので40tであれば単純に考えてギヤ比的にはほぼ変わりません。
平地で使えるギヤも13・14・15tでいけそうという結論です。
52tと比較してみましょう
40×13t | 3.08 | 52×17t | 3.06 | |
40×14t | 2.86 | 52×18t | 2.89 | |
40×15t | 2.67 | 52×19t | 2.74 |
40×15t と52×19t が開いてますが、40×13tと40×14tは近いのでOK でしょう。
ロー側は
39×25t 1.56 40×25t 1.60
39tと40tなのでほぼ変わらず大丈夫でしょう。
フロントシングルのメリット
フロント変速のわずらわしさから解放される
フロント変速時のチェーン落ちがなくなる
部品数が減るので軽量化
フロントディレーラーが無いことによって見た目がスッキリ
とこのくらいでしょうか?
私は軽量化には興味が無いのでどのくらい軽くなったのかわわかりません。
フロントシングルのデメリット
細かいギヤ比の選択ができない
気のせいかもしれないがチェーンリングが小さいことによる駆動ロスがある
デメリットはこれだけです。
フロントシングルで1年使ったレビュー
フロントシングルはとても使いやすくて、ナローワイドのウルフトゥースではチェーン落ちは一度もありません。
フロント変速をしないので、走る路面状況に合わせてリヤの変速だけで対応できるのは精神的なストレスから解放されます。
上りに入っても、フロント変速してリヤのギヤを2枚落としてギヤ比を合わせながら上るということをする必要もなく、上りに入ればリヤの一段ずつ軽くしていけばいいだけです。
最終的に軽くなるギヤ比はダブルで乗ってるときとほぼ変わらないので不安はないですよね。
また、シングルギヤのウルフトゥースはギヤ板が厚いいわゆる【厚歯】なので剛性感がダブルのチェーンリングと比べて全く違います。
踏んだ感じがカッチリしてるのでとても気持ちよく上れます。
フロントシングルにして大成功でした。
ある部分を除いて・・・。
フロントシングルがつらいと感じるただ一つのことがとても重要
これは、フロントのギヤを40tと小さいものを選択したからであって、のちに説明する46tや48tであればこのデメリットはほぼ解消できるはずです。
それはグループライドで、フロントダブルのノーマルギヤ構成の方たちと走る場合です。
同伴者とギヤ比が合わないのでひたすら【踏む】【回す】を強いられます。
先頭で引く場合は、風を受けるので少し軽いギヤで同伴者のペースに合わせて回し、後ろについて引いてもらう時は重いギヤで踏むことになります。
初めはシングルに慣れていないからだと思っていましたが、回数を重ねるたびにギヤ比が人と合ってないことの辛さを実感します。
単独でなら自分のペースなので、どんなギヤでも気持ちよく【回せばいい】し【踏めばいい】んです。
同伴者と一緒の時は、向かい風や追い風がありトレインの中に入ると無風になり先頭に出ると向かい風。
自分のペースではなく人のペースに合わせるのはかなりきついです。
ただこの一点だけなので、のちに書くギヤ構成が納得できる方にはフロントシングルはお勧めです。
お勧めできるのはこういう使い方
一人で走ることが多い方
ブルべなどの長距離を走る方
踏むことも回すことも全然平気でつらいと思わない方
フロント変速が何よりも面倒くさいと思ってる方
まず、自転車を2台以上お持ちの方なら1台はフロントシングルにしてもいいと思います。
グループライドではノーマルギヤ構成の自転車を使えばいいですから。
ブルべなどはメカの故障リスクが減るのでとてもいい選択だと思います。
ただし、ギヤ構成をよく検討しないといけません。
カセットはかなりのワイドギヤになるはずです。
フロント変速が面倒くさいと思っていらっやる方は全力でお勧めです。
解放されますよ。
私が考える最適なギヤ構成
私が使った40tは完全に失敗です。
チェーンがチェーンリングに対する曲がりが大きいことによる駆動ロスなども考えていませんでした。
以外と感じる駆動ロスも大きいのでお勧めするフロントギヤは 46tまたは48tくらいがいいと思います。
リヤのカセットは30tまたは32tがいいと思います。
リヤをもっと大きいMTB用のでもいいという方はフロントは50tとか52tでもいいと思います。
比較してみましょう
ノーマル | シングル | シングル | |||||
40×13t | 3.08 | 52×17t | 3.06 | 46×15t | 3.06 | 48×16t | 3.00 |
40×14t | 2.86 | 52×18t | 2.89 | 46×16t | 2.87 | 48×17t | 2.82 |
40×15t | 2.67 | 52×19t | 2.74 | 46×17t | 2.70 | 48×18t | 2.66 |
ロー側
40t×25t | 1.60 | 39×25t | 1.56 | 46×30t | 1.53 | 48×32t | 1.50 |
32tを使うとリヤディレーラーをロングケージにしないといけませんが、9100のデュラエースや8000のアルテグラであれば30tが使えます。
7000からはロングケージを使う必要がありますが、リヤディレーラーも5千円くらいなので大きな負担はないと思います。
私は9速ティアグラなのでSTIを変える必要があるのでこの選択をしませんでした。
お勧めはGRXなどの専用機材
いちど組んでみて使ってみないとなかなか思い切れない部分だと思いますが、お勧めは1xの専用コンポです。
シマノだとGRXがありますが、残念ながらクランクに関してはシングルは40or42tしか設定が無いのでウルフトゥースなどを使うしかないですね。
変速機まわりはギヤの使用範囲が広いのでGRXとかのロングゲージモデルがいいと思います。
まとめ
フロントシングルのメリットとデメリットを記事にしました。
私の感想なので多くの人と共感できるとは思いませんが一つの参考にしていただければ幸いです。
40tで組んでいても単独で走る分には全く不満はなく快適に乗れています。
今は楕円リングが手に入ったので試験的に楕円ダブルギヤにしていますが、近いうちにシングルに戻す予定です。
もちろん40tです。
フロントシングルにしても、グループライドで使わなければいいので元に戻すことにしました。
その作業の模様はまた後日お伝えします。
楕円リングのレビューもおたのしみに。
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