- 上りがつらい
- 上りが遅い
- 坂の途中で力つきる
こんな悩みのあなたは、この記事を読めば坂を上れるバイクセッティングがわかるはずです。
ぜひ最後まで読んでください。
ロードバイク初心者の方は、「上る」セッティングがわかるはずです。
私は坂が苦手です。
できれば下り坂しかない世界で自転車に乗りたいです。
「ロープウェイで運んでくれんかな?」とか「誰か車で迎えに来てくれんかな?」なんて考えてるヘタレです。
知れでも坂は好きなんですけどねw
ロングライドに出れば必ず坂はあるし、上らなければ目的地につくことも帰ることもできません。
また坂の多いイベント【グランフォンド系】では、時間内にゴールしなければならない上に、コース途中で走れなくなれば「回収」されてしまいます。
なにより、時間内に最後まで走りきることができることが大切です。
そのためには自転車を「坂を上るためのセッティング」にしておかなければなりません。
コースを読み、それに合わせたセッティングにすることで完走することができます。
グランフォンド系のイベントや、坂が苦手な方はセッティングの参考にしてください。
坂を制するのは軽いギヤ 軽いは正義
上り坂が苦手な方は、できる限り軽いギヤセッティングにしましょう。
軽ければ軽いほど楽に坂を上ることができます。
シマノのアルテグラ(R8000)やデュラエース(R9100 )であれば、リヤカセットは最大30tを使うことができます。
- あなたのカセットギヤの最大歯数はいくつですか?
28tなら30tにすれば、今より楽に坂を上ることができます。
105(R7000)は最大28tまでなので、それ以上のギヤにしたければリヤディレーラーを交換しなければなりません。
- フロントチェーンリングはコンパクトクランクですか?
コンパクトクランクとは【50 × 34t】のフロントギヤ構成のクランクを言います。
最近は【52 × 36t】が増えてきていますが、36tよりも34tの方がわずかに軽いギヤになります。
フロントは小さいギヤが軽く、リヤは大きなギヤが軽くなります。
最大でカセットギヤは34tがあるので、コンパクトクランクと組み合わせれば 1:1 のギヤ比にすることができます。
このギヤ比なら、どんな激坂でも上ることができるでしょう。
ギヤ比が下がれば速度は遅くなります。
初心者は速度より「上る」ことに慣れましょう。
上れる体ができてきたらギヤ比を上げ、タイムや速さを狙えばいいです。
初心者の方は、まずは低いギヤ比で、坂を楽しむことから始めてください。
フレームも軽量フレームがいい 軽さは正義
自転車で坂を上るというのは、自転車とあなたを頂上まで運ぶことです。
自転車が10㎏で体重が60㎏なら、70㎏のものを坂の頂上まであなたの力で運ばなければなりません。
1gでも軽い方がいいのは想像できますよね?
自転車で3㎏、体重を5㎏軽くすれば62㎏になります。
重い鉄フレームより、軽いカーボンフレームの方がいいのはあきらかです。
鉄やアルミフレームに乗ってる方はカーボンフレームにすれば、体感重量はかなり軽くなりますが、すでにカーボンフレームの方はさらに軽いもにするのはコスパが悪すぎます。
コスパがいいのが次に紹介するホイール交換です。
ホイールを軽いものに交換する
軽いフレームにするより効果的なのがホイールを軽いものにすることです。
軽いフレームに軽量ホイールは最強の組み合わせですが、軽量ハイエンドフレームに乗ってる方ばかりではありません。
フレームがセカンドグレードでも、サードグレードでもホイールを軽くすればフレームを軽くした以上の効果があります。
ホイール重量が100g違えば、その違いは必ず体感できます。
上りに向いているホイールを2種類紹介します。
参考にしてください。
ホイールを選ぶポイントは【軽さ】と【剛性】です。
普段使いからロングライドには【デュラエース C24 】
「グランフォンド系のロングライドにお勧めのホイールを教えて」
と言われたら、私はデュラエース C24 をお勧めします。
デュラエースのメリット
- 軽い(前後重量 1453g)
- 乗り心地がいい
「軽さは正義」と言いましたが、まさにデュラエースは正義です。
前後重量1500gを切ったホイールに乗ると、1700g代のホイールがすごく重く感じます。
軽いだけではなく、乗り心地もホイールには大切な部分です。
デュラエースC24 のスポークはステンレス製なので、乗り心地の良いホイールです。
「疲れないこと」がロングライドでは大切になります。
ゴールまでに力つきてしまっては、いくら速く走っても意味がありません。
乗り心地のいいデュラエースなら疲れも少なく、ロングライドでは性能を発揮するでしょう。
また、リムが軽いのでヒルクライムでも十分使える高性能ホイールです。
ただ、レーシングゼロやシャマルのような剛性はないので瞬発力では劣ります。
オールマイティで使えるホイールなので、迷ったらデュラエースを買えば間違いないでしょう。
フルクラム【レーシングゼロ】カンパニョーロ【シャマル】
「速く上れるホイールを教えて」
上り坂を速く走りたい方は「レーシングゼロ」か「シャマル」がおすすめです。
どちらも同じタイプのホイールなので、レーシングゼロで解説していきます。
レーシングゼロのメリット
- 軽い(レーシングゼロ 前後重量 1518g)
- 圧倒的なホイール剛性
ホイールは路面の上で変形しながら回転しているって知っていますか?
自転車のホイールは円ですよね。
しかし、路面の上を転がっているときは真円ではなく変形しているんです。
野球のボールはコロコロとどこまでも転がりますが、ラグビーボールは転がりませんよね。
ホイールが野球のボールのように、丸い状態であるためにはホイール(リム)の剛性が必要です。
レーシングゼロは剛性が高いので、真円を保ったまま路面の上を転がります。
剛性があってよく転がるので、ペダルから伝わる力を余すことなく推進力に使えるのがレーシングゼロなどの高剛性ホイールです。
ただ、剛性が高いホイールは脚にきやすく疲れやすい傾向があるので、常に軽いギヤでペダルの回転数を上げて走れる方などが向いています。
1500gを少し超えていますが、ホイール剛性が高くよく転がることから、重量を感じることはないでしょう。
むしろデュラエースC24 より軽く感じると思います。
リムブレーキのカーボンホイールはおすすめしない
リムブレーキの自転車で、初心者の方のグランフォンド系を走る場合、カーボンホイールはおすすめしません。
下りでブレーキ面を痛めてしまうからです。
長い下り坂で、ブレーキを常に掛けながらスピード調整する場合がありますよね。
ブレーキをかけ続けると、リムのブレーキ面の温度が上がり、カーボンホイールの樹脂が溶けてリムが壊れてしまいます。
リムの温度を上げないようにするには、前後のブレーキを使い分けて、ブレーキ面を冷やしながら走ります。
リヤブレーキを少し使ったら、リヤホイールを冷やすためにフロントブレーキを使う、といったことをしてリムを冷やします。
カーボンホイールの扱いに慣れている方であれば、そういった前後の切り替えができるでしょうが、初心者の方では少し難しいと思います。
リムを冷やすテクニックがあればカーボンホイールでもいいと思いますが、初心者の方はアルミリムを使うようにしてください。
アルミリムなら、そういったテクニックは必要ありません。
あなたがディスクブレーキに乗っているなら、ブレーキの影響をリムには受けないのでカーボンホイールの方がいいでしょう。
ディスクブレーキに乗ってる方は、アルミリムを使う理由はありません。
ディスクブレーキならカーボンホイールの一択です。
とはいえ、カーボンホイールは高価な部類に入ります。
安さではアルミホイールとはくらべものになりません。
また、リムハイトの高いカーボンホイールは横風に弱いデメリットもあります。
そんな時は、ZONDAがおすすめです。
扱いやすさやG3組みの空気の抜けの良さは、レーシングゼロやシャマルに迫る性能です。
デュラエースC24 できるだけ疲れないロングライドがしたい方
デュラエースは比較的やわらかいホイールなので、乗っていて疲労が少ないです。
初心者の方で「長距離を走りたい」と言う方にもっとも向いているホイールと言えます。
軽く乗り心地のいいホイールなので、どんなコースのサイクリングでもこなしてくれる万能ホイールです。
競技でも十分戦える性能のホイールなので、将来自転車レースに出てみたいという方でもおすすめします。
レーシングゼロ・シャマル スピードの速いロングライドがしたい方
Campagnolo – Shamal Mille (シャマルミレ) C17 クリンチャーホイールセットレーシングゼロやシャマルが向いている方は、とにかく速いロングライドをしたい方ですね。
ロングライドでも、アベレージスピードを目標に走りたい方に向いているホイールです。
将来、自転車レースに出たいという方はレーシングゼロやシャマルをおすすめします。
仲間のスピードに必死でついていってるかたも、レーシングゼロなら楽についていけるようになるかもしれません。
「速いホイール」「推進力」こそが、レーシングゼロやシャマルの得意とするところです。
Fulcrum – Racing Zero (レーシングゼロ) LG クリンチャーホイールセットチューブはラテックスを
軽量ホイールにしたら、タイヤやチューブも軽くしましょう。
チューブはラテックスチューブをおすすめします。
ラテックスチューブはブチルチューブに比べると重さが20gくらい軽くなります。
ミシュランのブチルチューブと比較してみましょう。
AIR STOP (ブチルチューブ) 18 – 25c | 93g |
---|---|
AIR COMP ULTRA LIGHT(軽量ブチルチューブ) 18 – 25c | 75g |
AIR COMP RATEX(ラテックスチューブ) 18 – 25c | 70g |
普通のブチルチューブと比べて23gもラテックスチューブの方が軽いです。
前後で約50gですが、その差は体感できます。
乗り心地もラテックスチューブの方がいいので、ロングライドでも疲労軽減に役立つでしょう。
ただし、ラテックスチューブは空気が抜けるのが早いデメリットがあります。
朝と夕方でも空気圧が下がってしまうので、何日も走るようなサイクリングには向いていません。
朝出て夕方には帰る1日コースで使うようにしてください。
少し重いですが、パナレーサーの【R-Air】なら77gでブチルチューブとしては軽く、エアーの抜けも少ないです。
ミシュランのAIR COMP ULTRA LIGHT と重さはほぼ変わらず、入手性がいいのはR-Airなので、多くの方が使っています。
タイヤは好みのものを
チューブを軽くしたらタイヤも軽くしたくなりますよね。
軽いタイヤはパンクしやすいのでロングライドにはおすすめしません。
もちろん重いタイヤは絶対にダメですが、軽いタイヤはパンクのリスクも大きくなります。
一本あたり200gくらいのタイヤがいいですね。
軽いからとヒルクライム用の超軽量タイヤを使って、パンクで時間をロスするくらいなら、トラブルが少ないタイヤの方が結果的に速く走ることができます。
ロングライドで多いのがタイやトラブルです。
トラブルが少ないコンチネンタルは、ロングライドに特におすすめです。
Continental – Grand Prix (グランプリ) 5000 ロード 25c タイヤ (ペア)装備のセッティング
軽いギヤ・軽いホイール・軽いチューブで自転車のセッティングは完璧です。
ロングライドにはそれなりの装備が必要になります。
工具やチューブなどですね。
これらの装備は、サドルバッグなどに入れて自転車に取り付けているはずです。
坂が多いロングライドでは、これらの装備をできるだけ自転車の低い位置につけた方が疲れにくいです。
サドルバッグよりボトルケージの方がいいですし、ボトルケージよりダウンチューブの下と、重量物はできるだけ低い位置に取り付けましょう。
なぜかわかりますか?
坂を上るときには必ずダンシングをします。
装備がサドルのように高い位置にあると、自転車の振りが重くなります。
ダンシングでは路面を支点に自転車を左右に振ります。
自転車の中で振り幅が大きいのは、サドルなどの高い位置にある部品なので、できるだけ軽いほうがダンシングで疲れにくいです。
ケイデンスは上級者のテクニック 初心者はペース配分だけ考える
「上り坂に入ってもケイデンス80を維持」なんて言われたりしませんか?
3%くらいの上りならケイデンス80を維持できるでしょうけど、8%や10%の坂では無理ですよね。
平坦でも上りでも、ケイデンスは高いほうがつかれないので、上り坂でも回転を維持できるようにギヤ比を下げなければならないです。
とはいえ、どれだけギヤ比を低くしても、坂の後半でケイデンスの維持は難しくなります。
疲れますからね。
初心者の方は、ケイデンスを意識するのではなく、坂の最後まで上りきれるペース配分だけを考えましょう。
ケイデンスを意識しすぎると、回せなくなった時に頑張ってしまうので体力を早く使ってしまいます。
リラックスして上ることが大切
上りに入るとハンドルをガッチリ握って、上半身に力が入っていませんか?
上半身に力が入ると、下半身にも力が入ってしまうので疲れてしまいます。
ハンドルを柔らかく持って、上半身の力を抜きましょう。
上半身が柔らかく使えると、呼吸も楽になります。
力を抜くというのは簡単なようで難しいかもしれません。
ポイントはハンドルを強く握らないことです。
手の力が抜ければ、全体の力がス~~っと抜けてきます。
坂を上りやすくするためのバイクセッティング まとめ
初心者の方は上りが嫌いな方が多いと思います。
しかし、サイクリングをすればコース上に必ず坂はあるので、坂を避けては通れません。
嫌いな坂をできるだけ楽に上るためには、バイクセッティングが必要です。
- ギヤはできるだけ軽くする
- ホイールを軽くする
- チューブを軽くする
このようにすべてに対して「軽くする」ことが上りを楽にするポイントになります。
もちろん体重を軽くするというのもアリですが、ダイエットはすぐに効果はありません。
自転車パーツを軽くすることは、すぐにできるうえにその効果は抜群です。
【軽さは正義】です。
軽い自転車で坂を上り続けていると、いつか坂が好きになってきます。
「坂バカ」と言われる方も、初心者の時は坂が嫌いで遅かったはずです。
嫌いな坂を克服して、あなたも「坂バカ」になってください。
上りが楽しくなるとロードバイクの世界が広がります。
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